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スナヅル(砂蔓、Cassytha filiformis)は、スナヅル属のつる性寄生植物。別名シマネナシカズラ。なお、ネナシカズラはヒルガオ科のつる性寄生植物である。
学名については、日本の環境に適応し、分化した別種という説もある[1]。
日本では小笠原諸島、九州南部、南西諸島(屋久島~尖閣諸島)に分布する。ただし四国の高知県(2016年に室戸市[2])でも生育が確認された。日本国外では台湾、中国南部、南アメリカ、中央アメリカ、ハワイ、フロリダに分布する。主に日当りのよい海岸の砂浜に生育する。寄主は多く、日本では主にグンバイヒルガオやハマゴウ等の海浜植物に寄生する。
つる性寄生植物で、長さ3-5m。茎は直径1-2mm程度で匍匐し、緑色から黄褐色、無毛。外見ではネナシカズラ類に似ているが、その感触はかなり硬く、全草に葉緑体を含むため光合成ができる。葉は鱗片葉で目立たない。花は穂状花序で、長さ3-4cmの花序の先に直径3mm程度の淡黄色の花を付ける。果実(核果)は球形で直径6-7mm、色は緑-淡黄色。熟すると褐変して一個の黒色の殻に覆われた種子を露出する。
南西諸島では海岸でごく普通に見られ、砂浜の海浜植物群落を覆うように這い回ったり、岩上の植物に絡んで崖に垂れ下がったりしているのをよく見かける。植物社会学の観点からは、沖縄県の海岸にクロイワザサ - スナヅル群落を認め、これは海岸側のハマニガナ - ハマボウフウ群落と内陸側のクサトベラ群落の間に出現するものとしている。このような群落名に寄生植物が入る例は珍しい。
海外の生育地では果樹や花卉などに寄生して収穫量を減らすなど問題化しており、沖縄においてもパイナップルなどへの被害を危惧する声もある[1]。
カッシフィリン(Cassyfiline)などのアルカロイドを含み、台湾及びアフリカでは薬用として用いられる。茎は切るとクスノキ様の香気を発する。
日本には、同属に、スナヅルを含めて3種(2種3変種とする説もある)が生育する。スナヅルがこれらの中で茎が最も太く、分布域が広い。
生育地である下記の地方公共団体が作成したレッドデータブックに掲載されている。
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