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ここでいうサーキット (英: circuit) とは、環状コースを持つレース用の施設である。
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本記事では自動車やオートバイの競技を行うためのサーキットについて解説する。競馬競技を行う環状コースや陸上競技を行う環状コースについては競馬場や陸上競技場を参照のこと。
サーキットは、第一義的には、環状の道路つまり一種の環のような道路で、自動車レースやオートバイレースのためにつくられたもののことである。
広義の「サーキット」には、レース用環状道路に付随する諸施設まで含める。例えば、レースの途中にタイヤの交換や応急修理 等々を行うための「ピット」(およびそこへ出入りするための補助的な道路)、レース中に計時記録員・監視監督員・競技審査委員などがレース状況を把握するための「コントロールタワー」、競技車両を保管するための「パルクフェルメ」、観戦するための大量の客席、等々である。
たとえ自動車競技やオートバイ競技をする場所であっても、ただ「一直線の道路」があるような競技場は「サーキット」ではない。その場合は「サーキット」ではなく、サーキットと対比する形で「ストレート・コース」などと呼ばれる。
circuitの語源はラテン語のcircuitusであり、circum (=丸く) + īre (=行く) + -tus過去分詞語尾=「丸く回った」という意味の言葉である[3]。英語の発音では「サーキット」だが、フランス語では「シルキュイ」となる(語尾の子音字"t"は発音されない)。また、イタリア語では「チルクーイト」(circuito)、同義語として「アウトドローモ」(autodromo)がある[4]。スペイン語では「シルクイート」(circuito)となる。 ドイツ語ではもっと分かりやすくリンク(=環)と呼ぶ。
さまざまな分類法がある。たとえば設置状態が「恒久的 / 仮設的」という基準で分けて「パーマネントサーキット / 仮設サーキット」に分類する方法がある。また国際自動車連盟 (FIA) では、自動車レースに使用するサーキットに関しては、規模や付帯設備などにもとづいて1~6のグレードに分類している。また路面が「舗装してある/ 舗装していない」によって「オンロードサーキット / オフロードサーキット」に分類する方法もある。→#分類・種類
なお建造した主たる目的や、当初の目的は自動車レースやオートバイレースであったとしても、その後に多様に用いられるようになったサーキットもある。レース非開催時にはゴーカートの乗り場として使われたり、自転車競技やマラソン大会が開かれるサーキットも一部にある。
19世紀末にモータースポーツが始まった頃、ヨーロッパでは、ある都市からある都市へと公道を線的に走行する「都市間レース」が盛んだった。
しかし、沿道の観客などを巻き込む死傷事故が多発したことから、郊外の公道に周回路を設定し、その公道に一般自動車や付近の住人・通行人などが入らないようにして行う「closed road クローズド・ロード」のサーキット・レースが始まった。たとえば、1903年には、アイルランドでGordon Bennett Cup(en:1903 Gordon Bennett Cup)という、公道に設定した周回コースから一般自動車や通行人を締め出して期間中だけレース専用にし、7周で527kmを走行する、というレースが行われた。観客にとっても周回路ならば走行する車両を何回も見ることができるというメリットがあった。
1906年からはイタリアのシチリア島の公道上に周回路を設定したレースであるタルガ・フローリオが開催され、最初の1906年は1周148kmあまり(149km弱)の公道コースを3周し446.5kmほどを競うというものだった。
1907年にはイギリスのサリー州に、世界初の、自動車競技用につくられたサーキットであるブルックランズ・サーキットが登場した。このサーキットはイギリスのモータースポーツの総本山(のような場所と認知されるようになっていった。自動車レース専用に建造されたサーキットは、コース脇に一般の住宅なども無く、公道をクローズドにしただけのサーキットよりも、より一層安全であった。
