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栗本薫の小説 ウィキペディアから
『グイン・サーガ』は、栗本薫による日本のヒロイック・ファンタジー小説。1979年9月の第1巻『豹頭の仮面』の刊行以来、コンスタントに巻数を重ね、100巻を越えてなお多くの読者を獲得しているベストセラー小説シリーズである。2022年1月時点で累計発行部数は3300万部を突破している[2]。
自身の出生さえ分からない豹頭の戦士であるグインを主人公として、架空の世界、架空の時代に生きる、彼を中心とするさまざまな人物の生と死の波乱を描いたサーガ(大河小説)。国と国とのあいだで繰り広げられる戦争、策謀、興亡の歴史を背景として、その宮廷、あるいは市井に生きるさまざまな人物の野望、妄執、友情、決別、恋愛といった愛憎が織りなす壮大な人間模様を紡ぎだしていく。
ヒロイックファンタジーの執筆を準備していた栗本薫が高千穂遙の『美獣』を読み、予定していたキャラクターのインパクトの弱さを痛感して改めて本作を書き下ろすに至った。シリーズ開幕当初から正伝のみで全100巻という構想が明かされており[3]、2005年4月には第100巻となる『豹頭王の試練』が刊行された[4]。もっとも、100巻で構想通りには物語は完結せず[5]、それどころか、完結に至るまでにはまだ多くの展開が残されていることは確実で、どこまで続くかは作者自身にも予想がついていないとされていた。作者の死去により、正伝が130巻、外伝が22巻(上下巻1編を含むため23冊)刊行された時点で中断したが[6]、その後は複数の作家により執筆が再開され、続篇の刊行が続いている(詳細については、下記の「作者死去後の動向」を参照)。
発表形態としては、ハヤカワ文庫から書き下ろしで発売される(第1巻『豹頭の仮面』および外伝の一部は、先行して雑誌(主に『S-Fマガジン』)や関連書籍に掲載された)。表紙、口絵、本文イラストは加藤直之(正伝1 - 19巻、外伝1 - 5巻)、天野喜孝(正伝20 - 56巻、外伝6 - 9巻)、末弥純(正伝57 - 87巻、外伝10 - 16巻)、丹野忍(正伝88 - 、外伝17 - )が手がけている。
2003年には、アメリカ合衆国Vertical社より英語版の発売が開始された。続いて、2005年にはBlanvalet Taschenbuchverl社よりドイツ語版、Editrice Nord社よりイタリア語版、БИТВА В НОСФЕРУСЕ社よりロシア語版、2006年にはFleuve Noir社よりフランス語版の出版が開始された。2009年には大元C. I.社より朝鮮語版が3巻まで同時刊行で出版が開始されたものの、2010年の6巻を最後に事実上出版は中止、その後6巻全巻が絶版になった。中国語版の出版も予定されている。
2000年には柳澤一明の作画により、外伝『七人の魔道師』の漫画化が開始された。作品はメディアファクトリー発行の『コミックフラッパー』誌に2003年まで連載後、単行本化された。2006年9月にジャイブ社から出版された『栗本薫 THE COMIC グイン・サーガ』には沢田一の作画によって漫画化された正伝の一部が収録されており、2007年1月にはそれに新たに書き下ろしを加えたものが同社から『グイン・サーガ1』として出版された。その後、同社刊の漫画雑誌『月刊コミックラッシュ』で2008年4月号から2010年6月号まで新章が連載された。
著名な日本のファンタジー小説であるにもかかわらず、刊行開始以来30年弱にわたり映像化されなかったが、2009年4月にテレビアニメ化された(グイン・サーガ (テレビアニメ)を参照)。
2009年5月26日、栗本がすい臓がんのため死去し、本作は未完成作品となった[7]。栗本は生前に病床で130巻のちょうど半分の地点まで原稿執筆を終えており[注 1]、遺作となった第130巻「見知らぬ明日」(同年12月発売)まで予定通り刊行された(第2章第4節に「未完」の文字がある)。130巻あとがきで夫の今岡清は、新装版後書きでの栗本の「誰かがこの物語を語り継いでくれればよい」という言葉に心を動かされたこと、そしてグイン・サーガが今後さまざまな形で語り継がれてもよい、と発言している。なお、『グイン・サーガ・ワールド 5』での今岡のあとがきによれば、絶筆部分以降のプロットは残っておらず、今後の展開のための覚書のみが残されているという。
同年12月、このシリーズに日本SF大賞特別賞が[8]、翌2010年8月には星雲賞日本長編部門が与えられた。
2011年、早川書房は同年5月より雑誌形式の文庫本『グイン・サーガ・ワールド』を季刊ペースで刊行すると発表した。前述した「『グイン・サーガ』を様々な人に語り継いでもらいたい」という栗本の遺志を受け、久美沙織や牧野修がグイン・サーガを外伝形式で執筆するほか、栗本の未完原稿の一部が公開された[9]。
2012年9月に発売された『グイン・サーガ・ワールド 5』より、五代ゆう、宵野ゆめによる正編の続編の発表が行われ、2013年11月からは、この続編を文庫化した書籍が正編のナンバリングを受け継ぎ、第131巻「パロの暗黒」(五代ゆう)・132巻「サイロンの挽歌」(宵野ゆめ)として刊行された[10]。以降は随時続巻され、絶筆部分の直接の続きも133巻「魔聖の迷宮」(五代ゆう)より刊行される[11]という、複数作家による巨大なグイン・サーガ・ワールドの様を呈している。本作はかなりの長編作品となっており途中の巻で未読状態になってしまう読者も少なくないが、五代はどの巻から読み始めても前後が分かるように意識して書いていると自身のTwitterでコメントしている[5]。
2013年〜2016年(131巻〜140巻)の間は奇数巻を五代ゆうが(主にパロ・ヤガ・沿海州の話を担当)、偶数巻を宵野ゆめが(主にケイロニアの話を担当)執筆した。2017年以降(141巻〜)は五代ゆうによる一人体制となっている。
