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アメリカの動物保護活動家 (1939 - ) ウィキペディアから
リック・オバリー(Richard (Ric) O'Barry、1939年10月14日[1] -)は、元イルカの調教師、保護活動家、海洋哺乳動物の専門家である。
現在は、フロリダ州マイアミ在住であり、過去38年間に渡ってイルカ解放運動に係わっている。
自然保護団体「アース・アイランド・インスティチュート」における「海洋哺乳動物の専門家」でもあり、「日本のイルカを救おう[2]」のディレクターも勤め、イルカ漁を批判的に描いたドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』では本人役で主演を務めた。一時期はシーシェパードの顧問会議に名をつらねていたが、後にその名前を除去している[3]。
米国海軍を除隊したオバリーは、1960年代にフロリダ州マイアミの水族館「Miami Seaquerium」にてイルカの訓練を始めた[4]。この水族館での勤務していた頃、イルカと少年の友情と冒険を描いたテレビドラマ『わんぱくフリッパー』でイルカの調教を担当。同番組は世界的に大ヒットし、イルカの賢さ、可愛さ、忠実さはこの番組から世界に知られるようになった。番組の成功によりオバリーは巨額の報酬を得ており、後に「自分は若かったし、その仕事は金銭的にも魅力的だった。お陰でポルシェを乗り回せた。まさに黄金の日々だった。」と語るほどだった。
しかし、出演していたフリッパー役の5頭のハンドウイルカのうちの一頭のキャシーが疲労と撮影用ライトの熱による皮膚の炎症[5]及び疲労によるストレスが原因で死亡[6]。オバリーはキャシーが「自分で呼吸を止めて自殺した」と考え、「『フリッパー』が原因で世界中でイルカショーが始まり、イルカが捕獲されるようになった」と自分を責めるようになり、その日から自らの贖罪のため、イルカを救うことに人生を捧げるようになった[7][要文献特定詳細情報]。
オバリーは、ルイ・シホヨスが監督を務めた長編ドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』に自身の役で主演した。
オバリーとシホヨスは、オバリーが講演をする予定であったある海洋会議において知り合った。しかしその会議でスポンサーであった海洋哺乳動物の水族館「シーワールド」(オーストラリア・ゴールドコースト)は直前になってオバリーの講演をキャンセルしたので、シホヨスはこれを不思議に思った。その事について彼に尋ねた所、オバリーはシホヨスに、自分が海洋哺乳類を逃がす活動を行っているためであると説明し、またオバリーは日本の太地町において、毎年9月から3月にかけて、伝統的にイルカの「追い込み漁」が行われていることをシホヨスに伝えた。現地を訪れた二人は、「追い込み漁」が行われている入り江(コーヴ, Cove)が日本政府によって国立公園に指定され、立ち入りが禁止されていることを知った。
この映画を撮影するにあたって、彼等と厳選された撮影隊はイルカ漁をカメラにおさめる方法を練った。この映画ではイルカ漁が20億ドル(約2,000億円)産業であり、日本政府が腐敗していてかつイルカ食は水銀中毒による人体への健康被害の危険があるといった事が伝えられている。
この映画が事実と異なる演出が多い事は知られているが、オバリーが映画内でイルカを捕らえた網を切るシーンも、ハイチで違法に捕られたイルカの網を切るシーンを編集してあるとオバリー自身がコメントしている[10]。
映画において、オバリーは「実際のところ、イルカ肉は毒だ。イルカ肉に含まれる水銀の量は、水俣病を引き起こした魚に含まれていた水銀の量を上回る。日本の新聞やテレビの報道がこれまで成し得なかったことを、このドキュメンタリー映画が成し得ることを望む」と語った。
オバリーは、八木景子が監督を務めたクジラを巡る世界的論争を描く、日本人監督初の本格長編ドキュメンタリー映画『ビハインド・ザ・コーヴ 〜捕鯨問題の謎に迫る〜』でインタビューを受け、外圧をかけるために太地町に来ていると明言した。[20]
過去にイルカ漁を取材した作家の川端裕人は「日本のイルカを救おう」におけるオバリーの主張に関して、イルカ漁には過去の負の遺産があり、それが改善されない限り、伝統だからの一点張りではいけないとし、イルカショー飼育個体の死亡率の高さや、イルカ肉の水銀値の高さから、その主張にある程度の妥当性を認めてはいるものの、映画『ザ・コーヴ』及びオバリー自身のイルカ漁を悪そのものとして描く事に対する不寛容さを批判している[21]。
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