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長野県から新潟県に至る一般国道 ウィキペディアから
国道148号(こくどう148ごう)は、長野県大町市から新潟県糸魚川市に至る一般国道である。
国道147号などとあわせて、松本市・長野県南部方面と、糸魚川市・および富山県・石川県など北陸地方とを連絡する道路である。ほぼ全線が、鉄道の大糸線や、日本海へ注ぐ姫川に沿って並行する。北陸自動車道の糸魚川ICと、長野自動車道(中央自動車道長野線)の安曇野ICの間を結ぶ最短連絡路線で、北陸と関東を結ぶ産業・経済を支える主要な幹線道路に位置づけられている[1]。また、長野県と富山県は隣接しているが直結する道路や鉄道がなくアクセスできないため、当線の糸魚川経由が最短ルートとなる。
古くは信濃国に塩を運ぶ重要な街道(千国街道)であったことから「塩の道」ともよばれた。新潟県糸魚川市大所 - 根小屋の区間は、防雪の道として、旧建設省と「道の日」実行委員会により制定された、「日本の道100選」の一つに選定されている[1]。
古くから越後の糸魚川地方と信州の関係は深く、海産物などの流通路、いわゆる「塩の道」ともよばれる千国街道で結ばれてきた[5]。行商人が塩や干し魚などの重荷を背負って歩き、谷を遡って峠を越え、冬は雪崩にさえぎられるなど、難所続きの道であった[1]。明治時代に入ると、1879年(明治12年)6月7日、新潟県道により「須沢(国道三等点)ヨリ大谷内小滝山ノ坊ヲ経テ長野県下来馬駅二至ル線路」として県道三等に仮指定された[6]。
その後、塩の道に代わるルートとして谷を流れる姫川沿いに、荷車や馬車が通行可能な平坦な馬車道としての開削が望まれるようになり、1882年(明治15年)に長野県が打ち出した七道開墾事業の一つとして計画され、1883年(明治16年)に実測調査を開始し、1885年(明治18年)5月に着工。1886年(明治19年)10月に大町から新潟県境までの工事が完了し、1890年(明治23年)に大町糸魚川線として仮定県道指定され、1892年(明治25年)11月の新潟県側の工事完了をもって全工事が完了した[7][6]。しかし、厳しい地形を縫うこの道は、風雨のたびに落石が相次ぎ、冬季は雪崩が谷を埋め尽くしてしまうことから、12月から4月までの間はいっさいの交通が途絶えた[1]。また、かつて猫鼻の橋を経由していたルートは姫川の増水により何度も流失したため、後に葛葉峠経由の路線に変更されている[7]。
1920年(大正9年)4月1日には新潟県告示により県道糸魚川松本線となり[6]、1936年(昭和11年)9月25日には内務省告示で県道27号糸魚川松本線となった[8]。この間にも1932年(昭和7年)に小谷橋、1937年(昭和12年)に親沢橋、1939年(昭和14年)に川尻の姫川橋と東橋がコンクリートの永久橋に改良されるなど、若干の道路改良が進められた[9]。
国道指定直前の1950年(昭和25年)7月20日には、集中豪雨による姫川の増水により、小滝村突附地内の区間が約20 m押し流される被害を受けた[10]。
戦後の1953年(昭和28年)5月18日に、このルートが二級国道148号に指定され、日本の高度経済成長とともに自動車交通の激増により改良事業が推進されていき、姫川に架かるつり橋の架け換え事業や交通難所のトンネルの建設、道路舗装工事、大規模なバイパス道路の開通が行われてきた[1][9]。
国道の本格的な除雪は昭和30年代後半から始まったが、道幅も狭く除雪機の数が少なかったため大雪などの時は対応困難であったが、1965年(昭和40年)から国や長野県からの補助を受けて除雪車の導入を図り、国道の主要部分の除雪が可能となった[11]。
防雪設備の整備は、雪寒法の制定により、雪崩防止柵や擁壁が当初設置されたが、その目的が果たすことができず、1961年(昭和36年)よりスノーシェッドの整備が着手された。以来、スノーシェッド設置の進ちょく状況により、それまでの冬季における除雪が一部区間に限られていたが、整備のかいがあり、1980年(昭和55年)に全線の完全除雪を達成した。だが、翌1981年(昭和56年)は豪雪により、70日あまりの通行止めを余儀なくされることとなる[1]。以後、防雪施設の整備がさらに推進され、冬季通行止め日数は年々減少し、1986年(昭和61年)以降は、小規模の雪崩の発生はあるものの冬季通行止めは1日もなくなった[1]。
1995年(平成7年)は信越地方を襲った集中豪雨により7.11水害が発生し、国道148号は未曽有の被害を受けることとなった。しかし、1998年(平成10年)の長野冬季オリンピック開催までのあいだに、整備を進めてきた改良工事も供用され、災害復旧も新国界橋を除いて完了したことにより、オリンピック会場への連絡道路としての効用を果たしている[1]。
松本市より北は広々した平坦地が続く安曇野で、信濃大町を過ぎて信濃川水系の高瀬川と姫川の分水稜となる佐野坂峠を通る[5]。白馬村付近では、北アルプスの山並みが大きく迫る眺めが見られる[5]。沿線は、北アルプスの山岳の秘湯や温泉宿、リゾートホテルがある温泉地が数多くあり、多くの観光客でにぎわうところである。オリンピック会場にもなった白馬や八方尾根周辺は、スキー場も多い。
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