首都クリスタルへのモンゴール軍の奇襲により、中原の歴史ある国パロは滅亡の危機に瀕していた。国王、王妃までもがモンゴール兵の手により殺害されるという状況の中、家臣はパロ王家に太古より伝わる古代機械(物質転送装置)を用いて、国王の長男にして王太子であるレムスと、その双子の姉リンダを友邦国アルゴスへ移送しようとした。が、古代機械の座標設定に狂いが生じ、2人はあろうことか敵勢力のまっただ中、モンゴール辺境にある魑魅魍魎の跋扈するルードの森へと転送されてしまった。
身を守るすべとてなく、ただ怯えて身を隠すしかなかったレムスとリンダを、ついにモンゴール軍の小隊が発見し、絶体絶命の危機に追いつめる。しかしその時、突如として現われた豹頭人身の異形の超戦士が小隊を全滅させ、双子は難を逃れる。自分自身の名と「アウラ」「ランドック」という2語を除き、全ての記憶を失っていたこの豹頭の男グインは、戦いの後で憔悴し切って倒れるが、リンダの介護によって間もなく体力を取り戻し、以後2人と行動をともにすることとなる。
死霊を始めとする魑魅魍魎の襲撃から、一夜の間は辛くも逃れた彼らだったが、翌朝には一帯を支配するモンゴールの出城・スタフォロス城の軍勢に再び発見され、衆寡敵せず投降を余儀なくされる。全身を業病に冒された「黒伯爵」こと城主ヴァーノン伯爵により投獄されたグインらは、隣の牢に収監されていた“紅の傭兵”の異名を持つ若き傭兵・イシュトヴァーンと出逢う。その夜、半獣半人の蛮族セム族がスタフォロス城に攻め入った混乱に乗じ、獄中でリンダと知り合ったセム族の娘スニを加えた4人は、スタフォロス城から眼下に流れる暗黒の河・ケス河へと身を投じて脱出に成功する。そして翌朝、彼らより先に脱出に成功していたイシュトヴァーンが一行に加わり、川の対岸・妖しい瘴気渦巻く砂漠の地ノスフェラスを最初の舞台として、レムスとリンダの、故国を目指す苦難の旅が始まるのである。(以上、第2巻『荒野の戦士』冒頭部まで)
物語の舞台となるのは、地球に酷似した惑星上にあるキレノア大陸を中心とした地域である。人種、生物相、気候など、ほとんどが地球と共通しているが、ノスフェラスと呼ばれる地域に代表されるように、地球上には見られない人種や生物も相当数存在している。
以下、代表的な地域と国について述べる。
キレノア大陸の西端近くにある、比較的温暖な気候で知られる地域。地域の北をケイロニア、東をゴーラ、南をパロという大国がそれぞれ支配しており、これらは世界の文明・文化の一大中心地として発展を遂げている。それぞれの国の境には、国同士の絶え間ない衝突を避けるための緩衝地帯として、自由国境地帯と呼ばれる、どこの国にも属さない地域が存在している。諸国の気風を現す俗語として「モンゴールの弁舌、ユラニアの冒険心、クムの忠誠、パロの謙遜」というものがある。これらを見出すことは非常に難しい、という皮肉である。
中原の南に広がる、ステップを思わせる広大な地域。文化的には中原とまったく異なっており、多くの部族からなる遊牧民族が暮らしている。地域の北をカウロス公国、南をアルゴス王国の2つの大国が支配し、東にやや小さな国であるトルース王国がある。アルゴスとカウロスが比較的対立関係にある一方、アルゴスとトルースは良好な関係にある。
中原の南南東、草原の東にあり、南をレント海に面する、中原のいずれか1国の面積の半分にも満たないほどの大きさの地域。通常、アグラーヤ、ヴァラキア、イフリキア、トラキア、ライゴール、レンティアの6か国が支配する上記地域を指すが、これらの国の西に連なる自治都市や、北に離れた場所に位置するタリア自治領までを含める場合もある。
小国が境を接して密集している地域であるため、上記6か国は自衛のために緩やかな同盟を組んでいる。他地域での戦争に参戦するかどうか、といったような意思決定の際には、各国の元首級が集う「沿海州会議」が開催され、その議論と投票の結果によって、沿海州全体としての意志を統一するというシステムがある。
モンゴールの東方にある海に面した小国家。領主はギイ・ドルフュス。タリアは内陸諸国とレント海の交易路を繋ぐ貿易港であり、その影響力は沿海州と較べても決して小さくない。モンゴールと親交があり、黒竜戦役ではモンゴールの味方の立場だった。モンゴール復興戦争では、ギイの妹アレン・ドルフュスが援軍を率いてトーラスへと向かった。
沿海州と草原の中間にある沿岸都市で、ミロク教の聖地。ミロク教徒は皆、一度はヤガに巡礼することを望んでいる。しかし近年、《新しきミロク》という新興勢力が台頭してきているなど、不穏な状況になっている。
中原の東に広がる極めて広大な砂漠地域。中原とはケス河で接し、東は東方の大国であるキタイに接する。地域全体を放射能を思わせる瘴気が覆っており、それが原因となってか、極めて特異な植物相、動物相を持つ地域である。この地域に代表的な特異な動物の例としては、巨大なアメーバ状生物であるイドや、全身が巨大な口となっている大食らい(水棲のものは大口)などがある。その瘴気の影響はケス河にまで及び、ケス河畔の中原側に位置するルードの森の生態系にも影響を及ぼしているとするものもある。特に中心部に位置するグル・ヌーと呼ばれる地点は極めて瘴気の濃度が高く、ごく一部の魔道師や、その力を借りた者を除いては、グル・ヌーに達した後に生還を果たした者はいない。
苛酷な環境ゆえに人は居住していないが、セム族とラゴン族という亜人類が生活している。尻尾を持ち、人間の半分程度の身長しか持たないセム族は、いくつかの部族に分かれ、比較的ケス河に近い地域を居住地としており、時としてケス河を渡り、中原の辺境を訪れることもある。逆に尻尾を持たず、身長は人間の1.5 - 2倍程度もあるラゴン族は、比較的奥地を居住地としているが、長く一か所に定住することはない。そのため、まず中原の人間の目に触れることはなく、「幻の民」と呼ばれる所以ともなっている。
中原からノスフェラスを挟み、遥か東方に広がる地域。ほぼ全域を大国キタイによって支配されており、フェラーラなどいくつかの周辺国も、キタイの属国であると考えて差し支えない。中原やその近隣では、パロを除いて重視されなくなった魔道が、未だ生活にも政治にも密着した地域である。人種的には黄色人種が支配的であり、その一部は中原へ移民して、クム建国の礎となった。
