ショーン・ストリックランド

アメリカの総合格闘家 (1991-) ウィキペディアから

ショーン・ストリックランド

ショーン・ストリックランドSean Strickland1991年2月27日 - )は、アメリカ合衆国男性総合格闘家カリフォルニア州アナハイム出身。エクストリーム・クートゥア/ミレニアMMAジム所属。元UFC世界ミドル級王者。UFC世界ミドル級ランキング2位

概要 ショーン・ストリックランド, 本名 ...
ショーン・ストリックランド[1]
Thumb
2022年
本名 ショーン・トーマス・ストリックランド
(Sean Thomas Strickland)
生年月日 (1991-02-27) 1991年2月27日(33歳)
出身地 アメリカ合衆国
カリフォルニア州アナハイム
通称 ターザン
(Tarzan)
国籍 アメリカ合衆国
身長 185 cm (6 ft 1 in)
体重 84 kg (185 lb)
階級 ミドル級
ウェルター級
リーチ 193 cm (76 in)
スタイル 総合格闘技
拠点 アメリカ合衆国
カリフォルニア州アナハイム
チーム エクストリーム・クートゥア
ミレニアMMAジム
RVCAトレーニングセンター
シンジケートMMA
ランク ブラジリアン柔術 (黒帯)
現役期間 2008年 -
総合格闘技記録
試合数36
勝利29
ノックアウト11
タップアウト4
判定14
敗戦7
ノックアウト2
判定5
総合格闘技記録 - SHERDOG
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概要 ショーン・ストリックランド, YouTube ...
ショーン・ストリックランド
YouTube
チャンネル
活動期間 2023年4月24日 -
登録者数 15万人
総再生回数 6,363,933回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2024年2月時点。
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来歴

要約
視点

荒んだ家庭環境で育ち、アルコール依存症の父親から母親とともに身体的・精神的虐待を日常的に受けていた。14歳の時に総合格闘技のトレーニングを始め、2008年、17歳でプロ総合格闘技デビュー。KOTC世界ミドル級王座を獲得後、5度のKOTC王座防衛に成功し13戦無敗の戦績を残す。

UFC

2014年3月15日、UFC初出場となったUFC 171でババ・マクダニエルと対戦し、リアネイキドチョークで1R一本勝ち[2]

2015年2月22日、ウェルター級転向初戦となったUFC Fight Night: Bigfoot vs. Mirサンチアゴ・ポンジニッビオと対戦し、0-3の判定負け。キャリア16戦目で初黒星を喫した[3]

2017年4月8日、UFC 210でウェルター級ランキング11位のカマル・ウスマンと対戦し、0-3の判定負け。

2017年11月11日、UFC Fight Night: Poirier vs. Pettisコート・マッギーと対戦し、3-0の判定勝ち。当初は1-0の判定ドローとアナウンスされたが、後に採点のミスが発覚しストリックランドの勝利に裁定が変更された[4]

2020年10月31日、ミドル級復帰戦となったUFC Fight Night: Hall vs. Silvaでジャック・マーシュマンと対戦し、3-0の判定勝ち。なお、この試合はマーシュマンがミドル級リミットから1.5ポンドの体重超過をしたため、187.5ポンド契約で試合が行われた[5]

2020年11月14日、UFC Fight Night: Felder vs. dos Anjosブレンダン・アレンと対戦し、スタンドパンチ連打で2RTKO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[6]

2021年7月31日、UFC on ESPN: Hall vs. Stricklandでミドル級ランキング8位のユライア・ホールと対戦し、3-0の5R判定勝ち[7]

2022年2月5日、UFC Fight Night: Hermansson vs. Stricklandでミドル級ランキング6位のジャック・ハーマンソンと対戦。ハーマンソンのタックルを全て切り、2-1の5R判定勝ち。6連勝を飾った[8]

2022年7月2日、UFC 276アレックス・ペレイラと対戦し、左フックでダウンを奪われ追撃の右ストレートで1RKO負け[9]

2022年12月17日、UFC Fight Night: Cannonier vs. Stricklandでミドル級ランキング3位のジャレッド・キャノニアと対戦し、1-2の5R判定負け[10]

2023年1月14日、前戦から約1カ月後の試合となったUFC Fight Night: Strickland vs. Imavovでミドル級ランキング12位のナッソーディン・イマボフとライトヘビー級契約で対戦し、3-0の5R判定勝ち。怪我で欠場したケルヴィン・ガステラムの代役を受けての緊急出場であった[11]

