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『亡国のイージス2035 ~ウォーシップガンナー~』 (Boukoku no Aegis 2035: Warship Gunner) は、2005年に株式会社コーエーより発売された、福井晴敏作の小説『亡国のイージス』の30年後の世界を題材にした海戦アクションゲームである。
ゲームシステムの類似性や「ウォーシップガンナー」という副題など、同社の鋼鉄の咆哮シリーズと多くの共通点を持つが、鋼鉄の咆哮シリーズには含まれない。
鋼鉄の咆哮シリーズのゲームシステムではあるが、設計システムや描画エンジンは刷新されている。なおストーリー上、駆逐艦以外は操作できない。また、登場人物は原作に登場する者からその親族が登場し、プレイヤーが操作する艦名もいそかぜである。
亡国のイージスの続編という位置付けだが、特典として映画版の予告編を収録した「映画館」と、映画版のストーリーや登場人物、そしてGUSOHといった用語の解説を収録した「劇場資料館」があるのを考えると、本作は小説版ではなく映画版の続編と考えるのが妥当である。しかし、劇中で浅生浩二が主人公宮津直基を「反乱艦長の血筋」と評しているので、小説版の設定も反映されている(宮津弘隆がいそかぜの艦長なのは小説版。映画版では副長である)。
いそかぜ反乱事件から30年の月日が流れた2035年。21世紀初頭に顕在化した大規模テロリズムが産んだ対テロ戦争は、世界に終わり無き紛争をもたらした。その中で行き過ぎたナショナリズムが戦争の根源であると認識した世界各国は、大国が主導するのではなく、EUのような連合国家が等分に存在するべきという画期的な発想の転換に至り、複数の連合勢力が誕生。世界は争いから脱却し、人類は新たなる目標として世界連邦の樹立を目指し始める。
かつては夢物語でしかなかった世界連邦。しかし高度なネットワーク社会が構築され、その恩恵を当たり前とする世代の台頭によって今やそれは大いに現実味を帯びていた。国家や民族の垣根を越えて1つになりゆく人類。だが、誰もが皆同じ望みを抱いている訳ではなかった・・・。
ある日、海上自衛隊呉基地が襲撃され、最新鋭護衛艦ブイ・ウェッブ艦が強奪された。犯人は日本政府に対し千里馬(チョンリマ)艦隊司令「ホ・ヨンファ」を名乗り、「我々は10年前の偽りの統一政策によって蹂躙された祖国を解放し、真の祖国再建を果たすために行動を起こしたものである」「10年前の一方的な統一政策にアメリカと共に加担し、我が民族の尊厳と希望を一方的に踏みにじった日本の罪を我々は決して忘れない。ブイ・ウェップ艦はそのささやかな賠償としてこちらが受け取る」「我が艦隊が保有するミサイルの弾頭は、通常にあらず」という内容の声明を送る。
この事態に対し、ダイス元局長の渥美大輔はサルベージされブイ・ウェッブ艦仕様に改装されたいそかぜによる追撃部隊を編成。その新いそかぜの艦長は反乱事件首謀者の甥、宮津直基であった…。
2035年時点での最新鋭艦である可変兵装型護衛艦。名称の「VE-WEBV」はVariable Equipment : Weapon, Engine and Bridge Vesselの略で、設定は福井晴敏自らによる物である。
その実態は、実在のスタンダード・フレックスの要領で、武装のみならず、艦橋や機関までも含めた船体の主要部位がモジュール化され、自由自在に配置を変更する事が可能となっており、船体各部を組み替える事によって、多種多様な状況に対応できるという仕様。いわば『鋼鉄の咆哮』シリーズで使われてきた設計システム「HLG」に作品内世界での設定を付与した物であると言える。
劇中ではいそかぜの他に、千里馬艦隊が強奪した海上自衛隊の「くにつかぜ」「たかまがはら」「よもつかぜ」、米海軍第8艦隊所属の「テネシー」「アーカンソー」が登場している。
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