1909年には、アメリカのインディアナポリスに、世界で2番目に建造された自動車競技用サーキットであるインディアナポリス・モーター・スピードウェイが登場した。
1922年には、イタリア北部のモンツァに、世界で3番目に建造された自動車競技用サーキットであるモンツァ・サーキットが登場した。
なお、自動車競技目的のクローズドサーキットが建造されるようになっても、公道上にサーキットを設定してレースを行うということも並行して行われた。
なお1927年には新たにイタリアの公道上でミッレ・ミリア(1000マイルのレース、という意味)が行われるようになったが、こちらは周回路と言っても、およそ1000マイルになるように設定された経路をただ一周するだけであった。
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競技中に車両がコースアウトした場合に、コースと観客席を仕切る金網やコンクリート壁にそのまま激突すると、観客を巻き込むなどする危険な事故につながる。そこで安全設備を設けてスピードを落とし、激突を防いだり激突の際の衝撃を和らげたりする。
フォーミュラカーがサンドトラップやグラベルベッド、芝生上で横転した場合、ロールバーが地面にめり込みドライバーの頭部が地面に衝突する危険があることが指摘されるようになった。またフォーミュラカーは車高が低いために、砂地に突入すると車輪が空転してしまい、脱出できずにリタイアとなる可能性が高い。軽微な接触や運転ミスでリタイアとなることとなり、観客からは不満が多く寄せられるようになった。そのため近年のフォーミュラカーレース、とくにフォーミュラ1レースの行われるサーキットではランオフエリアをアスファルト舗装や人工芝に改修するケースが増えている。ただし、2輪レースではマシンから投げ出されたライダーが地面に落下する際、舗装面ではほとんど減速せずに滑ってしまうため、高速でタイヤバリアへと衝突してしまう。2016年のmoto2で起こったカタロニア・サーキットでの死亡事故はまさにこの例である。同様にスパ・フランコルシャンもEWC開催のため、ラ・スルスの外側にあったランオフをグラベルへと変更している。
また、グラベル突入後は、コース上に砂や小石をばら撒かないよう注意してピットに戻る必要がある。パドックで砂利を落とす、あるいはセッション終了まで待機し、グリーン上で前進後退を行なってある程度小石を落とすなど、サーキットによって運用が異なる。
さまざまな分類法がある。たとえばサーキットの設置方法による分類法、形状により分類法などがある。しかし、設置状態による分類及び国際自動車連盟 (FIA) や国際モーターサイクリズム連盟(FIM)によるカテゴライズ以外はこれといって明確な判断基準があるわけではなく、ファンや記者、競技者、主催者などの関係者が便宜的に呼び分けているものである。
国際的な四輪モータースポーツ統括団体である国際自動車連盟 (FIA)では、自動車レースに使用するサーキットをサーキットの規模や付帯設備などの状況により以下のように分類している[8]。トライアル用(T)、電気自動車(E)を除き、上位グレードのサーキットは下位グレードの全てのレースを開催することが可能。かつて、開催可能カテゴリーは排気量などを基準としていたが、現在はフォーミュラカーに関してはパワーウェイトレシオを基準に認定している。
なおこれらのグレードの取得のためにはFIAによる査察を受ける必要がある。グレードの有効期間は3年で、3年ごとに新たに査察を受ける。国内格式のレースを開催するには、各国のモータースポーツ統括団体(ASN、日本では日本自動車連盟(JAF)が該当)による公認を取るのみでよいため[9]、日本国内でFIAのグレードを取得しているサーキットはごく少数(2024年現在は6か所)に限られる。
グレード | 条件 |
---|---|
1 | パワーウエイトレシオが 1kg/hp 未満のグループD(FIA国際フォーミュラ)とグループE(フリーフォーミュラ)の自動車。1985 年以降のフォーミュラ1の車両に適用される。 |
1E | パワーウエイトレシオが 1kg/hp 未満の電気自動車[注釈 1]。 |
