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日立グループのCMソング、そのCMに登場する大樹 ウィキペディアから
日立の樹(ひたちのき)は、日立製作所をはじめとする日立グループを代表するコマーシャルソング(CMソング)および、同曲を使用したテレビCMに登場する大樹の通称である。
本項では、テレビCM、CMソングおよびCMに登場する大樹についてそれぞれ記述する。
以前に使用していた「日立のうた-H.I.T.A.C.H.I.日立」(フォー・コインズ、スリー・グレイセス歌唱。作詞・峠三四郎、作曲・越部信義)に代わる形で、1973年以来、「日立の樹」を使用した日立グループのテレビCMが放送されている。このCMは日立グループ提供番組限定で放送されており、「日立グループの総合力と成長性、事業の幅広さ、力強さ[1]」をイメージする大樹の映像をバックに、日立グループ各社の企業名を表示させるものとなっている(企業名の表示方法などについては後述)。また日立グループでは、CMに登場する大樹そのものも『日立の樹』と称している(詳細は後述)。
このCMが誕生したきっかけは、日本テレビ系で放送されていた『日立ドキュメンタリー すばらしい世界旅行』(1966年10月放送開始)が1972年に日立製作所一社提供から日立グループ25社の共同提供に移行する際、「コンピューター技術が大樹のように大地に根を伸ばし、その技術がいろいろな花を咲かせ、実を結ぶ」というグループのコンセプトに合致したCMとして制作された[2]。
1975年4月から1997年9月までの22年6か月間に亘り、日曜19:30 - 20:00枠のエンディングで放送されていた為、『笑点』や『サザエさん』などと列ぶ日曜日の終わりの象徴として言及されることもある(→サザエさん症候群)。
なお、2009年4月21日に日立グループ内の企業による不祥事[注 1]の影響により同日以降の放送が暫くの間休止となり、公共広告機構(現在:ACジャパン)のCMに差し替えられていた。
2024年3月に全国ネットで日立一社提供だった『日立 世界・ふしぎ発見!』が番組終了、ローカル番組の『Rising Reysol』も同時期に日立の樹のCMを終了し、日立の樹のCMを流すレギュラー番組は消滅した。
以下に示す各番組は「日立グループ」名義の提供となっているが、「日立の樹」CM以外は原則として日立製作所本社のCMが放送される。
以下の番組情報は、2024年4月現在のものである。
日立グループの企業数はあまりにも多く(連結子会社でも900社超、持分法適用会社まで含めれば1000社を超える)、1度のCM放映では全てを網羅し切れないため、パターン分けによってカバーしている。また、第7代CMの時期は最後に「日立グループN社(国内N社 海外N社)」と途中まで表示していたが[注 15]、1999年10月から廃止されており、従来通りの表示に戻された。
他社との合弁企業(ルネサスエレクトロニクス、エルピーダメモリ(現在:マイクロンメモリジャパン)、三菱日立ホームエレベーター、日立GEニュークリア・エナジー、三菱日立製鉄機械(現在:プライメタルズ テクノロジーズ)、三菱日立パワーシステムズ(現在:三菱パワー)、ジョンソンコントロールズ日立空調、など)は表示されていなかったが、2019年12月現在のCMには日立GEニュークリア・エナジーが筆頭に表示されている。
日立の樹オンラインの「日立グループ会社の紹介」ではCMで表示されている社名を見ることができる。
歌い出しに由来する『この木なんの木』の別名でも知られる。2005年から現行のバージョンは第9代(楽曲のアレンジとしては第3代)。以前のバージョンは公式サイトである「日立の樹オンライン」で見ることができる[注 16]。
日立グループをイメージする楽曲として日立グループ提供のテレビ番組のCMソングとして使用され、イベント等のパレードに日立が参加する際にも使用される。愛・地球博の日立グループ館の紹介映像にもこの曲が使われた。日立が広告を出している大阪市の通天閣でも毎日正午にこの楽曲が流れるほか、同社の山手工場・臨海工場・旧多賀工場(現在:日立グローバルライフソリューションズ多賀事業所)(いずれも茨城県日立市)などの事業所においても、昼休み等に流している場所がある。日立のカスタマーサポート窓口に電話で問い合わせた際には、保留音としてこの楽曲が流れる。
この曲は1972年にCMが制作される際に小林亜星に作曲を委嘱し、作詞は小林の紹介により伊藤アキラに委嘱して制作されたものであるが、伊藤にCMに用いる木のイラストを見せて、楽曲のイメージを伝えた際、伊藤が「この木は、なんという木ですか?」「どんな木なのですか?」「どこにあるのですか?」と質問したのに対し、スタッフは「わかりません」「知りません」とばかり答えた。当時イメージにマッチした木が見つからなかったため、アニメーションで描かれた木が用いられることとなっており、そのモデルとなる実在の木もなかったのである。このときのやり取りから、「この木なんの木」で始まる特徴的な歌詞が生まれたという[2]。
1989年10月21日にはCM曲の刷新にあわせて日本コロムビア[注 17]からシングルCDとしても発売された。一時期、日立製のau携帯電話に着信メロディ(着メロ)として収録されていたこともあった[注 18]。
