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1997年のPlayStation用育成シミュレーションゲーム ウィキペディアから
『モンスターファーム』は、1997年7月24日にテクモから発売されたPlayStation用の育成シミュレーションゲーム。略称はMF1。モンスターファームシリーズの第1作目。1998年11月29日にはThe Best版が発売されている。2019年には、iOS、Android、Nintendo Switch向けの移植版がコーエーテクモゲームスより配信された[2][3]。移植版は『モンスターファームラグーン』より約10年ぶりとなるシリーズ作品である[4]。
ジャンル | 育成シミュレーションゲーム |
---|---|
対応機種 |
PlayStation iOS Android Nintendo Switch |
開発元 | テクモ |
発売元 |
テクモ コーエーテクモゲームス(移植版) |
シリーズ | モンスターファームシリーズ |
発売日 |
PS:1997年7月24日 iOS, Android:2019年11月28日 Switch:2019年12月19日 |
対象年齢 |
iOS:4+ Android:3+ CERO:B(12才以上対象) |
コンテンツアイコン | CERO:セクシャル |
売上本数 | 70万本以上(1999年時点)[1] |
なお、PlayStation 2用の同名ソフト(シリーズ3作目)も存在するが、本作とは内容が異なる。
プレイヤーはモンスターを育てるブリーダーとなり、助手のホリィとともにモンスターに仕事や修行をさせたり大会に出場させたりして育成する。最終的に四大大会(ディスク・オブ・ゴールド杯、オールスター・バトル杯、マスターズ・オブ・ブリーディング杯、グレート・モンスターズ杯の4つ)全てにおいて優勝してブリーダーが名人位という称号を得ることでエンディングに到達することができる。しかしその後も半永久的にゲームは続いていく。運営資金が尽きるとゲームオーバーとなってしまう。育てたモンスター同士で2人で対戦することもできる。
この作品の最大の特徴は、育てるモンスターを音楽CD(またはPlayStationやセガサターンのゲームディスク、パソコン用のCD-ROMなど)から誕生させることができるという点である(円盤石再生)。モンスターの中には非常に少数のディスクからしか出現しないレアモンスターも存在し、全215種類のモンスターの図鑑を全て揃えるには邦楽、洋楽からマイナーなゲームソフトやそのサウンドトラックにいたるまであらゆるジャンルのCDやゲームディスクなどを入手する必要がある。当然ながら、中には数が少ないなどで入手困難なディスクもあり、その事がよりレアモンスターの希少価値を高めている。
なお、移植版では、インターネット接続で独自データベースにアクセスしてCD名やアーティスト名を検索しモンスターを生成するという形式を用いている[2]。
1999年と2000年に本作・次作『モンスターファーム2』を原作としたテレビアニメが放映された。
かつて、この世界では人間とモンスターとが共存していたが、友好関係にあったというよりは互いにライバル的な関係にあった。しかし、人類が文明を発達させてモンスターに対して優位になると、モンスターを捕獲して娯楽のために戦わせるようになった。しかし、過酷な育成や危険な薬物の使用などによってモンスターが死んでしまうことが多く、そうこうするうちにモンスターは完全に絶滅してしまった。
しかし、近年になって古代遺跡から円盤石と呼ばれるものが出土するようになった。これは、モンスターが生存していた時代の科学者がモンスターの情報を封印していたものだった。現代の科学者たちの研究の末、円盤石から封印されていたモンスターを再生する技術が確立され、モンスターバトルは再び現代によみがえった。
過去の教訓をふまえてモンスターバトル協会(FIMBA)も設立され、健全な文化となったモンスターバトルは多くの人に親しまれている。