1T | 現行のFIAフォーミュラ1競技規則に定める過去のF1車両の走路テスト(TPC[注釈 2])。 |
2 | パワーウエイトレシオが 1~2kg/hp の間のグループD(FIA国際フォーミュラ)とグループE(フリーフォーミュラ)の自動車。 |
2E | パワーウエイトレシオが 1~2kg/hp の電気自動車[注釈 1]。 |
2T | パワーウエイトレシオが 1~2kg/hp の間の自動車の走路テスト。 |
3 | パワーウエイトレシオが 2~3kg/hp の間のカテゴリーⅡの自動車。 |
3E | パワーウエイトレシオが 2~3kg/hp の電気自動車[注釈 1]。 |
3T | パワーウエイトレシオが 2~3kg/hp の間の自動車の走路テスト。 |
4 | カテゴリーⅠの自動車。パワーウエイトレシオが 3kg/hp より高いカテゴリーⅡの自動車。 |
4E | パワーウエイトレシオが 3kg/hp より高い電気自動車。 |
4T | パワーウエイトレシオが 3kg/hp より高い自動車の走路テスト。 |
5 | 暫定的FIAサーキットライセンス。開発中のサーキットのための暫定的ライセンスであり国際競技用ではない。 |
6 | オフロードコース。オートクロス(6A)ラリークロス(6R)ラリークロス世界選手権(6RW)アイスレーシング(6G)に分かれる。 |
国際モーターサイクリズム連盟(FIM)では、二輪レースに使用されるサーキットを以下のように分類している[10]。グレードFを除き、上位グレードのサーキットは下位グレードの全てのレースを開催できる。
なおナイトレースの開催が可能なサーキットには、カテゴリ名の後ろに「+N」が付加されるほか、テスト走行のみ許可されたサーキットは同様に「t」が付加される[11]。
最初から競技専用施設として設計・造成・建設・管理されている常設コース。競技車両以外の走行が認められない事からクローズドサーキットとも呼ばれる。広大な用地を確保するため、基本的には郊外に立地する。コースデザインの自由度が高く、低速から高速までバラエティに富んだコーナーを配置することが可能である。
路面には摩擦係数の高い専用舗装が施され、レースに適した路面状態を保っている。また、コースに沿ってランオフエリアやバリア等の安全施設を常備し、常時救急体制を備えることで、安全性が高められている。
レースイベントの開催期間中のみ、主催者が一般の公道を借り切って設営する非常設コース。あらかじめ仮設の観客席やフェンス等を準備しておき、イベント期間中は一般車輌の通行を禁止してレースコースとする。モンテカルロ市街地コースやギア・サーキットなど市街地に作られた臨時サーキットをストリートサーキットと呼ぶ。
一般道という特性上、常設コースに比べてランオフエリアが狭くなるため、平均速度を低く抑えるようなコース設定となる。路面のミューは低く、建造物で見晴らしは悪く、コースはガードレールに囲まれているので、一瞬のミスでリタイアする可能性が高くなっており過酷である。
ル・マン24時間レースが行われるサルト・サーキットは、常設コースと公道区間を組み合わせたコースである。F1で有名なベルギーのスパ・フランコルシャンもかつては同様であったが、旧公道部分の脇にバイパスが設けられ、現在は完全なクローズド・サーキットである。
オーストラリア・メルボルンのアルバート・パーク・サーキットやカナダ・モントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、普段一般に開放された公園内の道路である。また、インディカー・シリーズのエドモントン・インディでは、エドモントン市中央空港の滑走路を利用した特設コースでレースが行われている。F1ラスベガスGPは、シーザースパレスホテルの大型駐車場に特設コースが設けられた。
ドイツのユーロスピードウェイ・ラウジッツは、オーバルコースとロードコースの他、サーキットに併設されたテストトラックを組み合わせる事によって、数種類のコースレイアウトを設定する事が可能な設計となっている。その為、それぞれのコースに連絡路が設けられている。
大小のコーナーと長短の直線を組み合わせて、減速・コーナリング・加速を繰り返すテクニカル指向の強いサーキット。フォーミュラカー・ツーリングカー・GTカー・一般車両など様々な車両によりレースが開催される。
