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2021年に公開された日本のストップモーション・アニメーション映画 ウィキペディアから
『JUNK HEAD』(ジャンク・ヘッド)は、2021年に公開された日本のストップモーション・アニメーション映画。堀貴秀監督。三部作の第1作目である。
監督の堀貴秀が、ほぼ1人で7年かけて製作した[2]。約4年をかけ制作された30分の短編作品「JUNK HEAD 1」を修正、追加撮影を行い2017年に完成した長編版が本作である。長編版は完全に1人で製作したわけではなく、実際には3、4人のスタッフが入れ替わり制で作業を行った。
本作は、当初から三部作として製作しており、次作『JUNK WORLD』は2025年の公開を予定している[3]。
人体を無機物に転化する技術によって、生殖機能を代償に不老不死を手に入れた人類は、新種ウイルスの発生によって存続の危機に陥る。そんな中、遥か昔に創造した人工生命体「マリガン」に生殖能力の可能性が見出され、地下の調査が開始される。主人公パートンは地下調査員に応募し、マリガンと協力して地下の探索を始める。
『遥か昔、人類は地下開発の労働力として人工生命体のマリガンを創造した。自我に目覚めたマリガンは、自らのクローンを増やして人類に反乱。それから1600年後の世界、人類は地下世界で独自に進化するマリガンの生態調査を始めた。』
- AG(After God)元年(マリガン創造)
- AG1789年 マリガンが反乱(120年戦争)
- AG1909年 停戦協定
- AG2343年 『JUNK WORLD』
- AG3385年 『JUNK HEAD』
- AG3440年『JUNK END』
核の冬により、地球上の生態系が崩壊。人類は汚染された地上を捨て去り、生活圏を地下に求めた。
またA.D(西暦)を廃止し、新たな暦であるAG(After God)を採用した。
人類は、生命倫理法を改定。自らの遺伝子操作による環境適合性を推進し、特化型強化人間の開発を進めた。
不足する労働力を補う為、人類に次ぐ知的生命体「マリガン」の創造を開始。
マリガンは、作業用途に合わせ6種類開発。それを元に、クローニングで量産。
人類はマリガン管理の為、マリガンに生殖機能・視力をもたせなかった。ただし、業務遂行上視力が必要な「作業型マリガン」のみ、眼孔部に人工視神経を挿し込むタイプのゴーグル型補助装置を支給する。
マリガン達を活用し、地下開発が進む。しかし、作業に従事するマリガン達は、人類が過去に地層処理した核廃棄物による放射能障害に蝕まれていった。苦痛と不満を募らせていったマリガン達に反乱の意志が芽吹いていく。
やがて、反体制派が組織され反乱の準備を地下開発と同時に進めていく。自らクローンを増やして、勢力を拡大させていった。
マリガンが人類に対して反乱を起こす。同時に人類とマリガン間の戦争が勃発。
戦いは120年間続いた為、「120年戦争」と後に呼ばれる事になる。
停戦協定締結。以降、「人類は、地表から3000m以内を生活圏とする。」事が決定。対するマリガンは、「地表よりも深い地下世界を、マリガンが支配する。」事が定められる。
マリガンの地下都市「カープバール」にて、大事故発生。
反物質製造中に生じた事故により、「ゲオルギー連鎖反応」が発生。それに伴い「ハンス中毒」及び「ダネリヤ感染」を引き起こし深刻化。結果、地下都市「カープバール」はゴーストタウンと化した。
ゴーストタウンとなった、地下都市「カープバール」で「マリガンの変異体」誕生。以降、クローンで増えるのでは無い独自の増殖と進化を開始し独自の生態系が形成されるに至る。
「正体不明のウィルス」により人類は遺伝子の崩壊が始まり死者が続出。存続の危機に瀕するが、そのウィルス遺伝子を逆に利用した「人体の無機質転化」により危機を脱出。人類は、無機質化による「老化」の消失によって不死と言える寿命を得た。呼吸も血液循環も必要無く微弱な電気刺激さえあれば頭部のみで自我を保つ事が出来た。一方、無機質化の代償として生殖能力を喪失し人口増加は停止した。
「新たなウィルス」の発生で増加の無い人口はさらに減少。約千年ぶりの存続の危機に、人類は再び晒される事となった。
