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1954-, 小説家、児童文学作家。 ウィキペディアから
あさの あつこ(本名・浅野 敦子[1]、1954年9月14日 - )は、日本の小説家、児童文学作家。小説『バッテリー』(1996年 - 2005年)はのべ1000万部を超えるベストセラーを記録したほか、野間児童文芸賞、日本児童文学者協会賞などを受賞。日本児童文学者協会会員。
10代の少年少女が悩み、成長する姿を描く作品に定評があり、幅広い年齢層に支持される。中学野球が舞台の『バッテリー』のほか、『NO.6』(2003年 - 2011年)『ガールズ・ブルー』(2003年 - 2008年)など多数の人気シリーズがある。
岡山県英田郡美作町(現:美作市)湯郷出身。父は税理士、母は高校教師[2]。 幼児から小学生まで、旧旅館経営で食堂をしていた母方の祖母に姉弟3人ともに世話され[3]、山川で遊ぶ[4]。祖母の食堂を手伝い、温泉街のさまざまの人と触れ合う[2]。図書館もないところだったが、祖母に漫画を貸本屋で借りてもらい読んだことがきっかけで漫画ファンとなり、すぐに自分で小遣いをつぎ込み借りる。漫画雑誌も買うようになる。漫画家を志望するが、絵の才能がなく12歳で諦める[5]。
学校の図書室には本があまりなく、司書もいなかった。家には岩波書店少年少女文学全集があったが未読[5]、しかし他にもたくさんの本があったので、書物に触れることができた[6]。中学1年生のとき、「シャーロック・ホームズシリーズ」の『バスカヴィル家の犬』などを読んで小説の面白さを知る。次にアガサ・クリスティを読む。そしてエラリー・クイーンに没頭し全作品を読む。同時期にフィクション日記をつけ始める[4]。 中学2、3年生のころから誰にも言えないまま作家を志し、その気持ちは消えることなく続いた[3]。
岡山県立林野高等学校[7] 在学中から詩などを大学ノート2冊くらいに書く[8]。高校2年生で、初作で約30枚の習作『マグナード氏の妻』を書き上げ国語の授業の課題で提出し、先生に「お前の書く文章が好きだ」と言われ多くの感想を書いてくれた。初めて認められたと思い[9]、書きたい気持ちを大切にしたいと思った[2]。作家としてのきっかけを掴むため東京の青山学院大学文学部に進学[10]。学校教員ならまとまった休暇を執筆に当てられると思ってのことでもあった[8]。
大学時代に児童文学サークルに入る。大学時代に自信作1篇の習作を書く[11]。卒業後、岡山市の[12]小学校の臨時教師となるが、多忙で小説は書けず、さらに子どもたちと本気で向かい合うことが難しく、3年間で退職する[2][注釈 1]。
その後、姉の同級生の[2]歯科医と結婚し、旧・美作町で歯科医院を開業。医院受付と医院事務と子育てをした。長男と次男が小学校に入学し、次に末娘が保育園に入って平日昼2、3時間の自由時間ができた時に36歳で、大学時代に指導を受けた作家で主宰の後藤竜二に誘われ、日本同人協会「季節風」の同人となる。「季節風」に連載した『ほたる館物語』が認められ、37歳で作家デビューする。著者見本で本が届いたときは夢のようで、本を持ち部屋中を飛び回り泣いて喜んだ。「これで死んでもいい」と思った。夫はその姿を見て「趣味で小説を書いていたのではなく、作家を目指していたことを初めて知った」と言った。その日は本を抱いたまま寝た[3][13][14]。
1997年、『バッテリー』で野間児童文芸賞を受賞する。幅広い世代の支持を得て児童文学としては異例の1000万部ベストセラーになる。1999年、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞を受賞する。2005年、『バッテリー』全6巻で小学館児童出版文化賞を受賞する。子育て中に読んだ『橋ものがたり』をきっかけに藤沢周平に魅せられて、『弥勒の月』『夜叉桜』などの時代小説も書いている[3]。
2010年7月、「季節風」代表の後藤竜二の急逝に伴い、後継の代表に選任と総会承認され、2年間の任期後再任され、継続していたが[15][16]、2017年度までには代表を降り[17]、2019年度までには幹事も降板した[18]。2011年、『たまゆら』で島清恋愛文学賞受賞。2024年、「弥勒」(光文社)、「おいち不思議がたり」(PHP研究所)、「闇医者おゑん秘録帖」(中央公論新社)の各シリーズで第13回日本歴史時代作家協会シリーズ賞を受賞[19]。
「」内があさのあつこの作品
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