使用時の周回方向は、計時施設やコース形状・安全対策等の理由から、基本的に片方向に定められており、カーブの外側の防護設備等は片方向走行を前提として設備されている。ただし、一部のレース[注釈 3]あるいはレース以外のイベント時・テスト等はこの限りではない。
直線をバンク(傾斜)の付いたターンでつないだサーキット(トラック)で、オーバル(楕円形)、またはそれに類似した形状をもつ。アメリカ合衆国に多数存在し、NASCARやインディカーなどアメリカ型モータースポーツの花形である。走行方向は左回り。いかに高速を維持したまま走り続けられるかを競うコースであり、1周のラップタイムよりも平均速度が基準とされる。
日本のモビリティリゾートもてぎなど、ロードコースとオーバルの両方を兼ね備えるサーキット。もてぎではこれらを別々に使用するが、かつてのモンツァ・サーキットは周回ごとに交互に走行していた(現在はオーバル部分は閉鎖)。また、インディアナポリス・モーター・スピードウェイやデイトナ・インターナショナル・スピードウェイはオーバルの内側にテクニカルなインフィールドセクションがあり、インディアナポリスグランプリ (MotoGP) やデイトナ24時間レースではオーバルと組み合わせて使用する。
なおもともとサーキットは未舗装路・舗装路に関係なく、環状の競走路であれば「サーキット」と呼ばれている。自動車普及黎明期の20世紀初頭ではそもそも一般道でも舗装路は少なく、サーキットでも未舗装路は多かったが、その後舗装路が増え、サーキットも舗装路が増えていった[注釈 4]。
、路面が土(ダート)、砂(グラベル)等のサーキット。「トラック・コース」などと呼ぶ場合が多く、サーキットとは呼ばないことが多い。多くの場合、円または楕円形か、8の字状である。アメリカやスペインには多数点在し、バギーや改造市販車でアマチュアレースが行われることが多い。
その他、トライアルやラリー競技に使用する周回コースは、サーキットと同様の目的があるにもかかわらず通常はサーキットと呼ばれない。おおむね、カーブや緩やかな上り下り以外の、段差・山や水濠・各種トラップなどの障害設備があるかないかで、サーキットと呼ぶかどうか分かれる。
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一般に国際競技を開催できる規格を満たしたサーキットを指し、十分なポストやセイフティゾーン(グラベル、バリア等)を備え、パドックやピットなども充実している。コース全長は一般的に5キロメートル (km) 以上であるが、一部をショートカットして使用する事もある。興業収入を得る目的で大きな観客席を備えている。。
あまり使われない用語であるが、一般に国内競技を開催できる規格を満たしたサーキットであり、かつ、コース長 2 km 程度のものを指す単語である。ハーフサーキットの条件を満たすコースとして筑波サーキットが有名である。
一般に、レースを開催するための規格を満たさないコース。従って公式なレースを開催することはできないが、非公式レース(いわゆる草レース)や走行会を開催したり、趣味でコースを走ったり、車両テストに使用したりといった用途に使われる。近年ではドリフト走行イベント(全日本プロドリフト選手権 (D1GP)・ドリフトマッスル等)の公式競技会の会場に使われることも増えている。
一般に、コースは500メートル (m) から1 km程度と短いものが多い。設備が少ないことやコースが短いことなどから使用料金が安く、気軽に使用できることが最大の特徴であるが、。
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レーシングカート専用のコース。コース幅が小さく、安全設備も簡単であり、四輪車両(フォーミュラカーを含む)や大半の二輪車両の走行には向かない。50 cc程度の二輪車でも走ることができるコースもある。設備が簡単であることから使用料金が安く、またカート等をレンタルできることが多いために気軽に楽しむことができる。