この危機的状況に対し、対策を講じる必要に迫られた人類は偶然にも偵察カメラで撮影された「生殖器らしきものを持つマリガン」に生殖能力の可能性を見出し、マリガン反乱の戦争終結後、交流の途絶えた「地下世界の調査」を開始。
その撮影されたマリガンの探索・調査を確認する仕事に一般応募した、主人公パートン。
今回の撮影されたマリガンのような「不確実な事案」は世界中にあふれているので、パートンの調査も特に重要視はされていなかった。
良くも悪くも長期の相互不干渉により停戦協定から1500年近く経った事から双方共に敵対心も薄れ、記憶を失ったパートンに親切に接するマリガン達。全てを思い出したパートンは自分が追っていた対象の撮影されたマリガンは生殖機能と無関係と知るが、「マリガンの生命システム」についてマリガンから聞き、人類再生の希望と考えて新たな探索に向かう。
地下空間の開発の労働力の為に人類に創造された、人類に次ぐ知的生命体。人類の遺伝子をベースに、環境適合性を高めて創られている。
当初、用途別に6種類が創られたが変異体の「生命の木」誕生以降、急激に独自の進化を始める。地下での生物は、生命の木から派生し、あらゆる形態に変異していった。それにより、多様な生態系を形成している。
基本的にマリガンは、「視覚器官」を持たない。だが、受光体を持つ線虫の移植や反響定位能力を持っている。その為、基本のっぺらぼうな口だけの顔面を持つ。ただ、人間の形に一番近い「作業型マリガン」は眼孔があり、そこに眼孔部に人工視神経を挿し込むタイプの「ゴーグル型補助装置」を接続する。
男女のような形態はあるが生殖能力は持っていない。全体意識が強くマリガン同士の大きな争いは少ないが、口論や暴力等の小規模な争いは日常の中でよく生じている。地下世界の環境が過酷で余裕が無い為か、互いに傷つけ合い、奪い合う場面も見られる。
また、マリガン達の地下世界は「奇形な容姿を持つ者」や「集団に属さない者」は社会から排除している。
社会システムは地方政府により管理されているが、地域による独自性も進んでいる。人類よりも文明レベルは劣るが、圧倒的な生体数と広大な生息域を誇っている。
マリガンの地下都市。過去に地層処分された核廃棄物が多い地域だったが、故に多様性をもたらす遺伝子変異を促す事にもなった。
最初にマリガンが決起した場所でもある。赤道直下に作られた加速器で反物質を生成していたが、ゲオルギー連鎖反応による
異常現象のせいでゴーストタウンになった。
掘削で生じた岩石を、押し硬めて柱や壁に出来る「岩石圧縮技術」によりマリガン地下世界では掘削物を地上に排出する必要が無い。それにより掘削と開発をするのと同時に大量の硬質建材を確保出来、マリガンの地下空間は拡大して行った。
また、地下世界には「発光性の浮遊菌」が存在し、天井部に堆積している。故に場所によっては、地上のような明るさがある。
インフラ設備も整い、無料の公共交通機関も機能している。しかし、地域による格差が非常に大きい。
作中の会話にて登場。赤道ラインの地下に作られた、ノンストップで走り続ける都市型巨大鉄道。
AG2343年、ゴーストタウンとなっていたカープバール都市に突如発生したマリガンの樹状変異体。通称「ヨーグル」と呼ばれる「母体マリガン」で、死後すぐに遺体が変化していき「生命の木」となる。種子を実らせた後の生命の木は、枯れる。
それまで6種類のマリガンをクローニングする事でしか数を増やすことができなかったが、生命の木により自発的多様性のある生態系が形成された。
生命の木は、大きさこぶし大の「マリガン種子」を数百実らせる。その中の数個が、新しい生命の木になる素質を持っている。
母体となるマリガンの気質を受け継ぐため、本来は大切に育てられる。
ほとんどの生命の木はマリガン地方政府が管理し、その種子が各地に分配されるが生育途中に急変する固体もあり、野生種として育つ木も多い。
ただ過酷な環境で育つ母体の木からは凶暴な変異体が生まれる確率が高く、そういった固体は発見次第殺処分されている。
この節の加筆が望まれています。 |
映画祭 | 賞 |
---|---|
ファンタジア国際映画祭 | 最優秀長編アニメーション賞 |
オルデンブルク国際映画祭 | 入選 |
ファンタスティック・フェスト2017 | 長編作品部門 新人監督賞 |
第31回日本映画批評家大賞 | 編集賞(浦岡敬一賞) |
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