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成人を対象とした福祉・医療サービスの一つ ウィキペディアから
デイケア(英: day care)は、福祉・医療関係施設が提供するサービスの一種で、医療保険・介護保険による「通所リハビリテーション」と医療保険による精神科デイケア、認知症デイケアがある。
対象者は高齢者や精神疾患患者で、利用者同士が交流するということが特徴としてあげられる。
日本ではデイケアは医療系の介護サービスであり、医師の指示の下で行われる。このため、介護老人保健施設、病院、診療所のみが運営できる。規模によっても区分があり、患者あたりの広さ、専用室の広さ、職員配置、患者数が定まっている。どういった傾向の患者が入所するかは、各施設の方針によって異なっている。
用語として類似に捉えられることの多い「デイサービス」は、介護老人福祉施設や在宅サービスセンターで行われる「通所介護」であり、共通のサービスも含まれるが異なるものである。
本サービスの主目的は次の三点にあり、活動を通じて人と接することによって社会復帰や入院予防を目標としている。
ほかにもナイトケアおよびデイナイトケア、ショートケアと呼ばれるものもあるが、1回あたりの実施時間や実施される時間帯によって区分されたもので、内容に差異は無い。また下記に記した時間はあくまで目安であり、各施設によって異なる場合もある。
居宅型 3,889億円 (49.5%) |
訪問通所 3,054億円 (38.9%) |
訪問介護/入浴 | 816億円(10.4%) |
---|---|---|---|
訪問看護/リハ | 211億円(2.7%) | ||
通所介護/リハ | 1,777億円(22.7%) | ||
福祉用具貸与 | 247億円(3.2%) | ||
短期入所(ショートステイ) | 375億円(5.8%) | ||
その他 | 458億円(4.9%) | ||
地域密着型 948億円 (12.1%) |
小規模多機能型居宅介護 | 182億円(2.3%) | |
認知症グループホーム | 509億円(6.5%) | ||
地域密着型介護老人福祉施設 | 134億円(1.7%) | ||
その他 | 123億円(1.6%) | ||
施設型 2,593億円 (34.9%) |
介護福祉施設(特養) | 1,363億円(17.4%) | |
介護老人保健施設(老健) | 1,017億円(12.9%) | ||
介護療養施設 | 227億円(2.9%) | ||
居宅介護支援(ケアマネ) | 408億円(5.2%) | ||
総額 | 7,854億円 |
介護老人保健施設で行われる。介護保険の対象で、「通所リハビリテーション」の項目で給付される。
医療保険で給付される「老人性認知症疾患病院」で行われる老人性認知症デイケアもある。
世界初の高齢者向けデイケア・デイサービスはイギリスのオックスフォードで1985年に行われた。
日本初の本格的な高齢者向けのものは1965年に大阪市立弘済院にて吉田寿三郎により4ヶ月ほど継続されたとされる。 1972年には東京都老人医療センターの前身である「東京都養育院附属病院」が設立され、高齢者リハビリテーションが開始された[2]。
認知症の高齢者向けのデイケアは1983年に聖マリアンナ医科大学附属病院精神科のものが初めてだと言われている。
介護保険法第8条第8項[3]において通所リハビリテーションは以下に定義される。
居宅要介護者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、介護老人保健施設、介護医療院、病院、診療所その他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、当該施設において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション
また、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(以下、居宅運営基準)第110条[4]において、
指定居宅サービスに該当する通所リハビリテーション(以下「指定通所リハビリテーション」という。)の事業は、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行うことにより、利用者の心身の機能の維持回復を図るものでなければならない。
と定義される。
精神保健福祉センター、公立デイケアセンター、精神科がある医療機関、保健所、市町村が行っている。精神保健福祉センター、公立デイケアセンター、精神科がある医療機関のものは精神科デイケアと呼び医療保険の対象となっており、保健所、市町村のものは単にデイケアと呼ばれ、事業費等で運営されている。
世界で初めての精神科デイケアは1946年にカナダのドナルド・イーウェン・キャメロン(Donald Ewen Cameron)がアラン記念病院で、イギリスのビエラがマールボロ社会精神医学センターで行い、日本では1953年大阪府堺市の浅香山病院の長坂五郎らによって、退院及び外来患者から希望者を募って試み、その後、1958年に国立精神・神経センター(当時の名称は国立精神衛生研究所)で加藤正明らによって研究がなされ、その実績を元に1974年に診療報酬で点数化されたものである。診療所によるデイケアは1962年、渋川診療所(現在の北毛保健生活協同組合 北毛病院)の桂アグリによるひるま病室とされている。1988年に小規模デイケアとして診療報酬点数化された。
療養上必要な食事を提供した場合にはデイケアとナイトケアは1食、デイナイトケアは2食または3食が診療報酬の加算対象となっていたが、平成22年度診療報酬改定により食事提供加算は廃止され本体報酬に包括されることになった。これにより利用者の食事の有無にかかわらず負担額が同一となった。
2006年の厚生労働省の調査では疾患別ではおよそ7割が統合失調症で占められている。利用の目的(担当者による評価)は回復期リハビリテーションや就労・復職支援などよりも、再発・再入院予防や慢性期患者の居場所としてのほうが多い[10]。
日本では、一般に上記対象者へのサービスについて用いられる場合が多い用語であるが、英語表現で day care は、幼児の保育に対しても用いられる。また、成人に対する day care (adult daycare) は、リハビリテーションを伴わないこともあり、デイサービスに近いものもある。英語でほぼ該当すると思われるものには「デイホスピタル(day hospital、「日帰り病院」)」があるが、これは障害者も利用する場合があるため、完全に一致する用語ではない。
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