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ウィキペディアから
鞄(かばん、英: bag バッグ)は、何かを入れて、閉じてそれを保持したり保管したり運んだりできる、(通常は柔らかな)もの入れのこと[1]。しなやかな素材でできた入れもので、上側に開口部があり、何かを運ぶために使うもの[2]。1人の人間が持ち運んだり、あるいは動かしたりすることのできる範囲の、(概して丈夫な材料でできた)洋風の物入れのこと[3]。ひらがなやカタカナで「かばん」・「カバン」と表記することもあるほか、英語からの借用語として「バッグ」[4]と言ったりカタカナ表記することもある。
以下の説明では「鞄」「かばん」「バッグ」のいずれも使う。
鞄は、基本的には、何かを入れて運ぶための、ひとりで持てる程度の大きさの入れ物である。たいていはそれなりにしなやかな素材でできており、上側に開口部がある。
主となる袋状の収納空間以外にポケットや間仕切りを用いて、整頓し易さや取り出しやすさを工夫してあることが多いが、ポケットや間仕切りが一切無い鞄もある。
大きさも、用途などによってさまざまである。→#鞄の分類・種類
素材は、伝統的には革や布である。20世紀後半以降人工的な素材が用いられることも増えた。→#素材
男性用のバッグ
女性用のバッグ
古代エジプトや古代ギリシアにはすでにカバンがあったという[5]。下に写真を挙げる。
古代に全く言及せずいきなり中世から説明を始め、「鞄、つまり携帯用の、物を入れるための袋類が歴史上に明らかに登場するのは、中世のなかばに、サラセン風を取り入れて登場するオモニエール(fr:Aumônière)という腰帯につるす袋であり、これが袋物や鞄のいわば原型となった[3]。またポシェット(fr:pochette)なども鞄の元型の一種と見なされており、こちらはもともとは十字軍遠征の影響で使われたものであった[3]」と説明する百科事典もある。オモニエールは18世紀までさかんに使われ、19世紀に入ってからは、それまでの素材の皮革やカンバス地に加えて、ズックなどが登場し素材が多様化してゆき、各種の鞄類に分化していった[3]。
(それぞれ五十音順)
#歴史の節を読めば分かるように、鞄の原型はポシェットのように肩にかけるものや、腰帯につけるものであったので、まずそちらから挙げ、その後に登場した手で持つものを最後に挙げる。
素材は一般には、しなやかさ(flexibility)を備えた布や革などである。一方で、古くから籐や竹など固めの植物性素材も使われることがある。
世界各国の大人向けの裁縫教室で、布製の簡素なカバンづくりは入門的な題材の定番のひとつとして扱われていて、日本の裁縫教室でも同様である。日本の小学生の家庭科でもかばん作りが行われる。
鞄を作る産業をかばん製造業と言う。
日本標準産業分類では小分類「206 かばん製造業」、細分類「2061 かばん製造業」となっている[9]。スーツケース,手提かばん,トランク,かかえかばん,ランドセル,肩掛かばん,書類入れ,スポーツ用バッグ,楽器用ケース,化粧用ケース,光学器具用ケース,携帯ラジオ用ケースなどを製造している事業者が該当するという[9]。
世界で鞄を多く輸出している国は、「旅行用品とハンドバッグ travel goods and handbags」という括りの2022年の金額ベースの統計では、国別でいうと中国が圧倒的に多く、次いでフランス、イタリア、ベトナムの順になっている[10]。 フランス、イタリアは1970年代などから若い女性向けのブランド品の鞄の輸出が伸びていた。
日本で特にカバンの製造が多いのは東京、大阪、名古屋、兵庫県豊岡で、これは「四大鞄産地」と呼ばれていて[11]、中でも豊岡が最大級[11]。豊岡はもともと柳行李の生産地だった。
なお、かばん製造業者は中小企業や小規模な店舗が多い。
世界のカバン市場の規模は2024年で538億ドル規模である[12]。カバンの世界市場は毎年 約7% 成長している[12]。
日本に革鞄が導入されたのは、一説には、フランスに滞在していた商人山城屋和助が1873年(明治6年)に持ち帰り、職長森田七が模倣して作ったのが初めてと言われる[13]。
なお、日本では家庭用品品質表示法の適用対象となっており雑貨工業品品質表示規程に定めがある[14]。
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