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ウマノスズクサ科の種 ウィキペディアから
カンアオイ(寒葵、学名:Asarum nipponicum、シノニム:Heterotropa nipponica、Asarum kooyanum var. nipponicum)は、ウマノスズクサ科カンアオイ属の植物である。研究者によっては Heterotropa 属に含められるが、最新の植物誌(フロラ)では Asarum 属に分類される[5][6]。別名:カントウカンアオイ。 ギフチョウの幼虫の食草としても知られる。
小型の多年草。茎は短く、地面を匍匐する。葉は互生、卵形~卵状楕円形で、先端は鋭頭、基部は深い心形、長さ6-10cm、幅4-7cm、濃緑色で白い斑紋があり、まばらに毛が生える。
花期は秋季(10月 - 11月)で地面に接して咲く。花のように見えるのは花弁ではなく3枚の萼片である。萼片は基部で癒着し萼筒を形成する。萼筒は先がくびれず、直径2cm、長さ1cm程度で、暗紫色、内側に格子状の隆起線がある。萼筒の先端の萼裂片は三角形で萼筒よりも短く、濁った黄色。雄蕊は12本、雌蕊は6本。芳香がある。染色体数は2n=24。
日本固有種。関東地方南部から紀伊半島東部の地域(千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県)に分布し、山地の林下に生育する。
基本種に似るが、つぼみ時に萼裂片が接する基部に明らかなへこみがあり、開花後、萼裂片の縁がうねるこが多い。本州(和歌山県、兵庫県)および四国(香川県、徳島県、高知県)に分布する。佐竹・籾山(1982)では独立種 Heterotropa nankaiensis にしている。絶滅危惧II類(VU)(2017年環境省)。
佐竹・籾山(1982)ではアツミカンアオイ(var. rigescens)およびスズカカンアオイ(var. brachypodion)をカンアオイの変種にしたが、Sugawara(2006)では、アツミカンアオイを独立種 Asarum rigescens に、スズカカンアオイをアツミカンアオイの変種 A. rigescens var. brachypodion としている。
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