コースの形は環状でサーキットだが、もともと競走用のものではないので、誤解を生まないように通常は「テストコース」と呼ぶ。バンク付きのオーバルコースを「高速周回路」、直線や曲線、起伏を複合したものは「ハンドリング路」などと呼ぶ。各種試験のための特殊舗装や不整路面、散水設備などを備えるものが多い。自動車メーカー、二輪車メーカーや関連企業組織などが使用する。これらは原則非公開で、観客席などを持たない。
その他、明確な分類でなかったり、特定の形状のものに対して「〜型」と呼ばれるなど、ある意味曖昧なサーキットの分類について以下の通り説明する。
その他、平均速度やアクセル全開率、ブレーキ頻度等の傾向からハイスピードサーキット、テクニカルサーキットなどの分類も用いられるが、形状による分類以上に明確な基準はない。
サーキットの周辺に住居がある場合は、サーキットの競技車両が発生するマフラー排気音、ブレーキ音、タイヤの摩擦音などが騒音発生源となり、著しく住環境を破壊する。日本ではサーキットの騒音を規制する法規制はない。サーキットが周辺地域住民と騒音でトラブルになるケースが多く、サーキットの建設には十分に地域環境を考慮した場所を選択する必要がある。
常設サーキットの場合、前述の騒音問題や土地の購入費などが絡んで、たいてい人口密度の低い地域に建設されることが多い。鉄道・バスなどの公共交通機関や宿泊施設が不足している場所では、レース期間中に観客がマイカーで来場して大渋滞を引き起こすこともある。対策として、サーキットから離れた場所からシャトルバスでピストン輸送する「パークアンドライド」を採用するもあるが、F1の2007年日本GPでは悪天候により輸送計画が破綻して社会問題となった。
市街地コースの場合、輸送や宿泊の問題は発生しないが、レース期間中は一般道を長時間閉鎖するため、公的機関の協力や住民の理解が必要となる。
サーキットの主たる財源は観客の入場料収入であり、レース開催期間以外は人件費や保守管理費が負担となる。そのため、近年はイベントを開催したり、ホテルやレジャー施設を併設するなどして、レース以外での収益を確保しようとしている。
しかし、独自会計が立ち行かず、自治体に援助を要請するケースもある。世界的に知られるドイツのニュルブルクリンクも施設改修が負担となり、2012年に破産宣告を受けラインラント・プファルツ州の管理下に置かれた。
実際のレースではコースをより速く走行する目的で、車がコース外の縁石に乗ったり、完全にコース外の部分を走行したりするケースが多々発生する。特に2010年代以降、ランオフエリアを舗装するコースが多くなってからは、コース外を走行しても速度がほとんど落ちないため、意図的にコースをはみ出すドライバーが多くなった。これに対しレース主催者側ではトラックリミットとして、特定のコーナーでコースを(意図したか否かに関わらず)完全にはみ出した車に対して、予選であればタイム抹消、決勝であれば(一定回数を超えた場合に)警告→それでも繰り返された場合にはタイム加算ペナルティを課すといった罰則を定めるようになった[12]。
ただしトラックリミットの判定は多くの場合レースの競技委員の判断に委ねられているため、その判定の一貫性に疑問符が付けられるケースがあるほか、「トラックリミットによるペナルティの多発は観戦者の興を削ぐ」といった意見もある。このため、国際自動車連盟(FIA)会長のモハメド・ビン・スライエムは、トラックリミットの判定にサッカーのビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のような自動システムを導入するといった対策を打ち出す一方で、そもそもドライバーがトラックリミットを犯す必要がないようにコース自体を改修すべきであるという考えを表明している[13]。
motoGPでは2020年まではカメラ映像で判断していたが、2021年以降は圧力センサーにて機械的にトラックリミット逸脱か否かを判定している。縁石まではコース内、縁石の外のグリーンゾーンにタイヤを落とすと1回のトラックリミットオーバーと判定される。3回目で警告、5回目でロングラップペナルティとなるが、最終ラップのトラックリミットオーバーで利益を得たと判断された場合、決勝結果から直接1ポジションダウンされる。
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