2023年7月1日、UFC on ESPN: Strickland vs. Magomedovアブス・マゴメドフと対戦し、右ストレートでダウンを奪いパウンドで2RTKO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[12]

UFC世界王座獲得

2023年9月10日、UFC 293のUFC世界ミドル級タイトルマッチで王者イスラエル・アデサンヤに挑戦。試合前のオッズでは5.5倍対1.2倍で圧倒的不利と目されていたが、1Rに右ストレートでダウンを奪うと、アデサンヤの打撃を巧みなディフェンスで捌き、スタンドでプレッシャーをかけ続け終始優勢に試合を進めて、番狂わせとなる3-0の5R判定勝ち。王座獲得に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[13]。元々はドリカス・デュ・プレシがアデサンヤに挑戦する予定であったがデュ・プレシが足を負傷したため、ストリックランドが代役を受けての出場であった[14]

2024年1月20日、UFC 297のUFC世界ミドル級タイトルマッチでミドル級ランキング2位の挑戦者ドリカス・デュ・プレシと対戦し、1-2の5R判定負け。王座から陥落し、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[15]

2024年6月1日、UFC 302でミドル級ランキング7位のパウロ・コスタと対戦し、2-1の5R判定勝ち[16]

2025年2月8日、UFC 312のUFC世界ミドル級タイトルマッチで王者ドリカス・デュ・プレシに挑戦し、0-3の5R判定負け。王座再獲得に失敗した[17]

ファイトスタイル

上体を真っ直ぐにしてアップライト・スタンスに構え、試合を通してフットワークを使うことがほとんど無いが、ガードを固めショルダー・ロールやパーリングなどを駆使した高いディフェンス技術を持つ[18][19]。攻撃面では、ハードパンチャーではないものの、左ジャブを軸とした堅実なボクシングを武器に、豊富な手数と常に前に出てプレッシャーをかけ、試合のペースを相手に取らせないスタイル[20]。また、77%のテイクダウンディフェンス率を誇り、自らテイクダウンを狙うことは少ないがテイクダウン成功率においても64%と高い数値を誇る[21]。試合ではスタンドでの打撃がほとんどであるが、柔術黒帯を所持している。

