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筆記具 ウィキペディアから
チョーク(英: chalk, chalk stick)は、対象物に粉状の筆跡を付けて筆記する文房具の一種。黒板に字を書き込んだり、絵を描く事、物品への記入などに用いられる。漢語では白墨[1](はくぼく)、堊筆(あくひつ)と呼ぶ。
学校教材などで用いられるチョークは、炭酸カルシウムや石膏(硫酸カルシウム)を水で練り成型した工業製品である[2]。ホタテ貝殻[3]やカキ殻、卵殻[4]、陶磁器業者から排出される廃型もリサイクル原料として用いられている。
基本は白色だが、赤、青、黄などに着色されたチョークも黒板に使われる。色覚異常者でも色の違いを判別しやすいチョークも販売されている。
チョークは、四角形や三角形、楕円形などさまざまな形が発売されている。日本でも販売されてきたが、今では円形が主流である。さらに、丸石石膏が六角形のチョークを国内で初めて発売しヒットした。現在、国内メーカーで唯一六角形チョークを発売している[5]。
チョークで手指や被服を汚さない、また手荒れ、チョークの折損を防ぐ、短いチョークを有効活用するなどのためにチョークを保持する「チョークホルダー」が用いられることもある。なおチョークの寸法は日本産業規格で長さと最小径が定められているが、製品や時代によっても異なる[6][7]。
黒板への筆記のほか、舗装路などへの筆記・描画にも用いられ、この用途のチョークは英語では特にサイドウォークチョーク(英: sidewalk chalk)と呼ぶ。かつて日本の警察でも駐車違反監視のマーキング用にチョークが用いられていたが、2006年の道路交通法改正に伴いマーキング自体がおこなわれなくなった[8]。
「チョーク」とは本来、原料である白亜を指す。古くはこれは単に顔料として用いられたが、ヨーロッパでは15世紀ごろから棒状あるいは砲弾状に削って画家が用いるようになった[2]。また白亜のほか、赤褐色、黒色、灰色の天然の鉱物が用いられ、これらも画材としてはチョークと総称される。やがて削って用いるのに適した良質な鉱物塊の産出が稀になり、19世紀初頭にかけて画材としてのチョークは、粉末化した白亜に顔料を加えて練り固めるなどして人造されるものが主となった(パステル、コンテ類)[2][9][10]。
現代的な筆記用チョークの始まりとしては、19世紀初頭、イギリスで建築材料に使われる石灰岩で硬いものに線が引けることを発見。また、同時期にフランスで石灰の粉末を焼いてから水に溶いて棒状に固めたものが元祖とされている[7]。これ以外にも、イギリスでは建築材料の石灰岩で硬い物に対して線が書けることが知られていた[7]。
日本では大阪の雑貨商の杉本富一郎が1873年(明治6年)に初めて輸入し、さらに1875年(明治8年)には初の国産白墨を完成させた[7]。さらに、1893年(明治26年)に東京の菊地一貫堂(現在廃業)が学校用チョークの製造販売に乗り出し、文具ルートにチョークを流通させた[11]。学校の授業でチョークが本格的に使用されるようになったのは大正時代といわれている[7]。
チョークには基本的に毒性があるとは考えられていないが、大量に経口摂取すると腹痛や便秘などの症状を引き起こす場合がある[12]。2003年には有毒な鉛を含んだチョークが大手玩具店や百貨店で販売されていた事例もある[13]。
日本産業規格JIS S 6009「白墨」や、欧州指令EN71(CEマーク)、日本玩具協会のSTマークでは有害物質の規制基準を設けている[14]。
また一般にチョーク粉のような難溶性粉塵の吸入は異物反応の原因となる[15]。長期の吸入摂取による肺疾患が疑われる症例報告もあるが、報告数が少なく因果関係は明らかでない[16]。チョークは10マイクロメートル以下の浮遊粉塵(浮遊粒子状物質)を発生させるが、炭酸カルシウム製は硫酸カルシウム製に比べて粒子の比重が大きく飛散が少ない[17]。日本では学校保健安全法に基づく学校環境衛生基準でこうした浮遊粉塵の環境基準を設けている。
現在販売中の主なメーカー
過去に販売していたことがある主なメーカー
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