中原の北に広がる地域。1年の大半を氷雪に覆われる寒冷地。最大の国は、上ナタール川でケイロニアに接するタルーアンで、そのさらに北にはクインズランド、ヴァンハイム、ヨツンヘイムといった国があると云われる。タルーアン人は紅毛碧眼の白色人種で、男女を問わず大柄な人種として、また時として海賊も働く海洋民族として有名である。
沿海州の南に広がるレント海、コーセア海に浮かぶ南洋諸島と、そのさらに南に位置する南方大陸を含む地域。ゴア、テラニアなどの島国、ランダーギアなどの大国が含まれる。人種としては黒色人種である。地理的な条件から、中原との交易はほぼ沿海州を通じてのものに限られるため、中原との直接の交流はほとんど見られない。
中原の西に位置する、パロと同時期に建国されたとされる謎の太古王国。独特の蛇神教を信仰しているといわれる。かつては諸外国とも交流があったが、現在では各国の王の即位式などに派遣される使者を除けば、ほぼ鎖国状態にあり、その実態は謎に包まれている。白魔道師「ドールに追われる男」イェライシャの出身地としても知られている。
物語世界の文化・文明の程度としては、おおむね現実世界における中世程度のものであると考えられる。ただし、火薬は存在しないようである。他に現実世界に存在しない要素として、いくつかの地点に存在する、古代から伝わるとされる謎の超文明の遺物や、精神・次元・時間を操る魔道と呼ばれる技がある。
この世界の現状をもたらすに至った直接の原因は、3000年前の災厄にまで遡ると云われる。当時、世界はカナンと呼ばれる大帝国によって統一されていた。その頃、すでに文化・文明の程度は現在と同程度にまで達していたと云われており、現在でもカナンで用いられた様式を基本とする文化・文明が、何よりも洗練されたものとして尊重されている。
そのカナンを一夜にして滅亡させたのが、首都カナンに墜落した巨大な隕石であったと伝説は伝えている。が、実際には墜落したのは隕石ではなく、星間戦争を行っていた惑星外文明に属する巨大な宇宙船(「星船」と呼ばれる)であった。墜落した星船は大爆発を起こし、爆心地に近い多くの人々の命が奪われた。また、大爆発を生き延びた人々のほとんども、爆発した星船の動力部から漏れたらしい強い瘴気(放射能と思われる)によって、間もなく命を落とした(外伝第16巻『蜃気楼の少女』参照)。その爆心地は、誰も近づくことはできぬ地グル・ヌーとなり、それを中心とする広大な地域が、特異な生物相を持つ砂漠ノスフェラスへと変貌した。ノスフェラスに暮らすセム族、ラゴン族は、この時に辛うじて生き残った人々が、瘴気の影響によって変化したものであるとも云われる。
この災厄により、キレノア大陸は事実上、ノスフェラスによって東西に完全に分断された。またカナン帝国の滅亡によって、中原に新たな国が起こることとなった。そのもっとも古い国がパロ王国であり、それから間もなく興ったゴーラ帝国と長らく中原の覇を競うこととなる。さらに数百年前には、多数の部族に分かれ、北の蛮族と蔑まれていたケイロニアが帝国として統一され、現在の中原三大国体制が形成されることとなった。
魔道とは、精神力を鍛えることによって、対象となる精神・次元・時間に作用を及ぼし、それを操ることを可能にした精神科学である。パロ王家など一部の人々は、さほど厳しい訓練を行わなくとも、ごく初歩的な魔道を使うことはできるが、基本的には、極めて特殊な食生活と厳しい訓練を行うことにより、肉体と精神とを同化させることによってのみ、使用することが可能となるものである。それにより、信じがたいほどの長命を得たり、まったく精神的なものとして存在することすら可能となる場合がある。魔道が使えるようになった者のことを一般に魔道師と呼ぶ[注 2]。なお、魔道をもっていずれかの国に仕官したものが魔道士である。
この世界にはいくつか、失われた古代の超文明の遺物であると思われるものが存在する。代表的なものが、パロの首都クリスタルの王宮の地下にある古代機械、そしてノスフェラスのグル・ヌーの地下にある星船である。これらの秘密を手にすれば、世界を支配する力を手に入れられるとも云われ、様々な魔道師や科学者、あるいは世界征服の野心を抱く者の興味の対象となっている。実際にはこれらはすべて、カナンの大災厄の原因となった惑星外文明によってもたらされたものであり、物語が進行するにつれて、世界に様々な波紋を広げていくこととなる。
中原で一般に話されている言語はパロス語である。これは古代カナン語の流れを汲む言葉であり、中原各地にさまざまな方言はあるものの、基本的にはどの国でも同じように通じるものである。中原以外でも、草原、沿海州などは軒並みパロス語を使用している。東方のキタイや南方などでは別の言語が使用されているようである。
また、特殊な言葉としてルーン語がある。これも古代カナン語から派生した言語であるが、主に魔道師によって、一般人には通じない言葉として独自に発展を遂げたものであるらしい。ルーン語には初級ルーン語と上級ルーン語、さらにその上位にあるルーン・ジェネリットといった種類がある。初級ルーン語が使用されるのは、魔道学、神学などの学問や、支配者階級の公式文書などである。上級ルーン語及びルーン・ジェネリットが使用されるのは、魔道師同士の会話や呪文など、魔道に関連するものに限られるらしい。
ノスフェラスのセム族、ラゴン族も、それぞれセム語、ラゴン語と呼ばれる独自の言語を持っている。ただし、両言語にほとんど差は見られず、両種族間でのコミュニケーションに支障はないようである。
「正確に単位を決めたのは、4巻の後書きを書いたとき」[18]
中原における軍事行動においては、以下のような特徴が見られる。
第1巻「豹頭の仮面」に登場する、全身を極めて伝染性の高い業病に冒されたヴァーノン伯爵は、当初、その業病を「癩病」、人物の通称を「癩伯爵」と記されていた。だが、その病の描写が、本来の「癩病(ハンセン病)」のものとは著しく異なり、人々の間にいまだ流布している病に対する誤解とそれに基づく差別をさらに助長しかねないものであるとして、全国ハンセン病患者協議会より、作者及び出版社に対する抗議があった。