2007年2月21日には第9代CMの歌手であるINSPiの歌唱による着うたの配信が開始された[5]。INSPi版の着うた売上は同年4月時点で5万ダウンロードを突破している[6]。
なお、メインスポンサーが日立製作所であるJリーグ・柏レイソルのサポーターは試合前にこの曲を歌うことがある。この際、サポーターは「スポンサーへの感謝の意」として日立マークなどが入ったゲートフラッグを掲示する。日立もCMの終わりにレイソルのスポンサーであることを示すテロップを表示している(後述)。
この曲とは別に日立製作所の社歌も存在する[7](都市対抗野球大会に日立製作所硬式野球部が出場したときに、応援団が社歌を歌う)。
日立製作所創業地の茨城県日立市にある明秀学園日立高等学校は高校野球の応援テーマとして本曲を使用している[8][9]。
歌詞・楽譜や歴代CMの動画は、外部リンクの「日立の樹オンライン」を参照。
テレビCMでは時間枠が決められており、CMソングを制作する際はその要請に応じてフルサイズとは別にそれぞれの時間に対応したTV用の音源が用意される。「日立の樹」も例外ではない。
「日立の樹」の歌詞には様々な形態があるが、公式サイトには4コーラスからなる形がフルコーラスとして提示されており、ここでは各コーラスの歌詞の配列はこれに準拠する。
オリジナルの「日立の樹」は1973年4月24日に録音され、第1代CMには4番のみの30秒用、第2代CMから第6代CMまでは1番、2番、4番からなる60秒用の音源が使用された。
第7代CM・第8代CMではBメロやサビ、間奏などを含んだ新録音のフルサイズ音源からイントロと1番・3番・2番(繰り返し)に相当する部分、そしてコーダの末尾をそれぞれ抜き出して編集したものをTV用音源とした。現在のCMで間奏部分が聴けるものは存在しない。
第9代CMは歌詞が16年ぶりにオリジナルの60秒用の形態(PC用、「樹と光編」は途中まで)に回帰したが、途中から「樹と光編」でも「虹編」で使用されている1番・2番・4番(繰り返し)からなる60秒用のTV用音源が使用される。
ちなみに、カラオケで歌うことが出来るのはフルサイズバージョンであり、間奏も入っている。
歌詞・楽譜や歴代CMの動画は、外部リンクの「日立の樹オンライン」を参照。
日立グループでは、CMに登場する大樹のことも『日立の樹』と称している。長期に渡って使用されているモンキーポッドが有名だが、上述の通り1973年の第1代CMでは映像にアニメーションが採用されていたほか、別の木をあしらったCMが存在する。
最も有名な『日立の樹』は、ハワイ・オアフ島にあるモンキーポッドの大樹であり、1975年の第2代CMで用いられた後、マンゴーの木等に変更されたが、その後も視聴者の要望で1984年の第6代CM以降は一貫してこのモンキーポッドが使用されている[13]。この木は、ワイキキから車で30分ほどのダニエル・K・イノウエ国際空港に程近いモアナルア・ガーデンという公園にある。同公園には『日立の樹』と同種の木が多数ある。
2006年現在、ジョン・フィリップ・ダモンの個人所有地だが、無料開放され、CMの撮影場所やハワイの観光名所としてツアー客等が訪れる。2007年にも身売りないし州政府に移管される計画があったが、いまや日立のイメージブランドにもなっていることから、日立が公園を管理する地元企業と年間約40万ドル(約4800万円)で営業目的での独占的撮影権を締結した。しかし、公園に関わる費用は年間60万USドルに上り、日立製作所からの収入を上回るとみられている[14]。2009年には、増収も兼ねて日本人観光客向けの売店ができた。
この木は広大な土地に立つ一つの大樹に見えるが、実際には高速道路に面したそれほど広くない公園内にあり、ほとんど似た形状の複数の木の中の一本でありどれがCMの木か探すのに苦労する。CMの木にはゴミ箱が置かれていないため、それで区別ができる。CM撮影時には高速道路が写らないよう、また孤高の1本に見えるアングルを探して収録が行われた。
なお、日立の樹事務局によると歴代の大樹[注 20]の正確な場所は現在では不明とのこと[15]。
CM以外でテレビに登場することはほとんどないが、2010年10月23日に放送された『日立 世界・ふしぎ発見!』の25周年スペシャルでは、出演者一同がモアナルア・ガーデンを訪れ、日立の樹の前で番組撮影を行った。
モンキーポッドとは、猿がその実を好んで食べることから付いた名。podはえんどう豆などの「さや」の意味を表す英語である。ネムノキに似た花をつけ、ネムノキ同様に光によって葉が閉じたり開いたりするため俗にアメリカネムとも呼ばれる(モンキーポッドはマメ科サマネア属、ネムノキはマメ科ネムノキ属)。主な産地は中南米、西インド諸島など。日の陰る雨降りの日には葉が閉じることから、レインツリー(雨降りの木)の異名がある。
日本でも栽培キットの入手が可能である。日立チェーンストールでフェアが開催された際、栽培キットが販促品としてプレゼントされたこともあった。
ハワイのモンキーポッドの、裾を広げた独特のシルエットは、日立グループとしてのイメージ画像として用いられる例が複数ある。
現在、日立の製品CMでは、最後に流れる「Inspire the Next」サウンドロゴをバックに『日立の樹』のイメージ画像が登場する。
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