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Lunascape(ルナスケープ)は、近藤秀和を中心として、G.U.Group株式会社によって開発・提供が行われている、Windows上で動作するウェブブラウザ。スマートフォン向けにはLunascape for Mobile(旧 iLunascape)という名称で公開されている。
近藤秀和が個人で開発したIEのお気に入り管理機能を強化するソフトを改良し、Internet Explorerのコンポーネントを利用するタブブラウザとして開発されたのがきっかけである[2][3][4]。同種のブラウザにはSleipnirなどが挙げられる。
お気に入り管理ソフトの派生であったため、[要出典]初期のバージョンではIEコンポーネントのブラウジング機能に加えてIEよりも柔軟なお気に入り管理機能が特徴のブラウザであった[2]。しかし、2005年よりIE用のアドオンをLunascape用アドオンとして使用する[5][6]という、他のIEコンポーネントブラウザでは殆ど見られなかった[要出典]機能が追加され、開発は独自の方向性へと向かい始める。更に同時期よりレンダリングエンジンを切り替えてウェブ閲覧を行う[7]機能の開発と実装も進められ、2009年以降はTrident、Gecko、WebKitと言う三種のエンジンを切り替えながら使える[8]ことも他のブラウザにはない特徴となっている[要出典]。
Lunascapeは、Tridentだけでなく、GeckoやWebKitといった複数のブラウザエンジンを利用できることが大きな特徴となっている。
各ブラウザエンジンはメインで使用することも想定して開発が進められており、MozillaやAppleによりブラウザエンジンのアップデートが公開された場合、Lunascapeも追随してブラウザエンジンをアップデートする方式が取られている。
Lunascapeは基本的にTridentエンジンに依存するブラウザであり、初期状態では標準で選択されている。Lunascapeの初期バージョンはTridentエンジンのみが使用可能な、単なるIEコンポーネントのブラウザであった[2]。
Lunascapeの歴史の中でGeckoエンジンへの対応は早く、2005年に公開されたバージョン2.0より利用可能になっている。その後2009年に公開されたバージョン6.0よりFirefoxベースとなり、Firefox用の拡張機能にも対応した[11]。拡張機能はFirefoxと同様にアドオンマネージャから管理できるようになっている。単純な閲覧機能の拡張機能のみならず、ツールバー、サイドバー、ステータスバーを使用する拡張機能にも対応している[12]。
WebKitエンジンへの切り替え機能は2009年に公開されたバージョン5.0より搭載された[8]。2004年時点で開発者の近藤により構想自体は語られていたが[13]、正式公開版への搭載には5年の月日を費やした形となる。TridentやGeckoのような機能拡張には対応していないが、セキュリティの切り替えなど基本的な機能は他のエンジンと変わらない。また、WebKit独自の機能としてSafariと同等のWebページのデバッグツールが利用できるようになっている。
Windowsの開発元であるマイクロソフトは、Windowsに同梱されるソフトウェアなどに関して、しばしば競合社から競争法(日本の独占禁止法に当たる)で訴えられている(マイクロソフトの欧州連合における競争法違反事件の項目も参照)。
欧州委員会により、2009年にはウェブブラウザに関しての調査が行われた。この問題は、マイクロソフトがIEに代わるブラウザを提示することで問題は決着しており[14]、その後にWindows 7に対して地域ごとのブラウザの市場シェアに応じたブラウザ選択機能「Browser Choice更新プログラム」が配信された[15][16][17]。この時点でLunascapeは国際版をリリースしていたため、Browser Choiceへ掲載されることとなった[18]。
ここでは主要なバージョンアップのみ記載する。最新版のリリース情報や更新内容の詳細はGitHubを参照。
本社が入居するセルリアンタワー | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒150-8512 東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー15階 |
設立 | 2004年8月26日 |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 7011001072871 |
代表者 | 代表取締役兼CEO 近藤秀和 |
資本金 | 30百万円[30] |
売上高 | 38百万円(2016年3月期)[30] |
営業利益 | 1百万円(2016年3月期)[30] |
経常利益 | △3百万円(2016年3月期)[30] |
純利益 | △4百万円(2016年3月期)[30] |
純資産 | 71百万円(2016年3月期)[30] |
総資産 | 82百万円(2016年3月期)[30] |
主要株主 | 株式会社メディアドゥホールディングス 100%[30] |
外部リンク | http://www.lunascape.co.jp/ |
Lunascape株式会社は、かつてLunascapeの開発やサポートを行っていた企業であり、Lunascape開発者の近藤秀和が2004年8月26日に設立したものである。ユーザーに対しては無償でソフトを提供しつつ、大手ポータルサイトなどを相手に広告ビジネスを行う形で収益を得て運営されていた。
近藤は早稲田大学大学院[31]を卒業後、一旦ソニーへ入社したものの、新人が自分の作ったソフトを製品化するようなことは認められないという風潮があったため、2003年3月にソニーを退職して早稲田大学の理工学研究科情報・ネットワーク専攻博士課程にて開発を継続していた[32][33]。その後、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構の「未踏ソフトウェア創造事業」に採択され、2000万円と言う経済的な支援を得たため、これを足がかりとして会社が設立された[32][33]。近藤は社会人経験が浅い中で起業を行う形となったものの、IT業界において広告を主体とするビジネスモデルは未成熟であり、ノウハウが確立されていなかったため、社会人経験の有無はあまり問題にならなかったと後のインタビューで語っている[32]。
2008年6月16日にはアメリカ・シリコンバレーに100%子会社の「Lunascape Inc.」を設立したと発表した[34]。
2017年4月6日に、株式会社メディアドゥがLunascape株式会社の全株式を取得し、子会社化を発表した[30]。
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