人物・エピソード

  • がさつな性格から差別的で品性を欠いた暴言を吐くことが多く、これまで女性蔑視、同性愛嫌悪、人種差別など数々の物議を醸す過激な発言をしており[22]、過去には「試合中に誰かを殺したい。これ以上の幸せはないだろう」といったサイコパス的な発言をしているが[23][24]、こうした言動はブルース・バッファーヴァレンティーナ・シェフチェンコなどから苦言を呈されている[25][26]
  • オーストラリアニューサウスウェールズ州はUFCとUFC 293から同州で3大会開催する契約を1600万ドル(約25億円)で交わしたが[27]、UFC 293の記者会見でもストリックランドは「女性は働く必要はない。家にいて家族を養う必要がある」と性差別発言をし、シドニーへ到着した際のソーシャルメディアでも「いたるところにゲイとトランスの旗が掲げられている」「汚いリベラル派に囲まれることになるだろう」と同性愛嫌悪発言をしている。こうしたストリックランドの言動から、州野党の自由党副党首ナタリー・ウォードは、ストリックランドのイスラエル・アデサンヤへの下品な同性愛嫌悪的な発言などを例に上げ、州与党政府へストリックランドがニューサウスウェールズ州での大会に出場した場合、大会への支援を撤回するか質問しているが、州首相クリス・ミンズは、ストリックランドの発言は「ぞっとするものであり、容認されるべきでない」としつつも、UFCの大会は州に大きな経済効果をもたらすものであり、また、UFCのファンは多数いるが同様の考えを全く持っていないファンも多いので、ストリックランドの意見だけでUFCコミュニティを傷つけるべきではないと述べ、州スポーツ大臣のスティーブ・カンパーも「州政府は、UFCの選手、サッカー選手、ミュージシャンのいずれによる無礼または侮辱的なコメントを支持しない」としつつ、「ストリックランドが出場するかどうかは我々の決定ではないが、我々はUFCを支持し、楽しみにしている」「1人や2人のせいでスポーツ全体を汚すことはできない」と述べている[28]
  • UFC 296の前日に行なわれた記者会見で、舌戦からストリックランドが子供の時に父親から虐待を受けていたことを対戦相手のドリカス・デュ・プレシが触れたことに腹を立て、UFC 296の試合会場でデュ・プレシと鉢合わせると殴りかかり乱闘を起こした。2人の間にはギルバート・バーンズの息子が着席していたが、ストリックランドは彼に離席を促し、その後にデュ・プレシに殴りかかっている。
  • カナダで行なわれたUFC 297の記者会見では、カナダのジャスティン・トルドー首相のフリーダム・コンボイへの対応を批判し、またセミファイナルで組まれていたUFC世界女子バンタム級タイトルマッチについて記者席の記者でも勝てると女性蔑視発言をし、さらにストリックランドのLGBTに関しての問題発言について記者と言い合いになるが、これらのことがカナダのテレビのニュースで取り上げられ同性愛者権利団体が抗議の声明を出すなどの問題に発展した。しかし、UFCのダナ・ホワイトCEOは、ストリックランドの意見のほとんどに賛同しないとしつつも、言論は自由であるべきで誰もが言いたいことを言い信じたいものを信じることができ侵害されるべきでないとして、選手の思想や発言を制限するつもりはないとコメントした。また、チケットを購入したファンからの返金要求や、試合を放送したESPNやUFCのスポンサーからの苦情なども一切なかったことを明かした[29]
  • 2022年5月にはプライド月間を前にしてLGBTに関しての扇動的な投稿を行いTwitterから一時使用停止処分を受けた。
  • 総合格闘家のステファン・ボナーが死去した際に、ストリックランドは「たった今ステファン・ボナーが亡くなり、俺のInstagramのフィードやGoogleには『彼は昔一緒にトレーニングしたり遊んだりした仲間だった』と言うような連中の写真で溢れかえっている。しかし、俺が知る限りではステファン・ボナーは狂っていた。彼はオピオイド中毒だった。彼は逮捕され、オピオイドを処方してくれなかった病院から追い出され、コロナ禍に彼のジムは経営破綻した。皆が知る通り、俺はクソ野郎だ。俺は彼の写真を投稿して『安らかに眠れ』と言うつもりはない」「だが、彼が亡くなった後に彼を追悼する写真を投稿している奴らへ。彼が失意のどん底にいた時、お前たちはどこにいた?俺は彼を救わなければならなかったと言うつもりはないが、お前たちはその時彼の傍にすらいなかったのだから、今さら彼を慰めるのは止めろ。もう彼はそれを必要としていない」と語っている[30]
  • 白人至上主義イデオロギーを持っていた祖父や映画『アメリカン・ヒストリーX』の影響で、少年時代は白人至上主義的なイデオロギーを持っていたが、中学3年生の時にヘイトクライムを起こしたため学校から退学処分を受けている。その後、母親に連れて行かれた総合格闘技ジムで、様々な人種の人々からトレーニングなどの助けを受けたことで白人至上主義の思想をやめたと語っている[31]
  • 2018年12月、ロサンゼルスでバイクに乗っていた際、車に衝突され一時意識不明となるが、命に別状はなかった[32]

