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ヤマゼリ(山芹[3]、学名: Ostericum sieboldii)はセリ科ヤマゼリ属の多年草。別名はヤツバ[4]、鹿児島県(姶良郡、霧島山)ではウマゼリとも呼ぶ[5]。中国名は、山芹[1]。
ヤマゼリ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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福島県会津地方 2011年9月 | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Ostericum sieboldii (Miq.) Nakai (1942)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ヤマゼリ(山芹) |
日本では、本州、四国、九州に分布する[3]。特に、山地の林下、渓谷の縁、道端などの、やや湿った場所を好んで自生する[3][4]。世界では、朝鮮半島、中国大陸(東北地方の南部)に分布する。
一稔生の多年生草本[3]。開花まで数年かかり、開花・結実した個体は枯れる。全草に毛はなく、セリ科特有の香りがある[4]。茎は円柱形で中空、直立して上部は多く枝分かれし、高さは60 - 100センチメートル (cm) になる[3]。根元から出る葉(根生葉)は長い柄がついて束生し、2、3回3出羽状複葉になり、小葉は卵形または広卵形でやや薄い[3][4]。葉の縁に粗い鋸歯がある[3]。
花期は夏から秋にかけて(7 - 10月ごろ)[4]。茎頂か分枝した枝の先端に、小さな複散形花序を多数つけ、白い小花を傘状に多くつける[3][4]。花は白色の5弁花で花弁は内側に曲がる。複散形花序の下にある総苞片、小花序の下にある小総苞片は線形から狭披針形。果実は長さ3.5 - 4ミリメートル (mm) の楕円形で、分果の背隆条は脈状で細く、側隆条は狭い翼状になる。油管は分果の表面側の各背溝下に1 - 4個、分果が接しあう合生面に4 - 8個ある。
茎が立つ前の新芽を摘んで食用にする[3]。採取時期は、関西地方以西が4 - 11月ごろ、関東・中部地方が4 - 10月ごろ、東北地方が5 - 9月ごろが適期とされる[3]。摘んでも次々と若芽が出るため、春から晩秋に枯れるまでの長い間、利用できる[4]。新芽は茹でて水にさらし、おひたし、ごま・クルミなどの和え物、酢の物、煮びたし、油炒め、佃煮にしたり、生のまま天ぷら、かき揚げ、汁の実にする[3][4]。セリよりも強いクセのある香りがあり[4]、香味野菜として利用できる[3]。
湿地に生える有毒植物にドクゼリ(学名: Cicuta virosa)があり、ヤマゼリと外見が似た大型のセリ科植物である[6]。ドクゼリにはタケノコ状の太い根茎があり、小葉の裂片が狭く長いなどの区別点がある[6]。セリやヤマゼリにある特有の香りはなく、悪臭があるところが見分けられる[6]。
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