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かつて東京都新宿区にあったビル ウィキペディアから
フジテレビ旧本社ビル(フジテレビきゅうほんしゃビル)は、1959年3月1日の開局時から1997年3月9日まで稼働していたフジテレビジョンの旧本社ビルディング。
フジテレビ旧本社ビルの敷地には、戦前期はホテル「河田町会館」が立地していた[3]。フジテレビは開局当初、東京タワーへのアクセスを考慮し、新宿区河田町の18,500m2の敷地を購入し、本社ビルを建設した[1]。
局舎はメインビル、タワービル、グランドスタジオの3つの建物があり、第1期工事竣工時では地上3階、地下1階、延坪14,000m2の建築であった(メインビル)。
1962年、フジテレビが本社機能を有楽町のニッポン放送本社ビル(糖業会館)から河田町に移転した。
その後、3期の増築工事を重ね、4棟からなるビル群まで拡張した[4]。1969年、開局10周年を記念し、地上13階、地下2階、塔屋1階建てのタワービルが完成した[5]。敷地入口には各々へのルートを示す看板が設置されていた。1969年9月から1976年3月まで、フジテレビのオープニングとクロージングのフィルム映像にも、本社ビルの模型が使用されていた。実際のフィルム撮影に使われた模型ではないがFCGビルの大会議室前の通路には本社ビルの模型が展示されている[6][7]。
南側玄関口に設置された電波をイメージするモニュメントは野外ロケや情報番組のオープニングや天気予報中継などで見られた(製作者は井上武吉、題名:フジテレビメイン広場のためのモニュメント[8])
また、東京女子医科大学病院側の通りには通称「凱旋門」と称される正門があり、その横には局ロゴの看板と巨大な番宣ポスターが掲げられていた。凱旋門には多数の8マークロゴのオブジェ、メインビル入口に大きな壁画などが装飾されていた。
メインビル前に社員向用有料駐車場や中継車車庫(1992年に増築)があり、これを「満車」表示にして『FNS27時間テレビ』にビッグ3(タモリ・ビートたけし・明石家さんま)が車庫入れする放送がなされた。また、メインビル棟、グランドスタジオ棟の裏側からは商店街へとつながる階段があった(現在でも残っている)。
『FNNスーパータイム』など、ごく一部の報道・情報番組では当時の正式な住所であった「〒162(-91→-88) 東京都新宿区河田町3番1号」でアナウンスすることがあったものの、ほとんどの番組においてのあて先は「〒162(-91→-88) 東京都(新宿区)牛込(郵便)局区内」として紹介されていた[9]。
しかし、フジテレビの事業拡大に伴い、河田町ビルが手狭になり、1980年代から社内でフジテレビ本社の移転論が浮上した。当初は河田町にある社屋を解体し、跡地に新社屋を建て直す案もあったが、河田町の敷地が狭いことに加え、東京都から台場の都有地を安く貸与してもらえることもあり(2018年に東京都から約140億円で購入)、鹿内宏明会長(当時)はお台場に移転することを決めた。
FCGビルが着工した翌年である1994年から、フジテレビ旧本社ビルの解体作業を担当する鹿島建設により、FCGビルへの移転直後に行われる解体作業へ向け、アスベストの調査を開始。1997年3月10日未明(編成上は9日深夜)の最終クロージングを放送した後の2時5分以降にマスターの電源が切られ、開局から38年に亘る演奏所としての歴史に幕を下ろした。10日朝の放送開始を以て、本社機能は台場・FCGビルへ移転した。
その5日後の1997年3月15日からフジテレビ旧本社ビルの解体作業が開始され、1998年3月31日に解体工事が完了した[2]。
その後、フジテレビ旧本社の敷地の跡地にはマンション「河田町ガーデン」が建設された。
移転当日となる3月10日未明(9日深夜)の最終クロージングの前に放送された最後の放送番組は『中央競馬ダイジェスト』であった。なお、旧社最後の特番は『F1オーストラリアグランプリ』[10]中継放送(23時45分 - 1時30分)であり、同中継の関係上、深夜最終ニュース(『FNNニュース最終版』『プロ野球ニュース』)はその前後の放送であった[11]。
河田町旧本社時代から2023年現在まで放送継続している番組は『ミュージックフェア』(1964年8月 - )『サザエさん』(1969年10月 - )『ちびまる子ちゃん』(第2期、1995年1月 - )『めざましテレビ』(1994年4月 - )などがある。
なお、河田町旧本社時代からゴールデン・プライム帯(GP帯、19 - 22時台)で続いていた最後の番組は『めちゃ×2イケてるッ!』(1996年10月 - )で、同番組が2018年3月31日で終了したことにより、旧本社時代から継続したフジテレビGP帯のレギュラー全番組が終了した[12]。
1959年開局時点はメインビル棟を含む第1から第5スタジオが、1968年2月にはグランドスタジオ棟を含む第6スタジオとメインビル棟の第7・第10スタジオ、その後に凱旋門周辺が完成し開局10周年の1969年には第9スタジオを含むタワービルが完成した。タワービルには柔構造を採用していた[2]。なお、「F-SAT」と「F-STAR」という2つの衛星システムを稼働してからは、タワービル横に巨大なパラボラアンテナを、さらにタワービルの低層部屋上にもビル横のものよりは小さいが、大型のパラボラアンテナをそれぞれ設置していた。小型パラボラのあるタワービル低層部の屋上でも天気予報の中継が行われていた。
河田町本社ビルに合計12のスタジオを設置していた。そのうち、第1、2、3、4、5、7(ニュース専用)、10、A(当初はCM撮影用)[1]、B(当初はCM撮影用)[1]、C(当初は洋画のアテレコ用)[1]はメインビルに位置していた。最も広い第6スタジオはグランドスタジオ棟に設置していた。また、タワービルに第9スタジオ(報道番組用のスタジオだったが、FNNスーパータイムの開始と同時に、プロ野球ニュースなどスポーツ番組用のスタジオに転用した)。スタジオは各フロアとも低層部に設置され、その上に副調整室というスタイルとなっていた。
なお第2期の増設工事では第8スタジオも設置される計画があった[14]。
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