戦績

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総合格闘技 戦績
36 試合 (T)KO 一本 判定 その他 引き分け 無効試合
29 11 4 14 0 0 0
7 2 0 5 0
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勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
×ドリカス・デュ・プレシ5分5R終了 判定0-3UFC 312: du Plessis vs. Strickland 2
【UFC世界ミドル級タイトルマッチ】
2025年2月8日
パウロ・コスタ5分5R終了 判定2-1UFC 302: Makhachev vs. Poirier2024年6月1日
×ドリカス・デュ・プレシ5分5R終了 判定1-2UFC 297: Strickland vs. du Plessis
【UFC世界ミドル級タイトルマッチ】
2024年1月20日
イスラエル・アデサンヤ5分5R終了 判定3-0UFC 293: Adesanya vs. Strickland
【UFC世界ミドル級タイトルマッチ】
2023年9月10日
アブス・マゴメドフ2R 4:20 TKO(右ストレート→パウンド)UFC on ESPN 48: Strickland vs. Magomedov2023年7月1日
ナッソーディン・イマボフ5分5R終了 判定3-0UFC Fight Night: Strickland vs. Imavov2023年1月14日
×ジャレッド・キャノニア5分5R終了 判定1-2UFC Fight Night: Cannonier vs. Strickland2022年12月17日
×アレックス・ペレイラ1R 2:36 KO(右ストレート)UFC 276: Adesanya vs. Cannonier2022年7月2日
ジャック・ハーマンソン5分5R終了 判定2-1UFC Fight Night: Hermansson vs. Strickland2022年2月5日
ユライア・ホール5分5R終了 判定3-0UFC on ESPN 28: Hall vs. Strickland2021年7月31日
クリストフ・ヨトゥコ5分3R終了 判定3-0UFC on ESPN 23: Reyes vs. Procházka2021年5月1日
ブレンダン・アレン2R 1:32 TKO(スタンドパンチ連打)UFC Fight Night: Felder vs. dos Anjos2020年11月14日
ジャック・マーシュマン5分3R終了 判定3-0UFC Fight Night: Hall vs. Silva2020年10月31日
ノーディン・タレブ2R 3:10 TKO(パウンド)UFC Fight Night: Volkan vs. Smith2018年10月27日
×エリゼウ・ザレスキ・ドス・サントス1R 3:40 KO(右スピニングバックキック→パウンド)UFC 224: Nunes vs. Pennington2018年5月12日
コート・マッギー5分3R終了 判定3-0UFC Fight Night: Poirier vs. Pettis2017年11月11日
×カマル・ウスマン5分3R終了 判定0-3UFC 210: Cormier vs. Johnson 22017年4月8日
トム・ブリーズ5分3R終了 判定2-1UFC 199: Rockhold vs. Bisping 22016年6月4日
アレックス・ガルシア3R 4:25 TKO(スタンドパンチ連打)UFC Fight Night: Cowboy vs. Cowboy2016年2月21日
イゴール・アラウージョ5分3R終了 判定3-0UFC Fight Night: Mir vs. Duffee2015年7月15日
×サンチアゴ・ポンジニッビオ5分3R終了 判定0-3UFC Fight Night: Bigfoot vs. Mir2015年2月22日
ルーク・バーナット5分3R終了 判定2-1UFC Fight Night: Munoz vs. Mousasi2014年5月31日
ババ・マクダニエル1R 4:33 リアネイキドチョークUFC 171: Hendricks vs. Lawler2014年3月15日
マット・ラグラー1R 4:59 TKO(パンチ連打)KOTC: Split Decision
【KOTC世界ミドル級タイトルマッチ】
2013年8月29日
坂下裕介5分5R終了 判定3-0KOTC: Worldwide
【KOTC世界ミドル級タイトルマッチ】
2013年7月5日
ビル・アルブレヒト1R 2:41 KO(パンチ)KOTC: Restitution
【KOTC世界ミドル級タイトルマッチ】
2013年2月7日
ジョシュ・ブライアント5分3R終了 判定2-1KOTC: Unification
【KOTC世界ミドル級王座統一戦】
2012年12月9日
ブランドン・ハント1R 3:24 TKO(パンチ連打)KOTC: Hardcore
【KOTC世界ミドル級タイトルマッチ】
2012年4月26日
ブランドン・ハント1R 3:48 TKO(パンチ連打)KOTC: Steel Curtain
【KOTC世界ミドル級タイトルマッチ】
2011年12月17日
ブレット・スバルデラ1R 1:03 KO(パンチ連打)KOTC: Demolition2011年8月6日
ドナビン・ホーキー1R 1:21 リアネイキドチョークKOTC: Platinum2010年11月25日
アドリエル・モンテス2R 1:05 TKO(パンチ連打)KOTC: Underground 632010年10月2日
ジョージ・インターアーノ5分3R終了 判定3-0LBFN 7: Long Beach Fight Night 72010年1月3日
ウィリアム・ウィーラー1R 1:55 リアネイキドチョークKOTC: Jolted2009年10月3日
ブランドン・エルズワース1R 1:28 TKO(パンチ連打)KOTC: Last Resort2009年3月14日
タイラー・ポテット2R 1:53 リアネイキドチョークKOTC: Protege2008年3月22日

獲得タイトル

  • 第9代KOTC世界ミドル級王座(2012年)
  • 第14代UFC世界ミドル級王座(2023年)

表彰

  • UFCパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(3回)
  • UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト(1回)

脚注

関連項目

外部リンク

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