アスラン、アスラーン、アルスラン、アルスラーン
テュルク諸語由来
- オスマン語ではアルスラーン (ارسلان, arslān) あるいはアスラーン (اصلان, aṣlān)
- 現代トルコ語ではアスラン (aslan)
- 現代ペルシア語ではアルサラーン (ارسلان, arsalān)
- 現代モンゴル語ではアルスラン (Арслан, arslan)
人名
古くはセルジューク朝などの君主の名称として用いられ、現在でもトルコ人やイラン人などの男性名によく見られる。(テュルクも参照)
またユダヤ教ではヤコブ(イスラエル)の子ユダの別名が獅子であり、その一族(ユダ族)の象徴であったため、現代でもユダヤ人の間ではヘブライ語で獅子を意味するアリエ (אריה, Aryeh)が男性名として使われているが、トルコ系ユダヤ人やエジプト系ユダヤ人はトルコ語のアスラン(ヘブライ文字表記:אסלאן, Aslan)を使用することが多い。(ユダの獅子も参照)
- アルスラーン・イスラーイール - セルジュークの子。
- アルプ・アルスラーン - 大セルジューク朝の第2代スルターン。
- アルスラーン・シャー - イラク・セルジューク朝の第8代君主。
- アルプ・アルスラーン (シリア・セルジューク朝) - シリア・セルジューク朝・アレッポの第2代君主。
- アルスラーン・シャー1世 - ケルマーン・セルジューク朝の第7代君主。
- アルスラーン・シャー2世 - ケルマーン・セルジューク朝の第12代君主。
- クルチ・アルスラーン1世 - ルーム・セルジューク朝の第2代君主。
- クルチ・アルスラーン2世 - ルーム・セルジューク朝の第5代君主。
- クルチ・アルスラーン3世 - ルーム・セルジューク朝の第8代君主。
- クルチ・アルスラーン4世 - ルーム・セルジューク朝の第14代君主。
- カラ・アルスラーン - アルトゥク朝の君主。
- イル・アルスラン - ホラズム・シャー朝の第4代君主。
- アルプ・アルスラーン (カシモフ・ハン国) - カシモフ・ハン国の第13代ハン。
- ベグ・アルスラン - 北元の部族長。
- ミハイ・アスラーン - ルーマニアの軍人。少将。
- アントニア・アルスラン - イタリアの小説家。
- アスラン・マスハドフ - チェチェン独立派の最高指導者。
- アスラン・アバシゼ - アジャリア自治共和国の元指導者。
- フィラット・アルスラン - ドイツのプロボクサー。
- シャキーブ・アルスラーン - レバノンの思想家・政治家・詩人・ジャーナリスト・歴史家
- アルスラン (アスト部) - モンゴル高原のアスト部出身で13世紀末にモンゴル帝国に仕えている。かつてはアス人の領主であった
- Arslan Ash - パキスタンのプロゲーマー。
その他
フィクション
- アスラン (ナルニア国ものがたり) - イギリスの作家C・S・ルイスの小説『ナルニア国ものがたり』の登場キャラクター。ナルニア国ものがたりに登場する人物一覧#ナルニア世界の人々を参照。
- アスラン - 篠原千絵の漫画『天は赤い河のほとり』の主人公、ユーリ・イシュタル(鈴木夕梨)の愛馬である黒馬。
- アルプ・アスラン・タネル - 篠原千絵の漫画『暁に立つライオン』の登場人物。
- パシャ・サジク・アルスラン、パシャ・ムラート・アルスラン - 漫画『ツーリング・エクスプレスEuro』の登場人物。
- アルスラーン - 田中芳樹の小説・漫画・アニメ『アルスラーン戦記』の主人公。アルスラーン戦記の登場人物#パルスを参照。
- アスラン・ザラ - テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』及び『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の登場人物で、もう1人の主人公。
- アスラン=サリード - 曽祢まさこの漫画『ふたりめの神話』の登場人物。
- アスラン - GDWより発売されたゲーム『トラベラー』に登場する、猫科の動物を直立歩行させたような外見の異星種族及びその帝国。
- アスラン王国 - 新谷かおるの漫画『エリア88』の舞台となる中東の架空の国。
- アスラーン - 永井豪の漫画『デビルマンサーガ』で、阿修羅王(竜アスカ)を主とする阿修羅界にあるアスラの都。
- アスラン・グレイオール・ユーリー・ダ・ロロド - 髙橋美由紀の漫画『9番目のムサシ Ghost & Gray』の登場人物。ロロド王国の皇太子。
- アスラン=BBⅡ世 - 『アイドルマスターSideM』に登場するアイドル。
アラビア語との関連
人名アスランが「アスラン (عَصْرًا, ʿaṣran)は、現代アラビア語で「昼下がりに、午後に」という意味である」「人名アスランはアラビア語で夜明け、暁」と説明されることがあるが、これは誤りであり不正確な情報となっている。「昼下がりに、午後に」という副詞的対格のアスランはカタカナにした際に人名アスランと同じになるだけで原語では違うアルファベットを用いたつづりとなっており、アスランという人名の由来としても無関係である。
アラビア語圏で用いられているこの種の人名はトルコ語から輸入された外来人名で、أَرْسَلَان(ʾArsalān, アルサラーン)が用いられている。一方アスランに対応している男性名については外来人名 أَصْلَان(ʾAṣlān, アスラーン)があり元になったオスマン語・トルコ語同様「ライオン、獅子」の意味があるが、アスラーンに関しては人名辞典に掲載されていないことが多い。
なお、アラビア語で「夜明け、暁」という意味の男性名は فَجْر(Fajr, ファジュル)である。
ヘブライ語との関連
「アスランはヘブライ語で明け方(夜明け、暁)あるいは朝を意味する」と説明されている事例が見られるが、誤情報である「アスランはヘブライ語で暁」説の出典とされる本の解説・あとがきにも「アスランはトルコ語でライオンを意味する」と記されている。
- アスラン (Aslan) - 吉田秋生の漫画『BANANA FISH』の主人公アッシュの本名。ある本の夜明けの意味を拝借したもので古代ヘブライという意味ではないと考えられる。
- Asrun Dream - Gacktの楽曲。
- アスラン・ザラ (Athrun Zala) - 日本のテレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』及び『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の人物。
「アスラン」の名前がヘブライ語で『暁』由来とされる説は監督が発言するより前からあり、アニメ開始時からSNSなどで話題になっていたものの一つである。他にも「アスラン」はサンスクリット語で 『迷う者』『定められない者』。古代ケルト語では『裏切り』 という意味を持っているとされている。
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