その抗議に対し、作者及び出版社は全面的に謝罪し、1982年3月以降の重版分から、作中の病の描写はフィクションとしてのものであり、実際の病とはまったく異なる関係のないものであることなどを記した文を巻末に註記することで、協議会と和解した。
その後、作者及び出版社は該当する部分について自主的に全面改訂を行い、「癩病」→「黒死病」、「癩伯爵」→「黒伯爵」等と書き換えた改訂版を1983年1月に発行し、以前の版を絶版とした。
正伝第93巻が発行された2004年4月、早川書房が米国の英語版を元に算出した3022万5000文字の「世界最長の小説」としてギネス・ワールド・レコーズ社に申請したが、1冊にまとめられた作品ではないという理由で却下された。早川書房は3000万文字以上の作品を1冊にまとめるのは事実上不可能であるとして、複数冊にわたる作品に関するカテゴリーの新設を求めたが、これも拒否された[19]。
なお、ギネスブック認定[注 6]の世界最長の小説は、2004年版まではマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の960万9000文字、2005年版ではサイモン・ロバーツの『ニカーズ』[注 7]の1415万6074文字である[20]。2007年版では『失われた時を求めて』が「世界最長の小説」とされる[21]。
2005年4月9日、《グイン・サーガ》100巻達成記念イベント「百の大典」が、 九段会館にて開催された。
来場者には、作品の表紙イラストをモチーフとした特製ポストカードなどが配布された。また、会場では、正伝第100巻『豹頭王の試練』特装版サイン本の販売が行われた。あわせて、グイン・サーガの電子出版およびグイン・サーガのアニメーション化についての発表が行われた。
2010年、栗本の夫・今岡清は散逸防止のために約1万5千枚の『グイン・サーガ』直筆原稿を、栗本の生誕地である葛飾区の区立中央図書館に寄贈した[22]。図書館は単に保存するだけではなく、数年をかけてスキャニングを行い、2013年4月から館内に設置した専用パソコンで電子ファイルとして閲覧できるようになった。これは閲覧専用であり、データのコピーや館外貸出しは不可能である。なお、全体の約10%程度が図書館のサイト内にある「かつしかデジタルライブラリー」にアップロードされており[23]、こちらは日本国中でインターネットにアクセス可能な環境があれば誰でも見ることができる。
ウェブサイト「シネマトピックス」は本作について、「ヒロイック・ファンタジーの要素と『三国志』的な群像青春小説の要素を融合した、躍動感あふれる物語」であると表現している[4]。また同サイトは、多数の魅力的な登揚人物が様々な要素を含む劇的な物語展開のなかで翻弄され、成長や破滅をしていく様が描かれていると評している[4]。
ウェブサイト「あにぶ」の井之上は本作の特徴について、「ページ全体において改行のないセリフで埋め尽くされており、小説を読むのが苦手な人は眩暈がするような紙面の黒さ」であるとしている[6]。また、同氏は本作の印象について、「本格的なシルクスクリーン絵画が挿し絵が美しくもなんとなく近寄りがたい」と述べている[6]。
ゲームライター・編集者の石井ぜんじは上述の通り群像劇となっている点や異世界そのものを描き構築することが意識されている点が現代ファンタジーでも違和感のないゲーム世界的な感覚を覚え、これらの要素を鑑みると本作を「ライトノベルの元祖」と呼んでも不思議ではないと評している[2]。
表紙、口絵(正伝130、外伝22まで)、本文のイラスト担当は以下の通り。
巻数 | タイトル | 発行日付 | ISBN |
---|---|---|---|
1 | 豹頭の仮面 | 1979年9月30日 | 4-15-030117-4 |
2 | 荒野の戦士 | 1979年10月15日 | 4-15-030118-2 |
3 | ノスフェラスの戦い | 1980年3月15日 | 4-15-030120-4 |
4 | ラゴンの虜囚 | 1980年6月30日 | 4-15-030122-0 |
5 | 辺境の王者 | 1980年10月15日 | 4-15-030125-5 |
6 | アルゴスの黒太子 | 1981年5月31日 | 4-15-030132-8 |
7 | 望郷の聖双生児 | 1981年7月31日 | 4-15-030139-5 |
8 | クリスタルの陰謀 | 1981年10月15日 | 4-15-030141-7 |
9 | 紅蓮の島 | 1981年12月31日 | 4-15-030147-6 |
10 | 死の婚礼 | 1982年5月15日 | 4-15-030154-9 |
11 | 草原の風雲児 | 1982年9月15日 | 4-15-030158-1 |
12 | 紅の密使 | 1982年11月30日 | 4-15-030162-X |
13 | クリスタルの反乱 | 1983年3月31日 | 4-15-030168-9 |
14 | 復讐の女神 | 1983年6月15日 | 4-15-030172-7 |
15 | トーラスの戦い | 1983年7月31日 | 4-15-030175-1 |
16 | パロへの帰還 | 1983年9月30日 | 4-15-030177-8 |
17 | 三人の放浪者 | 1984年2月29日 | 4-15-030182-4 |
18 | サイロンの悪霊 | 1984年5月31日 | 4-15-030187-5 |
19 | ノスフェラスの嵐 | 1984年10月31日 | 4-15-030193-X |
20 | サリアの娘 | 1985年2月15日 | 4-15-030199-9 |
21 | 黒曜宮の陰謀 | 1985年5月15日 | 4-15-030201-4 |
22 | 運命の一日 | 1985年9月30日 | 4-15-030207-3 |
23 | 風のゆくえ | 1985年12月15日 | 4-15-030211-1 |
24 | 赤い街道の盗賊 | 1986年5月31日 | 4-15-030219-7 |
