ボビー・トムソン

ロバート・ブラウン・トムソン（Robert Brown "Bobby" Thomson、1923年10月25日 - 2010年8月16日）はスコットランド・グラスゴー出身の元プロ野球選手である。右投右打。『その一打が世界を変えた（Shot heard 'round the world）』と呼ばれる伝説の本塁打で知られる。

ボビー・トムソン
Bobby Thomson

ニューヨーク・ジャイアンツ時代 （1951年）
基本情報
国籍	スコットランド
出身地	グラスゴー
生年月日	(1923-10-25) 1923年10月25日
没年月日	(2010-08-16) 2010年8月16日（86歳没）
身長 体重	6' 2" ＝約188 cm 180 lb ＝約81.6 kg
選手情報
投球・打席	右投右打
ポジション	外野手、三塁手
プロ入り	1942年
初出場	1946年9月9日 フィラデルフィア・フィリーズ戦
最終出場	1960年7月17日 シカゴ・ホワイトソックス戦
経歴（括弧内はプロチーム在籍年度）
ニューヨーク・ジャイアンツ (1946 - 1953) ミルウォーキー・ブレーブス (1954 - 1957) ニューヨーク・ジャイアンツ (1957) シカゴ・カブス (1958 - 1959) ボストン・レッドソックス (1960) ボルチモア・オリオールズ (1960)
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経歴

1923年10月25日スコットランド、グラスゴーで6人兄弟の末っ子として誕生した。父親はボビーの誕生後家族に先んじてニューヨークで家具職人として働いており、トムソンが2歳の時家族をニューヨークのスタテンアイランドへ呼び寄せた。

1942年に高校卒業後、ニューヨーク・ジャイアンツと契約。Dクラス・ブリストル・ツインズでプレーした。しかし同年12月に徴兵され、1945年まで兵役でプレーできなかった。

1946年はAAA級ジャージーシティ・ジャイアンツでプレー。打率.280、26本塁打、92打点の好成績を残し、9月にはメジャーリーグ昇格を果たし、18試合に出場した。

1947年には中堅手に定着、138試合に出場し打率.283、29本塁打、85打点とルーキーとしては抜群の活躍をしたがジャッキー・ロビンソンがいたために新人王にはなれなかった。

1949年はキャリア・ハイとなる198安打、打率.309、109打点に27本塁打を記録、1951年にはキャリア・ハイの32本塁打を放つなど主軸打者として活躍した。

ワールドシリーズ進出をかけてブルックリン・ドジャースと対戦したナショナルリーグ優勝決定プレイオフでトムソンは球史に残る一打を放つ。

1勝1敗で迎えた最終第3戦、ドジャースがエースドン・ニューカムの好投と打線の活躍で4対1とリードした9回裏、敗色濃厚のジャイアンツは先頭のアルヴィン・ダークがセカンドへの内野安打で出塁、ドン・ミューラーもライト前ヒットで続く。モンテ・アーヴィンはファーストへのファウルフライでワンアウトとなるが、ホワイティ・ロックマンが左中間へタイムリー二塁打を放ち1点を返す。

ドジャースのチャック・ドレッセン監督はニューカムを諦め、救援にラルフ・ブランカを送る。打席には第1戦でブランカから本塁打を放ったトムソンを迎える。トムソンは初球ストライクの後の2球目をレフトスタンドへ運び『その一打が世界を変えた（"Shot heard 'round the world"）』逆転サヨナラスリーランホームランとなった。なお、この時に次の打者として待機していたのが当時まだ新人のウィリー・メイズであった。

→詳細は「en:Shot Heard 'Round the World (baseball)」を参照

1954年2月1日にジャイアンツはミルウォーキー・ブレーブスとの間でトムソン＆サム・カルデロンとジョニー・アントネッリ、ビリー・クラウス、ドン・リドル、エバ・セントクレアに加えて5万ドルという2対4プラス金銭の大型トレードを行った。しかし移籍早々に練習試合で足首を骨折し、その年は結局43試合の出場にとどまった。この時にトムソン離脱のチャンスをものにしてレギュラーに定着したのがハンク・アーロンであった。

