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M3 37mm砲は、第二次世界大戦でアメリカ軍が使用していた対戦車砲である。アメリカ軍の最初の対戦車砲でもある。
M3 37 mm砲は、1930年代に対戦車砲として設計された。アメリカ軍は1930年代、対戦車砲を装備していなかった(それまでM1916 37 mm歩兵砲を使用していた)が、スペイン内戦でのドイツ軍の37 mm対戦車砲の成果を見て、開発に乗り出した。
開発に当たり、参考として、仏オチキス 25 mm対戦車砲と独ラインメタル 37 mm対戦車砲を米国に取り寄せて、1935~37年に試験を行なっている。仏独の対戦車砲より、米国の新型砲の貫通威力が優位であることが確認(砲口初速2,600 ft/s)され、戦車砲としても流用されることになった。
1940年から生産が始まり、1943年までに、約18,000門が生産された。
第二次世界大戦では北アフリカ戦線やイタリア戦線に投入された。37 mm口径の対戦車砲としては砲弾重量が重く、砲弾の初速も高く、優秀な貫通性能を持っていたが、ドイツ戦車の装甲強化についていけず、装甲を撃ち抜けない「ドアノッカー」と化してしまった。このため、1943年には生産が終了し、後継にイギリス製オードナンス QF 6ポンド砲をライセンス生産したM1 57 mm砲が新たに配備された。
太平洋戦域では、日本軍の戦車は防御力でドイツ戦車に大きく見劣りしたため終戦まで使用が続けられており、対戦車戦闘だけでなく榴弾やM2 キャニスター弾を用いての火力支援にも使用された。
島での戦闘では、5人程度の人力で移動できる軽量な37 mm砲は便利で、キャニスター弾を用いた大型ショットガンとして直接射撃に多用され、日本軍の突撃を破砕したり、射線を遮るジャングルの下生えを刈り取るのにも使われている。
日本軍は、フィリピンで鹵獲した米国製三十七粍対戦車砲(おそらくM1916 37 mm歩兵砲も混ざっている)の内、M3 37 mm砲のことを「ラインメタル式」と呼んだ。
M3 37mm砲は戦車砲としても使用されており、短砲身化されたM5(50口径)と従来の砲身長のM6(53.5口径)がある。
車載砲としても多くの車輛に搭載された。
M3は、37x223mmR弾薬を使用していた。
Available ammunition | |||||
種類 | 型番 | 重量, kg(round/projectile) | 内容物 | 初速, m/s(M3&M6/M5) | |
徹甲弾 | M74徹甲弾 | 1.51/0.87 | - | 884/870 | |
APCBC-T | APC M51 Shot | 1.58/0.87 | - | 884/870 | |
榴弾 | M63榴弾 | 1.42/0.73 | TNT, 39g | 792 / 782 | |
榴弾 | HE Mk II Shell | 1.23/0.56 | |||
キャニスター弾 | M2 キャニスター弾 | 1.58/0.88 | 122発の散弾 | 762/752 | |
曳光弾 | TP M51 Shot | 1.54/0.87 | - | ||
擬製弾(APC M51と同形状) | Drill Cartridge M13 | 1.45/0.87 | - | - | |
擬製弾(HE M63と同形状) | Drill Cartridge T5 | 1.45/0.73 | - | - | |
空砲 | Blank Cartridge 10-gage with adapter M2 | 0.93/- | - | - |
装甲貫通力一覧表, M3または M6 | ||||
弾種(命中角度) | 500yd/457m | 1,000yd/914m | 1,500yd/1,371m | 2,000yd/1,828m |
M74徹甲弾(0°) | 36 | |||
M74徹甲弾(20°) | 25 | |||
APC M51弾(0°) | 61 | |||
APC M51弾(20°) | 53 | |||
APC M51弾(30°, 圧延装甲) | 53 | 46 | 40 | 35 |
APC M51弾(30°, 表面硬化装甲) | 46 | 40 | 38 | 33 |
註:装甲に対する貫通力の試験基準・方法は各国や時代によって異なるため、他の砲と単純に比較することはできない。 |
M5の貫通力は、どの距離でもおおむね3mmずつ低かった。
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