25 | パロのワルツ | 1986年10月31日 | 4-15-030230-8 |
26 | 白虹 | 1987年2月28日 | 4-15-030235-9 |
27 | 光の公女 | 1987年8月15日 | 4-15-030245-6 |
28 | アルセイスの秘密 | 1988年5月15日 | 4-15-030265-0 |
29 | 闇の司祭 | 1988年10月15日 | 4-15-030278-2 |
30 | サイロンの豹頭将軍 | 1989年7月15日 | 4-15-030298-7 |
31 | ヤーンの日 | 1989年12月15日 | 4-15-030311-8 |
32 | ヤヌスの戦い | 1990年4月30日 | 4-15-030318-5 |
33 | モンゴールの復活 | 1990年7月31日 | 4-15-030325-8 |
34 | 愛の嵐 | 1990年10月31日 | 4-15-030334-7 |
35 | 神の手 | 1991年4月30日 | 4-15-030350-9 |
36 | 剣の誓い | 1991年10月31日 | 4-15-030363-0 |
37 | クリスタルの婚礼 | 1992年2月15日 | 4-15-030369-X |
38 | 虹の道 | 1992年3月31日 | 4-15-030374-6 |
39 | 黒い炎 | 1992年4月30日 | 4-15-030375-4 |
40 | アムネリアの罠 | 1992年9月30日 | 4-15-030381-9 |
41 | 獅子の星座 | 1992年12月31日 | 4-15-030385-1 |
42 | カレーヌの邂逅 | 1993年10月31日 | 4-15-030392-4 |
43 | エルザイムの戦い | 1994年3月31日 | 4-15-030403-3 |
44 | 炎のアルセイス | 1994年6月30日 | 4-15-030405-X |
45 | ユラニアの少年 | 1994年9月30日 | 4-15-030408-4 |
46 | 闇の中の怨霊 | 1994年12月31日 | 4-15-030410-6 |
47 | アムネリスの婚約 | 1995年4月15日 | 4-15-030507-2 |
48 | 美しき虜囚 | 1995年6月15日 | 4-15-030517-X |
49 | 緋の陥穽 | 1995年9月15日 | 4-15-030526-9 |
50 | 闇の微笑 | 1995年11月15日 | 4-15-030534-X |
51 | ドールの時代 | 1996年4月30日 | 4-15-030549-8 |
52 | 異形の明日 | 1996年6月15日 | 4-15-030556-0 |
53 | ガルムの標的 | 1996年9月30日 | 4-15-030565-X |
54 | 紅玉宮の惨劇 | 1996年12月15日 | 4-15-030572-2 |
55 | ゴーラの一番長い日 | 1997年2月28日 | 4-15-030575-7 |
56 | 野望の序曲 | 1997年5月31日 | 4-15-030577-3 |
57 | ヤーンの星の下に | 1997年8月15日 | 4-15-030585-4 |
58 | 運命のマルガ | 1997年11月15日 | 4-15-030590-0 |
59 | 覇王の道 | 1998年1月31日 | 4-15-030593-5 |
60 | ガルムの報酬 | 1998年4月15日 | 4-15-030597-8 |
61 | 赤い激流 | 1998年7月15日 | 4-15-030602-8 |
62 | ユラニア最後の日 | 1998年10月15日 | 4-15-030606-0 |
63 | 時の潮 | 1999年1月15日 | 4-15-030608-7 |
64 | ゴーラの僭王 | 1999年2月15日 | 4-15-030610-9 |
65 | 鷹とイリス | 1999年4月15日 | 4-15-030612-5 |
66 | 黒太子の秘密 | 1999年6月15日 | 4-15-030616-8 |
67 | 風の挽歌 | 1999年8月15日 | 4-15-030622-2 |
68 | 豹頭将軍の帰還 | 1999年11月15日 | 4-15-030628-1 |
69 | 修羅 | 1999年12月15日 | 4-15-030629-X |
70 | 豹頭王の誕生 | 2000年2月15日 | 4-15-030631-1 |
71 | 嵐のルノリア | 2000年3月15日 | 4-15-030633-8 |
72 | パロの苦悶 | 2000年5月15日 | 4-15-030638-9 |
73 | 地上最大の魔道師 | 2000年7月15日 | 4-15-030642-7 |
74 | 試練のルノリア | 2000年8月15日 | 4-15-030644-3 |
75 | 大導師アグリッパ | 2000年10月15日 | 4-15-030648-6 |
76 | 魔の聖域 | 2000年12月15日 | 4-15-030653-2 |
77 | 疑惑の月蝕 | 2001年2月15日 | 4-15-030657-5 |
78 | ルノリアの奇跡 | 2001年3月15日 | 4-15-030659-1 |
79 | ルアーの角笛 | 2001年6月15日 | 4-15-030665-6 |
80 | ヤーンの翼 | 2001年8月15日 | 4-15-030671-0 |
81 | 魔界の刻印 | 2001年10月15日 | 4-15-030677-X |
82 | アウラの選択 | 2001年12月15日 | 4-15-030682-6 |
83 | 嵐の獅子たち | 2002年2月15日 | 4-15-030689-3 |
84 | 劫火 | 2002年4月15日 | 4-15-030691-5 |
85 | 蜃気楼の彼方 | 2002年6月15日 | 4-15-030695-8 |