プレイヤー(ブリーダー)はまずモンスターを入手しなければならない。前述のように音楽CDなどからモンスターを誕生させるのが基本となる。ただし一部のモンスターは一定の条件をクリアするまでディスクから取り出すことができない。ほかにもモンスター市場で無料でモンスターをもらうこともでき(ただし市場で入手できるのはディノ、ライガー、スエゾーという3種類モンスターに限られる)、すでに育てたモンスター同士を合体させて新しいモンスターをつくり出すこともできる。
モンスターを入手したらモンスターを連れてファームに行き、そこで仕事や修行をして能力値を上げたりしてモンスターを育てることになる。仕事や修行をさせ続けているとモンスターに疲労やストレスが蓄積されていくのでときどき休養させる必要がある。
モンスターの寿命は限られているので(通常は4年程度)、普通に育成していれば全ての能力値を最大まで上げることはできない。そこでどの能力を優先的に伸ばしてやるかを計画しながら育成しなければならない。
前述のように四大大会制覇がこのゲームの一応の目的であるが、1体のモンスターで四大大会の全てを制覇する必要はなく、例えば4体のモンスターで1大会ずつを制してもエンディングとなる。
仕事をして成功すれば100 - 150Gの資金が手に入り、能力が上がったり下がったりする。また疲労とストレスが若干蓄積される。ゲーム内での時間は一週間経過する。以下の10種類存在する。
仕事名 | 大きく上がる能力値 | 少し上がる能力値 | 下がる能力値 | 賃金 | 疲労とストレスの蓄積 |
---|---|---|---|---|---|
怪力車引き | なし | 力 | なし | 100G | 小さい |
狩り | 命中 | ||||
畑仕事 | かしこさ | ||||
用心棒 | 丈夫さ | ||||
森仕事 | 回避 | ||||
山仕事 | ライフ | ||||
サーカス | 回避 | かしこさ | ちから | 150G | 大きい |
建設 | ちから | ライフ | 回避 | ||
鉱山 | ライフ | 丈夫さ | 命中 | ||
郵便配達 | かしこさ | 命中 | 丈夫さ |
2000G払ってモンスターを修行に出すことができる。修行は4週間連続で一か月にわたって行われる。一週間ごとに仕事のように成功と失敗が判定され、成功すると修行の行き先に応じたパラメータが上昇する。また修行から帰ってくると新しい技を習得していたりアイテムを拾ってきたりすることがある。ちなみにセキトバ、レマ、カララギの3箇所はモンスターのグレードがC以上にならないと利用できない。
修行地 | 上がる能力値 | 習得できる技 |
---|---|---|
リューン | 命中 | 命中重視技A、B |
アルタビスタ | ライフ | 大ダメージ技A、B |
バリーズ | かしこさ | ガッツダウン技A、B |
カララギ | 回避 | 遠距離攻撃技A、B |
セキトバ | ちから | 超必殺技A |
レマ | 丈夫さ | 超必殺技B |
育成したモンスターを大会に出場させることができる。大会にはE - Sまでのグレードがある。入手したばかりのモンスターはグレードがEなのでグレードEの大会にしか出場できないが、モンスターのグレードが上がればそれに応じて上のグレードの大会にも出場できるようになる。大会は基本的に4 - 8体のモンスターの総当たり戦形式で行われる。大会の成績に応じて賞金がもらえるほか、優勝すると商品としてアイテムが入手できることがある。基本的に高いグレードの大会になればなるほど相手モンスターも強力になるがそのぶん賞金や商品も豪華になる。3、6、9、12月の第4週にはFIMBA公式戦が行われ、これに優勝することによってモンスターのグレードを上げることができる。育てているモンスターのグレードより下のグレードの大会に出場することも可能だが、その場合はモンスターの人気と忠誠度が大幅に下がってしまう。大会の中には特定の条件を満たして招待状を受け取らないと出場できないものもある。
