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昆虫の科の1つ ウィキペディアから
セナガアナバチ科(セナガアナバチか・背長穴蜂[4]科 / Ampulicidae)は、膜翅目ハチ亜目(細腰亜目)ミツバチ上科に属する科の1つ[5]。世界に6属約200種を擁するハチ(狩人蜂)[注 1]の仲間である[6]。
主に植物の茎や既存の間隙に巣を作り[7]、森林性ゴキブリ類の若虫(幼虫)を狩り幼虫の餌とする[5]。かつてはいくつかの科とともにジガバチ科あるいはアナバチ科[注 2]に分類されていたが、独立した科に再分類された[8]。
本科はミツバチ上科のアナバチ型ハチ類の中でも最も原始的なグループである[5]。
属する種は体長5 - 20 mm程度の細長い体形で、美しい金属光沢を有する種が多い[9]。ただし、日本国外に分布するセナガアナバチ属 Ampulex には黒色や褐色の種もいる[10]。他のアナバチ類と異なり、前胸部が前方に長く伸びる点が特徴で[9]、その点から「セナガアナバチ」と命名された[5]。このほか、他科のアナバチ類とは「後翅の臀睡が小さいか、完全にない」「中脚の脛節にある棘は2本」「跗節の爪は内歯を持つか分岐する」点が異なる[5]。
主にゴキブリ類を狩って幼虫の餌とするが[9]、完璧な巣は作らず、既存の物の隙間に獲物のゴキブリを運び込み産卵する[5]捕食寄生生物である[1]。本科のメス成虫は獲物をみつけるとそれに針を刺して麻酔させ、自然の坑道・窪みなどに搬入して産卵し、木屑・土塊を用いて入口を簡易的に閉塞する(既存坑充填閉鎖型)[9]。
本科のハチは触角挿入孔の付着形状・後胸腹板の形状などからセナガアナバチ亜科 Ampulicinae とヒメセナガアナバチ亜科(アマミセナガアナバチ亜科) Dolichurinae の2亜科に区分されていたが[5]、近年は両亜科とも1つに統合されるようになってきた[9]。日本に生息する種は計3種(セナガアナバチ属の2種・ヒメセナガアナバチ属の1種)である。
セナガアナバチ属 Ampulex Jurine, 1807 は(セナガアナバチ亜科) Ampulicinae Shuckard, 1840 の族 Ampulicini Shuckard, 1840 に属する[11][10]。同属に分類される種は全身が金属光沢を持ち、触角挿入孔が双葉上の額片で覆われる[9]。脚が部分的に赤くなる種もいる[10]。
頭楯は強く前方に突出し、その先端中央はやや尖る[10]。複眼は極めて大きく、また普通は縦走する中央隆起線を持つ[10]。
オーストラリアを除く世界中の熱帯・亜熱帯に分布し、約120種が知られる[10]。日本からは4種が記録されているが、そのうち1種(フタツバセナガアナバチ)はその実在が疑問視されている[10]。
ヒメセナガアナバチ属 Dolichurus Latreille, 1809 は(ヒメセナガアナバチ亜科)Dolichurinae Dahlbom, 1842 の族 Dolichurini Dahlbom, 1842に分類される属である[15]。ヒメセナガアナバチ亜科を認める場合、本属は同亜科に位置づけられる[13]。
全身黒色の種が多く[10]、触角挿入孔が2つに裂けない額片で覆われる[13]。
東洋区・エチオピア区を中心に、世界に約35種が分布している[14]。日本ではアマミセナガアナバチ1種が、台湾には同種を含めた10種以上が知られている[14]。
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