86 | 運命の糸車 | 2002年8月15日 | 4-15-030698-2 |
87 | ヤーンの時の時 | 2002年12月15日 | 4-15-030706-7 |
88 | 星の葬送 | 2003年2月15日 | 4-15-030710-5 |
89 | 夢魔の王子 | 2003年4月15日 | 4-15-030715-6 |
90 | 恐怖の霧 | 2003年6月15日 | 4-15-030723-7 |
91 | 魔宮の攻防 | 2003年8月15日 | 4-15-030732-6 |
92 | 復活の朝 | 2003年10月15日 | 4-15-030739-3 |
93 | 熱砂の放浪者 | 2004年2月15日 | 4-15-030748-2 |
94 | 永遠への飛翔 | 2004年4月15日 | 4-15-030756-3 |
95 | ドールの子 | 2004年6月15日 | 4-15-030760-1 |
96 | 豹頭王の行方 | 2004年8月15日 | 4-15-030765-2 |
97 | ノスフェラスへの道 | 2004年10月15日 | 4-15-030769-5 |
98 | 蜃気楼の旅人 | 2004年12月15日 | 4-15-030773-3 |
99 | ルードの恩讐 | 2005年2月15日 | 4-15-030781-4 |
100 | 豹頭王の試練 | 2005年4月15日 | 4-15-030789-X |
101 | 北の豹、南の鷹 | 2005年5月15日 | 4-15-030795-4 |
102 | 火の山 | 2005年6月15日 | 4-15-030799-7 |
103 | ヤーンの朝 | 2005年8月15日 | 4-15-030807-1 |
104 | 湖畔のマリニア | 2005年10月15日 | 4-15-030818-7 |
105 | 風の騎士 | 2005年12月15日 | 4-15-030826-8 |
106 | ボルボロスの追跡 | 2006年2月15日 | 4-15-030834-9 |
107 | 流れゆく雲 | 2006年4月15日 | 4-15-030842-X |
108 | パロへの長い道 | 2006年6月15日 | 4-15-030851-9 |
109 | 豹頭王の挑戦 | 2006年8月15日 | 4-15-030857-8 |
110 | 快楽の都 | 2006年10月15日 | 4-15-030863-2 |
111 | タイスの魔剣士 | 2006年12月15日 | 4-15-030872-1 |
112 | 闘王 | 2007年2月15日 | 978-4-15-030878-0 |
113 | もう一つの王国 | 2007年4月15日 | 978-4-15-030884-1 |
114 | 紅鶴城の幽霊 | 2007年6月15日 | 978-4-15-030891-9 |
115 | 水神の祭り | 2007年8月15日 | 978-4-15-030897-1 |
116 | 闘鬼 | 2007年10月15日 | 978-4-15-030903-9 |
117 | 暁の脱出 | 2007年11月15日 | 978-4-15-030906-0 |
118 | クリスタルの再会 | 2007年12月15日 | 978-4-15-030911-4 |
119 | ランドックの刻印 | 2008年2月15日 | 978-4-15-030915-2 |
120 | 旅立つマリニア | 2008年4月15日 | 978-4-15-030919-0 |
121 | サイロンの光と影 | 2008年6月15日 | 978-4-15-030927-5 |
122 | 豹頭王の苦悩 | 2008年8月15日 | 978-4-15-030931-2 |
123 | 風雲への序章 | 2008年10月15日 | 978-4-15-030938-1 |
124 | ミロクの巡礼 | 2008年12月15日 | 978-4-15-030943-5 |
125 | ヤーンの選択 | 2009年2月15日 | 978-4-15-030947-3 |
126 | 黒衣の女王 | 2009年4月15日 | 978-4-15-030952-7 |
127 | 遠いうねり | 2009年6月15日 | 978-4-15-030957-2 |
128 | 謎の聖都 | 2009年8月15日 | 978-4-15-030962-6 |
129 | 運命の子 | 2009年10月15日 | 978-4-15-030971-8 |
130 | 見知らぬ明日 | 2009年12月15日 | 978-4-15-030975-6 |
栗本薫の逝去後に発行された正伝。巻数は継続されているが、著者は複数体制となっている。141巻以降(2017年-)は五代ゆうによる一人体制。表紙画は引き続き丹野忍が担当している。
巻数 | タイトル | 著者 | 発行日付 | ISBN |
---|---|---|---|---|
131 | パロの暗黒 | 五代ゆう | 2013年11月15日 | 978-4-15-031134-6 |
132 | サイロンの挽歌 | 宵野ゆめ | 2013年12月15日 | 978-4-15-031138-4 |
133 | 魔聖の迷宮 | 五代ゆう | 2014年6月25日 | 978-4-15-031162-9 |
134 | 売国妃シルヴィア | 宵野ゆめ | 2014年10月15日 | 978-4-15-031170-4 |
135 | 紅の凶星 | 五代ゆう | 2015年1月25日 | 978-4-15-031179-7 |
136 | イリスの炎 | 宵野ゆめ | 2015年5月15日 | 978-4-15-031191-9 |
137 | 廃都の女王 | 五代ゆう | 2015年10月15日 | 978-4-15-031206-0 |