このゲームではモンスター同士の対戦は60秒間の一対一の一本勝負によって行われる。試合開始時点では両モンスターのガッツの値が50となっているが、時間の経過にしたがってこのガッツは少しずつ増えていく。モンスターによって増える速度(ガッツ回復速度)は異なるが、ガッツの値の上限は99である。このガッツを消費してそれぞれのモンスターは技を繰り出して相手モンスターを攻撃する。技ごとに使える距離が決まっているので(隣接距離、至近距離、間接距離、超遠距離の4つ)、技を出したいときは適切な距離へ移動する必要がある。また両者の間合いが接近しているときは吹き飛ばしを使って間合いを離すことができる。
技を使用したからといって必ず相手モンスターに命中するわけではなく回避されることもある。技の命中率は、技を使用したモンスターの命中の値と技をかけられたモンスターの回避の値によって決まる基本命中率に、それぞれの技固有の命中率補正がかかって決定される(正確にはさらに後述する技を使用するモンスターがその時点で貯めているガッツによる補正がかかる)。技が命中すれば相手のモンスターにダメージを与えることができ、そのぶん相手モンスターのライフが減少する。与えるダメージは技を使用したモンスターの攻撃力(ちからまたはかしこさ)と技をかけられたモンスターの丈夫さ、そしてその技の基本攻撃力によって決定される(これにも正確には後述するガッツ補正がかかる)。技が命中した場合、相手のライフダメージのほかに相手のガッツにもダメージを与えることができる(ガッツダウン効果)。
技が命中したときはごくまれにクリティカルヒットが発生し、与えるダメージが1.5倍になる。クリティカルヒットの発生確率はそのモンスターの人気というパラメータに依存する。
技を発動したときにモンスターが意味不明状態になってしまうことがある。こうなると技が発動するかわりに数秒の間そのモンスターは行動不能となってしまい、さらに回避率も大幅に下がってしまう。モンスターの忠誠度というパラメータが高くなると意味不明の発生確率は下がる。
60秒の制限時間が終了した時点でより残ライフ率の高かった方が勝者となる。残ライフ率が同じだった場合は残ライフ(率ではなく純粋な数値)・相手に与えた総ダメージ・攻撃成功率の3つが判定に追加され、多かった方が勝者となる。また途中でどちらかのモンスターのライフが0になった場合はその時点で相手モンスターのKO勝ちとなる。
どちらかのモンスターの残りライフが10%以下になると底力状態が発動し、相手モンスターに与えるダメージが2倍になる。逆転勝ちするチャンスが生まれることになる。しかしこれは相手にも共通することなので、逆に圧勝状態から負けることもある。
ガッツをためればためるほど技のダメージと命中率が上がる。したがってまず試合開始直後にガッツを最大付近まで貯め、その後も高いガッツを保ったまま間をあけて攻撃し、残り時間が少なくなったら全てのガッツを使い切って技を連発してラッシュをかける、というのが一般的な戦略となる。
大会による対CPU戦でKOされた際、「トドメとなった攻撃を受けた際に超過したダメージ+大会出場時の疲労」の計算結果に応じてモンスターがケガ・または死亡する事がある。どうなるかは計算結果次第だが、疲労と超過ダメージの計算結果が大きいとリタイヤとなり、残った試合を全棄権し、大ケガか死亡になる。超過ダメージがあまりに大きいと疲労関係なく死亡が確定するため、丈夫さとライフの数値に応じてケガと死亡率が変動する。
全215種類のモンスターが登場する。
このゲームには全20種類(ディノ、ライガー、…、ディスク)の血統が用意されている。全てのモンスターにはMAIN血統とSUB血統の2種類が存在し、その組み合わせで種族名が決定される。例えばムラサキチュウならばMAIN血統がワームでSUB血統がナーガとなる(これをワーム×ナーガと書く)。血統は20種類なのでMAIN血統とSUB血統の組み合わせは400通り考えられる。基本モンスターは隠しモンスター以外の全ての組み合わせが存在するが、隠しモンスターは限られた血統、またはそもそも血統そのものが存在しない。例えばガリ×マジンの組み合わせは存在しない。MAIN血統とSUB血統が同じ場合は純血種と呼ばれ、その血統がそのまま種族名となる。例えば血統がヘンガー×ヘンガーのモンスターの種族名はヘンガーである。MAIN血統とSUB血統が異なる場合は派生種と呼ばれる。またそのほかにSUB血統が???と表示されているレアモンスターが存在する。レアモンスターは基本的に円盤石再生によってしか誕生させることができない。たいてい奇抜な外見をしているが、ゆかりのあるCDから出現するものが多い(例えばモノリス×???のアオゾラはウルフルズのシングル「そら」、ドラゴン×???のアポカリプスはTHE虎舞竜の「ロード」から誕生する)。SUB血統が???のモンスターはひとつのMAIN血統につき1 - 3体存在する。
