イタチタケ

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イタチタケ


イタチタケ(鼬茸[2]学名: Candolleomyces candolleanus)は、ナヨタケ科[注 1] Candolleomyces 属に属する小型から中型のキノコ菌類)の一種。森で見られる傘が黄色のキノコで、世界中で見られる。広葉樹の切り株や枯れ木に発生する。

概要 イタチタケ, 分類 ...
イタチタケ
Candolleomyces candolleanus
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : ハラタケ亜門 Agarucomycotina
: ハラタケ綱 Agaricomycetes
亜綱 : ハラタケ亜綱 Agaricomycetidae
: ハラタケ目 Agaricales
: ナヨタケ科 Psathyrellaceae
: (和名なし) Candolleomyces
: イタチタケ C. candolleanus
学名
Candolleomyces candolleanus (Fr.) D. Wächt. & A. Melzer (2020)[1]
シノニム
和名
イタチタケ(鼬茸)
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名称

和名は、「」の漢字を与えているが、イタチタケの語源に語源についてはよくわかっていない[4]種小名 candolleanus19世紀スイス菌学ドゥ・カンドルにちなむ[5]

地方名は、下のようなものがある[2]

分布・生態

世界の広葉樹林の朽ちた倒木に分布する[5]

木材腐朽菌[5][6][7]腐生菌[3])。初夏(梅雨ごろ)から秋(中秋)にかけて、ナラコナラクヌギなどの広葉樹林の林内地上や、枯幹、材上や切り株腐木、公園などの切り株に散生か群生する[4][2]

形態

子実体は、からなる。傘は径3 - 7センチメートル (cm) [5]。傘の形は若い時期は卵形から鐘形だが、生長すると中央が中高の扁平になる[6][4]。傘表面は湿ると、淡黄褐色でなめらかで条線がある[5][2]。乾燥すると、放射状に裂けやすく、表面は白っぽい淡褐色で、微細なささくれ状から平滑[6][2]。縁に白色の被膜をつけるが、落ちてなくなりやすい[2]

傘の裏のヒダははじめ白色で淡紅色を帯び、柄に対して直生または湾生していて、密に配列する[4]胞子ができて老成するとひだは帯紫褐色になる[6]。若いうちは傘が開くにつれ白色の被膜が傘の縁に付着し、しばらく経過すると、白い毛が傘の縁に付着しているような外見となる[7][5]。胞子は暗紫褐色[7]

柄は長さ4 - 8 cm、白色で脆く、表面がささくれていて上部は粉状[4][2]。中空で細長く、上下同大か下方に向かって太くなる[5][2]。柄につばをつけることはない[7]

イタチタケを含むナヨタケ属は、胞子紋が暗紫褐色から黒色であるという特徴がある[2]

利用

ヒダが白い若いキノコを食用にすることがあるが[3][2]、傘の裏が黒くなった老菌は食用に適さない[4]。また、毒成分を含むので食べない方が良いという意見もある[2]。肉は薄くて脆いので、食べるときは丁寧に扱って調理する[3]汁物炒め物(バター炒め)、鍋物、鉄板焼き、お好み焼きの具などにするとよい[6][4]。柄の太いものを選ぶとよいが、これは薄くもろく壊れやすいためである[7][6]。ただし、毒成分のシロシビン類があり、頭痛、悪寒、平衡感覚の喪失、めまい、血圧降下、幻覚、精神錯乱、暴力など、中枢神経系の中毒を起こす[8]

脚注

参考文献

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