138 | ケイロンの絆 | 宵野ゆめ | 2016年4月15日 | 978-4-15-031225-1 |
139 | 豹頭王の来訪 | 五代ゆう | 2016年8月15日 | 978-4-15-031239-8 |
140 | ヤーンの虜 | 宵野ゆめ | 2016年12月15日 | 978-4-15-031255-8 |
141 | 風雲のヤガ | 五代ゆう | 2017年4月15日 | 978-4-15-031270-1 |
142 | 翔けゆく風 | 五代ゆう | 2018年1月25日 | 978-4-15-031313-5 |
143 | 永訣の波濤 | 五代ゆう | 2018年5月25日 | 978-4-15-031328-9 |
144 | 流浪の皇女 | 五代ゆう | 2018年11月15日 | 978-4-15-031348-7 |
145 | 水晶宮の影 | 五代ゆう | 2019年5月15日 | 978-4-15-031376-0 |
146 | 雲雀とイリス | 五代ゆう | 2019年10月15日 | 978-4-15-031397-5 |
147 | 五代ゆう | 2020年7月15日 | 978-4-15-031439-2 | |
148 | トーラスの炎 | 五代ゆう | 2022年11月15日 | 978-4-15-031536-8 |
149 | ドライドンの曙 | 五代ゆう | 2024年6月15日 | 978-4-15-031575-7 |
巻数 | タイトル | 発行日付 | ISBN |
---|---|---|---|
1 | 七人の魔道師 | 1981年2月15日 | 4-15-030130-1 |
2 | イリスの石 | 1982年3月31日 | 4-15-030152-2 |
3 | 幽霊船 | 1983年2月28日 | 4-15-030166-2 |
4 | 氷雪の女王 | 1983年12月31日 | 4-15-030180-8 |
5 | 時の封土 | 1984年12月15日 | 4-15-030197-2 |
6 | ヴァラキアの少年 | 1986年2月15日 | 4-15-030214-6 |
7 | 十六歳の肖像 | 1986年12月15日 | 4-15-030233-2 |
8 | 星の船、風の翼 | 1990年3月15日 | 4-15-030316-9 |
9 | マグノリアの海賊 | 1990年12月31日 | 4-15-030338-X |
10 | 幽霊島の戦士 | 1997年6月30日 | 4-15-030582-X |
11 | フェラーラの魔女 | 1997年10月15日 | 4-15-030588-9 |
12 | 魔王の国の戦士 | 1997年12月15日 | 4-15-030592-7 |
13 | 鬼面の塔 | 1998年3月15日 | 4-15-030596-X |
14 | 夢魔の四つの扉 | 1998年6月15日 | 4-15-030600-1 |
15 | ホータン最後の戦い | 1998年9月15日 | 4-15-030604-4 |
16 | 蜃気楼の少女 | 1999年9月15日 | 4-15-030624-9 |
17 | 宝島 | 2002年10月15日 | 上巻:4-15-030702-4 |
2002年11月15日 | 下巻:4-15-030704-0 | ||
18 | <アルド・ナリス王子の事件簿 1> 消えた女官-マルガ離宮殺人事件- | 2003年12月15日 | 4-15-030743-1 |
19 | 初恋 | 2004年5月15日 | 4-15-030759-8 |
20 | <アルド・ナリスの事件簿 2> ふりむかない男 | 2006年1月15日 | 4-15-030833-0 |
21 | 鏡の国の戦士 | 2007年7月15日 | 978-4-15-030894-0 |
22 | ヒプノスの回廊 | 2011年2月15日 | 978-4-15-031021-9 |
栗本薫の逝去後に発行された外伝。巻数は継続されているが、著者は複数となっている。
巻数 | タイトル | 著者 | 発行日付 | ISBN |
---|---|---|---|---|
23 | 星降る草原 | 久美沙織 | 2012年9月15日 | 978-4-15-031083-7 |
24 | リアード武侠傳奇・伝 | 牧野修 | 2012年12月15日 | 978-4-15-031090-5 |
25 | 宿命の宝冠 | 宵野ゆめ | 2013年3月15日 | 978-4-15-031102-5 |
26 | 黄金の盾 | 円城寺忍 | 2014年12月25日 | 978-4-15-031177-3 |
27 | サリア遊廓の聖女 | 円城寺忍 | 2023年3月25日 | 1巻:978-4-15-031544-3 |
2023年4月25日 | 2巻:978-4-15-031545-0 | |||
2023年5月25日 | 3巻:978-4-15-031546-7 |
栗本薫の晩年の言葉を受けた今岡清が発起した栗本薫の手によらない「グイン・サーガ」を世に出すプロジェクトによる作品。
第1期(1巻から4巻)は外伝3本の連載とグインサーガに関連する栗本薫作品、日記抜粋などを掲載していた。
第2期(5巻から8巻)は本伝の続編が連載されている。
期 | タイトル | 発行日付 | ISBN |
---|---|---|---|
1 | グイン・サーガ・ワールド1 | 2011年5月15日 | 978-4-15-031032-5 |
グイン・サーガ・ワールド2 | 2011年8月15日 | 978-4-15-031043-1 | |
グイン・サーガ・ワールド3 | 2011年11月15日 | 978-4-15-031049-3 | |
グイン・サーガ・ワールド4 | 2012年2月15日 | 978-4-15-031056-1 | |
2 | グイン・サーガ・ワールド5 | 2012年9月15日 | 978-4-15-031081-3 |
グイン・サーガ・ワールド6 | 2012年12月15日 | 978-4-15-031089-9 | |