言葉の使い方として、「 - 系のモンスター」といえばMAIN血統が - であるモンスターを指し、「…派生のモンスター」といえばSUB血統が…のモンスターのことを指す。使える技やモンスターの形など主な特徴はモンスターのMAIN血統に依存する。
MAIN血統がモンスターの基本形となり、SUB血統が外見にSUBのモンスターの面影が現われる。能力などに補正がかかり、さらにまじめさはSUB血統のモンスターでほとんど決まる。
例えばピクシー×ライガーのミントは命中と回避にプラス補正がかかり、さらにライガーのような高いまじめ度になる。逆にまじめ度が高いライガーでも元々不真面目なナーガの血が混じるととても不真面目になる。
以下で全20種類のモンスターの系統を記す。
初期から育成できるモンスター。
特定の条件をクリアした後に育成可能になるモンスター。条件クリア前に円盤石再生をしようとすると、神官に断られる。
このゲームでは全ての能力値(ライフ、ちから、丈夫さ、命中、回避、かしこさ)が最大値である999のモンスターを育成することができる。具体的にはモンスターの寿命を伸ばす延命アイテムである黄金モモ(または卵カブリ)を複数個用意してそれらを目的のモンスターに投与することによって通常より長い期間かけて育成してALL999のモンスターを完成させる。上記の延命アイテムは探検イベントによって入手することができるが、1体のモンスターにつき最大で1個ずつしか入手できないので、延命アイテムをそろえるだけでも複数のモンスターを捨石として利用することになる。
また効率よく能力値を上昇させるため、モンスターを修行に出してから疲労とストレスを回復アイテム(香り餅と冬美草)で除去し、休養することなく続けて修行に出し、短期間で一気に能力値を上昇させる。場合によってはドーピング系のアイテムを大量に投与することもある。いずれにせよ大量の資金が必要となる。
モンスター甲子園とは、モンスターファームシリーズの作品を使ったテクモ公認のイベントである。
第1回 - 4回モンスター甲子園はMF1を用いて行われた。第1 - 2回は個人戦、第3回 - 4回は3人1組の団体戦として開催された。
第1回は1997年9月7日に東京ゲームショウで行われ、発売から1ヶ月程度しかたっていないにもかかわらず上位のモンスターはALL999を達成していた。結局ベニヒメソウが優勝を飾った(2位はボス、3位はテクノドラゴン、4位はラクガキ)。
それ以降、ALL999同士の対戦ではベニヒメソウが圧倒的に有利であるということが浸透し(ガッツ回復速度が早く、花粉やドレインといった強力な技を持っているため)、第2回の大会では決勝トーナメント進出者の多くがベニヒメソウを使っていた。第2回は同年12月23日に有明TFTホールで開催され、やはり優勝はベニヒメソウで、上位をこのモンスターが独占していたがピンキーが準優勝と健闘した。
また、この甲子園による反動か、続編ではベニヒメソウが設定をつけての弱体化が施された。
団体戦となった第3回 - 4回では、タイムトライアル(テクモの用意したモンスターであるすえきすえぞーをいかに早くKOできるかを競う)対策として、ピンキー・ディアナリパー・羽化マグナビートルという3組での出場が目立った。第3回は1998年3月21日に東京ゲームショウで開催されて、チーム「NNO」(ディアナリパー、ピンキー、ゴーレム)が優勝。
第4回は同年8月23日に有明TFTホールで開催され、チーム「火影」(ベニヒメソウ、ピンキー、ヘビーダイアナ)が優勝。初の関東以外(九州・沖縄地区)からの優勝であった。
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