Loading AI tools
中国内モンゴル自治区の地級市 ウィキペディアから
オルドス市(オルドスし、モンゴル語:ᠣᠷᠳᠣᠰ
ᠬᠣᠲᠠ、転写:Ordos qota、オルドス・ホト、鄂爾多斯市)は中華人民共和国内モンゴル自治区西南部に位置する地級市。黄河が北に大きく屈曲した地点にあたるオルドス高原に位置する。2002年2月26日、イフ・ジョー・アイマク(伊克昭盟)からホト(市)となった。
中華人民共和国 内モンゴル自治区 鄂爾多斯市 | |
---|---|
チンギス・カン陵 | |
旧称:伊克昭盟 | |
内モンゴル自治区の中のオルドス市の位置 | |
簡体字 | 鄂尔多斯 |
繁体字 | 鄂爾多斯 |
拼音 | È'ĕrduōsī |
カタカナ転写 | アーアールドースー |
モンゴル文字 | ᠣᠷᠳᠣᠰ ᠬᠣᠲᠠ |
モンゴル語キリル文字 | Ордос хот |
モンゴル語ローマ字転写 | Ordos qota |
国家 | 中華人民共和国 |
自治区 | 内モンゴル |
行政級別 | 地級市 |
面積 | |
総面積 | 86,752 km² |
人口 | |
総人口(2023) | 222.3 万人 |
市区人口(2023) | 175.8 万人 |
経済 | |
GDP(2023) | 5849.86億元 |
一人あたりGDP | 264,699元 |
電話番号 | 0477 |
郵便番号 | 017000 |
ナンバープレート | 蒙K |
行政区画代碼 | 150600 |
公式ウェブサイト: http://www.ordos.gov.cn/ |
オルドス市の市域は遊牧の好適地であるとともに、モンゴル高原から華北、華北からモンゴル高原に通じる交通上の要衝であり、古くは匈奴と秦・漢が争奪した地帯である。匈奴の呼韓邪単于は、後漢に従いこの地に王庭をおいた。15世紀にモンゴルのオルドス部部が移住してきたため、これにちなんで地名の上でもオルドスと呼ばれるようになった。オルドスはモンゴル語・テュルク語で「宮廷」を意味する「オルド」が語源であり、この集団はモンゴル帝国の始祖チンギス・ハーンの生前の宮廷をチンギスの霊廟として奉祀しており、現在も成吉思汗陵が存在している(ただし、チンギスは密葬されたため、実際の墓ではない。もともと移動式のゲルでチンギスを祀っていたのを変更して、周恩来とウランフの後押しで1956年にできた建物であり、遺骸は棺になく、弓矢や鞍などが祀られてる。しかし、棺を担いだオルドスの扎薩克で中国最後のモンゴル王公である奇忠義は人骨の一部が納められていたとも証言している[4])。
17世紀にオルドス部が清に服属すると、清は盟旗制によりオルドス部に7つの旗を置いてオルドス王家の後裔を各旗の旗長とし、オルドス7旗を1盟(イフ・ジョー盟)とした。
辛亥革命後の1928年、国民政府は綏遠省を置き、イフ・ジョー盟はその南部に吸収された。満州事変後、日本の関東軍の支援を受けて徳王(デムチュクドンロブ)の自治独立運動が起こるとイフ・ジョー盟もこれに加わり、1939年成立の蒙古連合自治政府傘下に入った。国共内戦後、中華人民共和国のもとで最終的に綏遠省が廃止されて行政区として復活し、1956年に内モンゴル自治区に加わった。
招商局(企業誘致局)によると、羊(カシミア)、煤(石炭)、土(カオリン=陶土)、気(天然ガス)、風(風力発電)、光(太陽光発電)を主に産出し、埋蔵されている鉱物資源は50種類を超える[5]。石炭だけで2250億元(約2兆9250億円)の収益がある[5]。2004年から炭鉱用地の収用が始まり、多くの農牧民が多額の補償金を受け取った[5]。
特産の山羊からアルパシ・カシミアが取れ[5]、世界のカシミア製品の4分の1が生産されている[6]。
貧困都市であったが、1990年代から石炭生産に力を入れたことで中国有数の産炭地となり、石炭バブルによって空前の好景気に沸いた[7]。2000年の西部大開発プロジェクトを受けて開発が進み[8]、人口も約30万人から200万近くに急増した。2010年には中国全体ではマカオや香港と並ぶ中国本土で最も1人当たり域内総生産(GDP)が高い都市となった[7]。
2000年代頃から中国景気が活発化し、中国本土や影響を受ける周辺諸国では都市部と内陸部との格差も拡大しつつも、炭鉱山のあったオルドス市は石炭バブルと労働者受け皿としての不動産バブルの恩恵に浴して大変に潤った。しかし、石炭価格の暴落で市内はゴーストタウン化してしまった[9]。
2003年から建設が始まったヒヤバグシ新区(康巴什新区)のような巨大なニュータウンでは、開発と不動産投資が急速に進みすぎ、人の住まない住宅が増えて「世界最大のゴーストタウン」[10]とも呼ばれ、鬼城化は問題視された[11]。
『浙商網・浙江経済報道』の2013年の報道によると、石炭価格の大幅な値下がりにより市内に35ある炭鉱の半数以上が停止しており、市の成長率は内モンゴル最下位にまで落ち込んだと報じられており、1,000億元以上の負債を抱え、不動産市場が崩壊しているオルドス市は危機に瀕しており、中国の地方政府として初の破産に直面していると報じる中国メディアもあった[12]。
自前の石炭による火力発電により、市内は安価な電力供給が維持されていた。2007年頃、世界で仮想通貨の流通が開始された。一部の仮想通貨では信用取引を保証する改ざんの不可逆性を担保するデータの付加が求められており、このデータを得るにはその仮想通貨による全ての取引を参照して計算しなくてはならないため、膨大な計算量を必要とする。しかしボランティア的に行われるこの計算を成功させた者には仮想通貨での報酬が与えられる。この労力に見合う報酬が得られることから、この計算は仮想通貨における「データマイニング」と呼ばれている。
マイニングを行うため、高性能なコンピュータを設置して計算させ、そのための安価な電気代で稼働できる場所探しが世界中で一斉に行われ、安価な電気代を提供していたジョージアのアブハジアなどとともにオルドス市も注目され、バブル崩壊後に再び投資が集中した。北京市に本社を置く世界最大[13]のマイナーであるビットメインは市内の老舗のマイニング施設を買収している[14][15]。仮想通貨の取引は中国では違法だが、採掘活動は売却で得た利益が中国に還元され[16]、世界の7割超を中国が占めて市場を支配していることから、暫く中国政府に容認されていた[17]。
しかし、こうした地域での電力インフラの多くは脆弱であり、また投資により一気増える負荷に対応できないなどの理由や、違法取締の強化の目的で2017年頃までに徐々にマイニングマシンへの税的優遇の廃止や電力供給の停止など規制が強まっている。このため国内マイニング業者は海外移転を進めており、オルドス市も例外ではなくなっている[18]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.