マレー川

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マレー川

マレー川またはマリー川(マレーがわ、マリーがわ、Murray River, River Murray, ンガリンジェリ語:Millewa,ヨータヨータ語:Tongala[1]は、オーストラリア南東部を流れる河川で、オーストラリア最長の河川である。流域のマレー・ダーリング盆地は雨量の少ない地域であり、スノーウィーマウンテンズ計画による灌漑事業によって農業地帯となった。

概要 マレー川、マリー川, 延長 ...
マレー川、マリー川
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延長 2,508 km
平均流量 0.89 m3/s
流域面積 1,061,469 km2
水源 オーストラリアン・アルプス
水源の標高 -- m
河口・合流先 南極海
流域 オーストラリア
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マレー川の流路
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マレー川を航行する外輪船
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マレー川を夜に航行する外輪汽船(1880年頃)

流路

オーストラリアン・アルプスに源を発し、平原を蛇行しながら西流し、その流路は多くがニューサウスウェールズ州ビクトリア州の州境となっている。南へ進路を変える直前に南オーストラリア州に入り、そこから約500kmほど南に流れて、アレクサンドリナ湖英語版を経由して南極海へと注ぐ。河口の近くには1879年にマレー橋が出来たことに由来するマレーブリッジという町がある。

中流域の蛇行部に多くの湿地セキザイユーカリEucalyptus largiflorens英語版などのユーカリの森林があり、中下流部一帯はダイサギチュウサギコサギハシブトゴイオーストラリアサンカノゴイキガオミツスイ英語版オトメインコタマシギオニアジサシシロハラウミワシブロンズトキを含むトキ類ウ類ヘラサギ類などの鳥類およびマーレーコッドトラウトコッド英語版シルバーパーチ英語版Craterocephalus fluviatilis英語版などの魚類、Litoria raniformis英語版などのカエルNotopala sublineata英語版などの腹足類の生息地と繁殖地となっている。バーマー英語版[2]ガンバウワー島英語版[3]ニュー・サウス・ウェールズ州中央マレー森林英語版[4]ハッター・クキン湖沼群英語版[5]リバーランド英語版[6]バンロック・ステーション英語版[7]などはラムサール条約に登録されている。

河口は、マレー川が南極海に流れ込む場所である。2000年代初めより、浚渫機がマレー川の河口で稼動し、海からクーロン国立公園礁湖への最低限の流れを維持するため、水路から砂を取り除いている。24時間浚渫し続けないと、河口が沈泥で塞がり、クーロン礁湖への新鮮な海水の供給が途絶え、温度が上がり、よどんで死んでしまう。

歴史

1824年オーストラリアの探検家ハミルトン・ヒュームとウィリアム・ホーベルによって上流部が発見されたのち、6年後の1830年に、チャールズ・スタートが下流部を調査し、当時のイギリス植民地相ジョージ・マレーにちなんで「マレー川」と名付けられた。

19世紀半ばから20世紀初頭まで、マレー川では河川交通が盛んであり、数多くの外輪式蒸気船 (paddle steamer) が活躍していた。その船の多くは内陸マレー・ダーリング盆地一帯で生産される毛の運搬に携わっていたのであったが、鉄道網が発達していくにつれて外輪式蒸気船は次第に見られなくなっていった。蒸気船は現在、観光客向けのクルーズ船として使用されており、マレー川沿いの町から乗ることができる。

そして1949年、マレー川周辺でスノーウィーマウンテンズ計画とよばれるオーストラリア史上最大級の土木事業が始まる。これは、オーストラリアアルプス山脈を隔てた反対側にあるスノーウィ―川の上流にダムを造り、そこから山脈に掘ったトンネルを通じて乾燥したマレー川流域へと水を流し、灌漑するというものである。これにより、マレー・ダーリング盆地で小麦などの栽培が可能になったほか、その水を発電に利用することによってニューサウスウェールズ州ビクトリア州およびACTへの電力供給が可能になった。この事業は、1972年まで、オーストラリア連邦政府が設立したスノーウィ―・マウンテンズ水力発電事業局によって遂行された。

支流

下流から記載

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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