グイン・サーガ・ワールド7 | 2013年3月15日 | 978-4-15-031101-8 | |
グイン・サーガ・ワールド8 | 2013年6月15日 | 978-4-15-031114-8 |
正伝5巻ずつを1冊にまとめて早川書房より発売された単行本シリーズ。
タイトル | 発行日付 | ISBN |
---|---|---|
愛蔵版グイン・サーガI | 1989年9月30日 | 4-15-203410-6 |
限定版グイン・サーガI | 4-15-203411-4 | |
愛蔵版グイン・サーガII | 1990年10月31日 | 4-15-203451-3 |
限定版グイン・サーガII | 4-15-203452-1 | |
愛蔵版グイン・サーガIII | 1991年11月30日 | 4-15-203497-1 |
愛蔵版グイン・サーガIV | 1993年2月28日 | 4-15-203550-1 |
シリーズ開幕30周年とアニメ化を記念し、正伝2巻ずつを1冊にまとめて早川書房より発売された新書シリーズ。
タイトル | 発行日付 | ISBN |
---|---|---|
グイン・サーガI 豹頭 | 2009年3月15日 | 978-4-15-209008-9 |
グイン・サーガII 虜囚 | 978-4-15-209009-6 | |
グイン・サーガIII 辺境 | 2009年4月15日 | 978-4-15-209021-8 |
グイン・サーガIV 望郷 | 978-4-15-209022-5 | |
グイン・サーガV 紅蓮 | 2009年5月15日 | 978-4-15-209026-3 |
グイン・サーガVI 密使 | 978-4-15-209027-0 | |
グイン・サーガVII 復讐 | 2009年6月15日 | 978-4-15-209040-9 |
グイン・サーガVIII 帰還 | 978-4-15-209041-6 |
作者の個人事務所である「天狼プロダクション」発行の、同性愛をモチーフとする作品を収めた個人誌「天狼叢書」に、番外編として以下のものが収められている。
以下の作者の個人同人誌に、いくつかの番外編が収められている。
グイン・サーガのストーリーをもととして、映画のサウンドトラック風に音楽化した作品。全て日本コロムビアより発売。
作曲・編曲は淡海悟郎。『グラフィティ』の1曲を栗本薫、『炎の群像』の全曲を中島梓が作詞している。また『炎の群像』の一部楽曲は中島梓の作曲による。
タイトル | 収録曲 | 演奏 | 発売日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
辺境篇 |
|
淡海悟郎&ビッグ・マウス | 1983年10月21日 | 正伝1 - 5巻のストーリーを音楽化。 |
陰謀篇 |
|
1984年9月21日 | 正伝6 - 10巻のストーリーを音楽化。 | |
戦乱篇 |
|
淡海悟郎&ビッグ・マウスwith大魔道管弦楽団 | 1985年3月21日 | 正伝11 - 16巻のストーリーを音楽化。 |
グラフィティ |
|
1985年12月21日 | 主役級の登場人物8人をテーマとした楽曲が収められている。 「《GUIN》with Panther Head」の作詞は栗本薫。 | |
七人の魔道師 |
|
淡海悟郎と怨霊楽団 | 1986年9月1日 | 外伝1巻のストーリーを音楽化。 |
氷雪の女王/時の封土 |
【DISC I】
【DISC II】
|
LEGEND (DISC I)、淡海悟郎 (DISC II) | 1993年10月21日 | 外伝4、5巻のストーリーを音楽化。2枚組。 |
イリスの石 |
|
淡海悟郎 | 1994年9月21日 | 外伝2巻のストーリーを音楽化。 |
ノスフェラスの嵐 |
|
淡海悟郎 (1 - 5)、LEGEND (6 - 8) | 1995年1月1日 | 正伝19、24巻(第4話)のストーリーを音楽化。 |
ケイロニア篇 |
|
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 | 1995年7月21日 | 正伝17、18、20 - 23巻のストーリーを音楽化。 |
炎の群像 |
|
- | 1995年11月1日 | 1995年上演のミュージカルに使用された楽曲集。 |
光の公女 |
|
淡海悟郎 (3,5,7)、LEGEND (1,2,4,6,8) | 1996年10月1日 | 正伝24、26、27、31巻のストーリーをもとにして、 イシュトヴァーンによるアムネリス救出劇を中心として音楽化。 |
幽霊船 |
|
淡海悟郎 | 1997年5月21日 | 外伝3巻のストーリーを音楽化。 |
1991年1月18日から27日までの10日間に、新宿シアターアプルにて、昼夜合わせて14公演が行われた。
グイン・サーガ50巻記念作品として制作された。正伝第1巻から第16巻を題材としてミュージカル化。モンゴールのパロ占領、レジスタンス等によるモンゴール敗退までを描く。ただし、舞台はパロに限られており、ノスフェラスのエピソードは登場しない。本来、主人公であるはずのグインも、人間で演ずることは不可能であるとして登場していない。
株式会社アールアールジェイより、朗読サイト「kikubon(キクボン)」にて朗読版が2017年4月から発表されている[25]。読み手は下山吉光・浅井晴美[25]。2021年1月現在、正伝7巻までの7冊が配信中。シリーズページと1巻の責任者コメントによると、外伝を含めた全巻の朗読化が予定されているとのこと。
東京(神田)の早川書房1階にある「カフェ クリスティ」では「バー・ロング・グッドバイ」「パブ・シャーロック・ホームズ」「PKD酒場」「カフェ エルキュール・ポアロ」「カフェ アルジャーノンに花束を」「居酒屋グイン亭」など様々なコラボレーションが展開されている[26]。
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