ペトロナスツインタワー
マレーシア・クアラルンプールの超高層ビル ウィキペディアから
マレーシア・クアラルンプールの超高層ビル ウィキペディアから
ペトロナスツインタワー(マレー語:Menara Berkembar Petronas)は、マレーシアのクアラルンプールにて1996年[1][2]に完成した高さ451.9メートル[3][4]の超高層ビル(ツインタワー)である。ペトロナスタワー、ペトロナスタワーズとも呼ばれる。
20世紀の超高層ビルとしては最も高く[5][注釈 1]自立型建築物としては553メートルのCNタワーが、全建築物のカテゴリーでは629メートルのKVLYテレビ塔が当時世界で一番高かった。高さ451.9メートルの88階建てであり、クアラルンプール市中心部のシンボルとして[6] 、当時のマレーシア首相であったマハティール元首相の先導によって建築された[2][7]。名前の由来はマレーシアの国立石油会社ペトロナス。
ツインタワーはアルゼンチン出身のアメリカの建築家である[8]シーザー・ペリ&アソシエーツが設計し[2]、イスラム様式のマレーシアのモスクに近似する特徴的な尖塔を持有するようにデザインされた。海側から吹き寄せる強風に起因する振動を防ぐために既存の柔構造を採用していない。鋼材を用いずに高強度コンクリートを積み上げる特徴的な構造であり、重厚な造りを醸し出している。
マレーシア政府は2人の建築専門家、ロバート・プラットとジョン・ダンスフォードにそれぞれの塔の建築を任命した[9]。限られた予算と時間での施工を可能にする為、タワー1を日本の建設会社ハザマが、タワー2を韓国の建築会社サムスン物産建設部門と極東建設が施工し、最初に完成させたグループが41階と42階の2箇所に設けられた2本のタワーを結ぶ連絡橋であるスカイブリッジを建設する権利を得るようにして競争するようにした[10]。
建設前の試算によって、元々の建築予定地は建物を建設するには不適当であると分かり、その場所で建設した場合にはしばらく経つと建物が傾く可能性があると判断したため、初期の設計より強固な基礎をもって従来の予定地から南東に60メートルの位置にて建設することに決定した[11]。しかし、ロバート・プラットによると、72階まで建設した段階で、ハザマ側が建設したタワー1が垂直から25 mmほど傾いていることが判明したため、それを修復しつつ工事を進めたという[12][13][注釈 2]。なお、スカイブリッジを建設する権利の競争は建設途中で中止されたが、結果的にスカイブリッジの施工はタワー2側が引き継ぎ、同時に施工完成予定だった尖塔もジョン・ダンスフォードの指示によりタワー2側が早く完成した[14]。
建設当時は尖塔を含めた高さが451.9メートルであり、全高442メートルのシアーズ・タワーを抜き[注釈 3]、超高層ビルとして高さが世界一であったが、2004年に台湾の台北市に建てられた[15][16]全高509メートルの台北101に高さ世界一(当時)の座を譲り渡した[5]。ただしそれ以降も2本のビルが対であるツインタワーとしては世界一の高さである(2019年7月現在)[17]。
主にオフィスビルとして使用されている。タワー1は主にペトロナスとその子会社などのオフィスがおいてあり、タワー2は企業などのオフィスなどに使用されている。
このタワーの下はショッピング等の複合施設、スリア・クアラ・ルンプール・シティ・センター (Suria KLCC) となっている。ここには、日本の伊勢丹、紀伊國屋書店などが入居している。
41階・42階部分には両方のタワーをつなぐスカイブリッジ、86階に展望フロアがあり、有料で見学が可能である(時間指定の定員制。インターネットでの予約も可能になった。(なお、月曜日は休館)。2001年9月11日以降はセキュリティ強化の為に一時閉鎖されていた。
建物の周囲にはKLCCパークがあり、ジョギング、ウォーキングロードや、ライトアップされた噴水、子供用プール、スラウ(イスラム教の礼拝所)などもある。
ラピドKLクラナ・ジャヤ線 (Kelana Jaya Line) のKLCC駅と地下通路で直結している。[18]
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