1957年6月15日にレッド・ショーエンディーンストとのトレードでジャイアンツに復帰。

1958年4月3日、シカゴ・カブスへ移籍。

1959年12月1日、アル・シュロールとのトレードでボストン・レッドソックスに移籍。

1960年7月4日にボルチモア・オリオールズへ移籍したが、7月26日に放出された。このシーズン限りで現役を引退し、製紙会社のセールスマンに転職した。

2004年にスコットランド・スポーツ殿堂入りを果たした。

2010年8月16日、ジョージア州サバンナ (ジョージア州)で死去。

詳細情報

年度別打撃成績

年 度	球 団	試 合	打 席	打 数	得 点	安 打	二 塁 打	三 塁 打	本 塁 打	塁 打	打 点	盗 塁	盗 塁 死	犠 打	犠 飛	四 球	敬 遠	死 球	三 振	併 殺 打	打 率	出 塁 率	長 打 率	O P S
1946	NYG	18	58	54	8	17	4	1	2	29	9	0	--	0	--	4	--	0	5	1	.315	.362	.537	.899
1947		138	591	545	105	154	26	5	29	277	85	1	--	2	--	40	--	4	78	11	.283	.336	.508	.844
1948		138	507	471	75	117	20	2	16	189	63	2	--	3	--	30	--	2	77	15	.248	.296	.401	.697
1949		156	689	641	99	198	35	9	27	332	109	10	--	2	--	44	--	2	45	15	.309	.355	.518	.873
1950		149	627	563	79	142	22	7	25	253	85	3	--	2	--	55	--	5	45	14	.252	.324	.449	.774
1951		148	603	518	89	152	27	8	32	291	101	5	5	7	--	73	--	4	57	14	.293	.385	.562	.947
1952		153	666	608	89	164	29	14	24	293	108	5	2	2	--	52	--	4	74	16	.270	.331	.482	.813
1953		154	656	608	80	175	22	6	26	287	106	4	2	2	--	43	--	3	57	18	.288	.338	.472	.810
1954	MLN	43	113	99	7	23	3	0	2	32	15	0	0	2	0	12	--	0	29	3	.232	.315	.323	.639
1955		101	383	343	40	88	12	3	12	142	56	2	1	1	5	34	4	0	52	10	.257	.319	.414	.733
1956		142	505	451	59	106	10	4	20	184	74	2	4	5	4	43	4	2	75	9	.235	.302	.408	.710
1957		41	160	148	15	35	5	3	4	58	23	2	1	2	0	8	0	2	27	1	.236	.285	.392	.677
	NYG	81	237	215	24	52	7	4	8	91	38	1	2	2	1	19	2	0	39	6	.242	.302	.423	.725
'57計		122	397	363	39	87	12	7	12	149	61	3	3	4	1	27	2	2	66	7	.240	.295	.410	.706
1958	CHC	152	614	547	67	155	27	5	21	255	82	0	2	2	6	56	7	4	76	16	.283	.351	.466	.817
1959		122	418	374	55	97	15	2	11	149	52	1	0	2	5	35	6	2	50	9	.259	.322	.398	.721
1960	BOS	40	127	114	12	30	3	1	5	50	20	0	1	0	2	11	0	0	15	4	.263	.323	.439	.761
	BAL	3	6	6	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	3	1	.000	.000	.000	.000
'60計		43	133	120	12	30	3	1	5	50	20	0	1	0	2	11	0	0	18	5	.250	.308	.417	.725
MLB：15年		1779	6960	6305	903	1705	267	74	264	2912	1026	38	*20	36	*23	559	*23	34	804	163	.270	.332	.462	.794

• 各年度の太字はリーグ最高
• 「-」は公式記録なし
• 通算成績の「*数字」は、不明年度がある事を示す

記録・表彰

メジャーリーグ

• MLBオールスターゲーム出場：3回（1948年、1949年、1952年）
• ワールドシリーズ出場：1回（1951年）
• ナショナルリーグ最多三塁打：1回（1952年）

出典・外部リンク

• 選手の通算成績と情報 Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)