加藤節
日本の政治学者 ウィキペディアから
加藤 節(かとう たかし、1944年〈昭和19年〉5月24日 - )は、日本の政治学者。成蹊大学名誉教授・法学部特任教授。専門は、政治哲学、西欧政治思想史。ジョン・ロック研究者として知られるのみならず、近年では南原繁や丸山眞男に代表される戦後日本における批判的知識人の思想史的系譜に関する研究でも有名。また、安倍晋三の恩師としても知られている。
経歴・人物
長野県生まれ。1965年4月、東京大学文科一類に入学。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科を修了。福田歓一の下で政治哲学を学ぶ。1974年4月、成蹊大学法学部講師。翌75年4月、同大助教授。76年、東京大学から法学博士の学位を取得。論文の題は『17世紀政治理論における「宗教批判」の展開:社会契約説と宗教理論』であった[1]。1982年、成蹊大学教授。1990年、成蹊大学アジア太平洋研究センター所長に就任。2002年には日本政治思想学会代表理事に就任した。2013年4月、成蹊大学名誉教授の称号を受けた。「九条科学者の会」で呼びかけ人を務めている[2]。
教え子の一人である安倍晋三に関して「首相と取り巻きは、憲法は既にないものとの認識ではないか」「ずるい政治家です」と批判している[3][4]。
2020年5月15日、検察庁法改正に反対する松尾邦弘・元検事総長ら検察OB14名が法務省に提出した「東京高検検事長の定年延長についての元検察官有志による意見書」は、その中で加藤訳の『統治二論』を引用した。
17世紀の高名な政治思想家ジョン・ロックはその著「統治二論」(加藤節訳、岩波文庫)の中で「法が終わるところ、暴政が始まる」と警告している。心すべき言葉である — 【意見書全文】首相は「朕は国家」のルイ14世を彷彿 朝日新聞 2020年5月15日
著書
単著
編著
- 『デモクラシーの未来――アジアとヨーロッパ』(東京大学出版会、1993年)
- 『デモクラシーとナショナリズム――アジアと欧米』(成蹊大学アジア太平洋研究センター叢書、2011年)
共編著
訳書
- ジョン・ダン『ジョン・ロック――信仰・哲学・政治』(岩波書店、1987年)
- クェンティン・スキナー『思想史とはなにか――意味とコンテクスト』(半澤孝麿と共編訳、岩波書店、1990年)
- アーネスト・ゲルナー『民族とナショナリズム』(監訳、岩波書店、2000年)
- ジョン・ロック『完訳 統治二論』(岩波書店、2007年、ISBN 978-4000241403/岩波文庫、2010年、ISBN 978-4003400777)
- ジョン・ロック『寛容についての手紙』(李静和と共訳、岩波文庫、2018年)
- トマス・ホッブズ『リヴァイアサン』(ちくま学芸文庫 上・下、2022年)
脚注
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.