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『ラストブロンクス -東京番外地-』(ラストブロンクス とうきょうばんがいち)は、1996年にセガがアーケードゲームとして発売した3Dタイプの対戦型格闘ゲームである。
3Dタイプの武器格闘はセガが初となる。モーションキャプチャを使用することによって武器の細かい動きも撮り込まれている[1]。
1996年5月24日、東京蒲田にあるイベントスペース"PIO"で、セガの新作業務用ゲームの発表会が行われた。セガのAM3研が総力を注いで制作しているゲームとして出展され、多くの来場者が挑戦していた[2]。
本作は、架空の東京を舞台にストリートギャング同士が繰り広げる抗争を描いたものである。プレイヤーキャラクターは各々が実在する格闘用の武器を手にしており、これを駆使して闘いを繰り広げる。また、サブタイトルが示す通り、彼らの闘いの場となるステージも東京都内に実在する場所をモデルにしている。開発はセガAM3研が担当。アーケード版のハードウェアは、同社の格闘ゲーム『バーチャファイター2』と同じMODEL2を使用している。
ゲームスタート時、あるいは他のプレイヤーがCPU戦をしている最中への乱入時に使用キャラクターを選択。四方を柵に囲まれたステージの中で、定められた時間内にできる限り相手キャラクターを叩きのめす。基本的にリングアウトは存在せず(隠し操作で自らリングアウトすることはできる)どちらかの体力値が0になった時点でそのラウンドでの勝敗が決まり、制限時間内に両者ともに体力が尽きなかった場合は体力値の残量の優劣により勝敗が決まる。このようにして対戦相手と攻防を繰り返し、規定のラウンド数を先に制した側が勝者となる。各ラウンドの制限時間と先取ラウンド数は設定により変動する。
基本操作は同社の『バーチャファイター』シリーズや『ファイティングバイパーズ』シリーズとほぼ同様で、入力機器として8方向入力タイプのレバーとガード(G)・パンチ(P)・キック(K)それぞれに割り振られたボタン3個がある。レバーと3個のボタンそれぞれの入力の複合で、キャラクターに様々な行動を取らせる。Pボタンが主に武器攻撃に割り振られているのが本作の特徴である。
以下、本作ならではのシステムを述べる。
バーチャファイターシリーズにおけるテクニック「PKキャンセル」を、全ての打撃技に適用したものが本作のアタックキャンセルである(以下、ACと表記)。コマンドはキャラクターが打撃技のモーションに入った瞬間にガードボタンを軽く押すだけであるが、その際にレバーがニュートラル(未入力)になっていなければならない。ACが成立するとキャラクターはその攻撃を中断し、再度フリーで動ける状態へと戻る。
ACの導入によって得られる一番のメリットは、多段の連携技を途中で止めた際に生じる硬直が軽減されることである。本作ではどの打撃技も硬直が長めに設定されているため、通常の入力方法で止めても視覚的な攪乱効果はほとんど期待できないが、止めたい箇所よりも一段多めに入力してACすれば技後の戻りが格段に速くなる。これを利用すれば、連携技から他の連携技、あるいは本命の技へとスムーズに繋げられる。アタックキャンセル後に最速で出した技は単純に発生が1フレーム速くなるという利点もあるため、空中コンボに応用すれば、通常入力では不可能な多段のコンボも可能になる。他に、モーションが大振りな単発技をACでチラつかせて相手のガードを誘うなどの応用法がある。
身を屈めて相手方向へと前転する特殊行動で、相手の攻撃をかわしながらその懐へと入るために使用する。コマンドはP + K + Gの同時押し。
潜り込み中は上段判定の打撃技・中段判定の打撃技・投げ技が全て当たらない。特にコマンド投げが強い本作においては、この潜り込みが非常に有効な回避手段となる。相手の攻撃をうまく潜り込めた場合、その直後に浮かせ技や投げ技で反撃することも可能であるが、一方で下段判定の打撃技に対しては完全に無力で、相手側はローキックなどを重ねることでこれをあっさりと潰すことができる。潜り込み中に下段攻撃を食らうと、それがどのような性質の技であっても強制的にダウンしてしまう。なお、潜り込みから投げ技を出した場合、威力が通常よりも低くなる(技によって違い、通常時の5〜8割程度になる)。
昭和の終わり、若者たちによる「第1次東京抗争」が起こっていた時代があった。争いに終止符を打ったのは、伝説のチーム「SOUL CREW」(ソウル・クルー)。強い力を持ちながら決して支配しない、「フリーソウル」な気風は若者たちに自由と安息を与え、様々なスタイルを生み出すきっかけとなった。
しかし平成の時代に、突如として平和は終わりを告げてしまう。シンボルでもあり絶対的なカリスマを誇っていた「SOUL CREW」チームリーダーが何者かに殺害される[3]。「SOUL CREW」は内紛を起こし解散を余儀なくされ、パワーバランスは完全に崩れ去ってしまい、「第2次東京抗争」が勃発してしまう。
時を同じくして、「RED RUM」を名乗る人物より、文書が各チームのリーダーに届く。内容は丁寧だが高圧的な物言いで、チームリーダー同士が戦うことにより新たな支配者を決めるべきだとする提案と、そのための闇試合への参加を促すものだった。最初は相手にせず一笑に付していた者たちも、チームメンバーたちへの「RED RUM」の報復と思われる襲撃事件が頻発するに当たり、冗談とは捉えられなくなり、承諾せざるを得ない状況に追い込まれる。
様々な思惑が絡み合う中、闇試合は始まろうとしていた。
キャラクター選択画面で隠しコマンドを入力すると、ゲーム内でキャラクターが手にする武器が変化する。三節棍が三両編成の新幹線のおもちゃに、ヌンチャクがトウモロコシに、バトルスティックが『ダイナマイト刑事』のモップに、ハンマーが冷凍マグロに、木刀がハリセンに、トンファーが折り畳み傘や箸で刺したサンマの塩焼きになるなど、どれも元の武器に比べておちゃらけたものばかりになる。また、別のコマンドを入力することによってレッドアイが使用可能になる。
これらはアーケード版からあった隠し要素だが、家庭用では他にも様々な要素も追加されている。
最後発でリリースされたPS2版はアーケード版とまったく遜色ない移植を実現しているものの、著作権や広告契約の影響により、ステージの背景画が一部差し替えられている。トミーのホームステージ「CROSS STREET」の背景にある渋谷109の文字と一部のビルに掲載されていた広告は削除され、アーケード版・SS版・WIN版ではJALだった、優作のホームステージ「NAKED AIRPORT」の背景にある飛行機のペイントも変更されている。
1996年10月18日にゼネラル・エンタテイメントより、本作を実写化したVシネマ『LAST BRONX 東京番外地』が発売された。
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