キチチタケ(学名Lactarius chrysorrheus)はベニタケ目ベニタケ科チチタケ属の菌類。これらの種は英語圏ではMilkcapsとして知られている。近年ではYellowdrop Milkcapとして知られている。色は薄い鮭の身のような色。毒をもっており、楢の木と共生する。
この種を最初に定義したのはスウェーデンの近代菌類学の祖であるエリーアス・フリースである。この種の名前となるchrysorrheusのchryso-は古代ギリシャ語で「金色の」を表しており、rheosは「噴き出す」を意味している[1]。英語圏での一般名にはyellow milkcap[2]、yellowdrop milkcapなどと呼ばれている。[3]
この傘は直径3~8cm程度であり、薄い鮭色のような色をしている。荒れた円や帯のように並んだ暗い模様がある。始めは饅頭型であるが、時間と共に扁平型になり、最終的には浅い皿のような形状になっていく。普通は平面であるが、稀に端に裂片のようなものが見られる。端の部分には毛は生えていない。
白く、もみ革の様な表面の柄を持っており、時々、柄の下部が薄くピンク色の平坦な状態になっている。柄は空洞で円筒であり下部は若干膨らんでいる。
ひだは垂生であり、ややピンクがかっている。
胞子紋は乳白色であり、若干鮭色をしている。
これらは初期にはほとんど近い種である。肉は白く、味は辛い。しかし、自ら分泌する豊富な乳液によって色がついていく。この乳は最初は白いが10分から15分ほど空気に晒されていると狐色に近い色に変わっていく。[3]
多くのチチタケ属は色が良く似ている。しかし、多くの白い乳を分泌して狐色に変わっていく種は多いわけではない。
しかしながら、北東アメリカの木材に見られるLactarius maculatipesやLactarius croceusもこの特徴がある。 また、Lactarius vinaceorufescens も北東アメリカで局所的に見られることがある。[4]
これらの種はイギリスでは見つかっていない。若干似たLactarius decipiensという種がイギリスのチェックリスト[5]に乗っているが、この種はキチチタケより小さくシデの木のそばに生える。
キチチタケは夏から秋にかけてみることができる。北半球で多く見られ、ヨーロッパ、北アメリカ、北アフリカなどに見られる。イギリスではカシと共生していることが多い。[6]
Roger Phillips とLamaison[2][3]によると毒性ありとされ、Marcel Bon は食用として記録している。[7]幾つかの毒のあるチチタケ属は食すると主に胃腸などの消化器系に悪影響を与え、深刻な状況になることもある。[8]
分泌している乳液は非常に辛い[2]。
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