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シュコダ9Tr(チェコ語: Škoda 9Tr)は、チェコのシュコダ(シュコダ・オストロフ)が開発・生産したトロリーバス車両。7,300両以上の大量生産が実施され、世界各国に導入された[1][5][7][7][9]。
シュコダ9Tr シュコダ9TrH シュコダ9rHT | |
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基本情報 | |
製造所 | シュコダ(オストロフ工場) |
製造年 | 1961年 - 1982年(量産車) |
製造数 |
7,372両 (7,439両とする資料も存在) |
主要諸元 | |
電気方式 |
直流600 V (架空電車線方式) |
設計最高速度 | 65 km/h |
車両定員 |
着席24人 定員80人 |
車両重量 | 8.92 - 8.99 t |
全長 | 11,000 mm |
全幅 | 2,500 mm |
全高 | 3,240 mm |
床面高さ | 750 mm |
固定軸距 | 5,400 mm |
主電動機出力 | 110、115 kw |
歯車比 | 10.68 |
出力 | 110、115 kw |
制御装置 |
抵抗制御 電機子チョッパ制御(シュコダ9TrHT) |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5][6][7][8]に基づく。 |
1961年まで製造が行われたトロリーバス車両のシュコダ8Trの後継として開発された車種。モノコック構造を採用した車体デザインはシュコダ8Trから変更されており、乗降扉は基本的に3箇所設けられているが、ソビエト連邦(ソ連)向けの車種に関しては前後の2箇所に設置されている[1][5][7]。
主電動機は両車軸の間に垂直方向に設置され、動力はカルダンシャフトを介して後軸へと伝達される。制動装置は後部の車軸に作用する減速用の電気ブレーキ、同じく後部の車軸に作用する機械式パーキングブレーキ、全ての車軸に対応する空気ブレーキが備わっている。車軸と車台を繋ぐサスペンションは板ばねが用いられている[1][4][5][7]。
最初の車両となった試作車は1957年に製造され、その後3年間プラハを始め各地でデモンストレーション走行を実施したのち、1960年11月30日からチェコスロバキア(現:チェコ)のプルゼニ(プルゼニ・トロリーバス)で営業運転を開始した。この試作車は先代の車種であるシュコダ8Trと類似した外見を有していたが、同年に車体設計を変更した2両目の試作車が落成し、これを基に1961年以降量産車の製造が始まった。そして、計29次の量産を経て1982年の生産終了までにチェコスロバキア、ソ連、ブルガリア、アフガニスタン、インド[注釈 1]、ノルウェーなど世界各地の都市への導入が実施された。その両数は7,372両、もしくは7,439両とされており、ソ連で製造されたZiU-9、ZiU-5に次ぎ、世界で3番目に多く製造されたトロリーバス車両となった[2][10][5][7][11]。
1970年代以降、機器の技術進歩に合わせてこのシュコダ9Trについても電気機器やステアリング機構を改良した下記の車種の生産が実施され[注釈 2]、各都市に導入された。ただし、製造数の大半を占めたソ連向けに関しては信頼性の高さや頑丈さ、修繕の容易さが求められた事から旧来の機器を備えたシュコダ9Trの生産が続けられた[2][5][7][9]。
また、これら以外に旧ソ連に導入された車両のうち一部は2両を連結した総括制御運転に対応可能な車両として製造され、後方に連結される車両については前照灯など一部機器の省略が行われていた。これらの車両について、製造元のシュコダではシュコダ12Trと呼ばれ区別が行われていた[6][7][8][12]。
世界各国へ導入されたシュコダ9Trであったが、生産が終了した1980年代以降は各都市で後継車両への置き換えが進み、旧:チェコスロバキアの都市ではイフラヴァ(イフラヴァ・トロリーバス)での1997年の引退を最後に全車両が定期運用から退いた。一方で旧:ソ連のウクライナの都市では21世紀に入っても多数のシュコダ9Trが営業運転に使用され、最後の都市となったリウネ(リウネ・トロリーバス)では2020年10月に一度引退しながらも、歴史的な価値が評価され翌11月から再度営業運転に復帰している[注釈 3]。他にもチェコやスロバキアを始め世界各国に保存車両があり、動態保存が行われている事例も多い[5][7][2][13]。
以下、シュコダ9Trが導入された都市を記す。国名や都市名は2021年現在のものを用いる他、ウクライナについては同年時点で主権が及んでいない地域も含む[2][13][10][5][7][14][15]。
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