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食糧の不足によって栄養失調が続き、体調の維持が困難になっている状態 ウィキペディアから
国際連合食糧農業機関 (FAO) では食料過不足のしきい値を2700kcalとしており[1]、21世紀に入り世界平均ではそれを満たしている。なお表の数値は食料供給ベースであり、摂取量はその60-70%である。
現在、飢餓状態にある人は2022年時点で世界中で推定約7億3,510万人に上ると報告されている(2024年5月現在)。特にアフリカには、飢餓状態にある人が多く、飢餓蔓延率は世界で最も高いとされ、飢餓人口は推定で2億8,160万人と2011年以降増え続けている[2]。
1971年には、フランシス・ムア・ラッペが、食べものを富めるものが浪費してしまうという富の格差が、飢餓の基本的な原因であり政治的な問題であると告発した本がミリオンセラーとなった[3]。
1日2.15ドル以下(2017年アメリカドルPPPベース)で生活する絶対的貧困の状態がある。2007年後半からの穀物の価格高騰は、貧困層が買うことができる食糧の量を減らした[4]。
上智大学のビセンテ・ボネットは、UNDPの「1日1人あたりキロカロリー供給量」、FAOの「世界の食肉消費量」の統計などをもとに、「世界に飢えている人々がいるのは、世界で生産されている食料が不足しているから」という説明に下記の疑問を投げかけている。
人口増加による食糧問題を解決すべく世界各国で代替肉(プラントベースドミート)、代替卵、代替ミルクなどを製造するフードテック企業が誕生している。[8]
品目 | 質量 |
---|---|
牛肉 | 11kg |
豚肉 | 7kg |
鶏肉 | 4kg |
鶏卵 | 3kg |
大豆油 | 5kg |
なたね油 | 2kg |
世界的に見ると、特に南部アフリカに集中している。
成人では基礎代謝量は体重の25 - 30倍、すなわち、体重60kgの男性なら1500 - 1800キロカロリー程度である。
ヒトは日々の活動のエネルギー源として、肝臓にグリコーゲンを蓄えているが、これは、絶食後約1日ですべて血糖(グルコース)となり全身で使い果たされる。
グリコーゲンを使い果たした結果、血糖値が低下すると、肝臓中で脂肪酸の分解経路であるβ酸化回路が活性化され、肝臓中の脂肪がβ酸化を経てケトン体(β-ヒドロキシ酪酸、アセトン、アセト酢酸)に変化し血流中に流出する。ケトン体は、全身でグルコースに代わるエネルギー源として利用される。
したがって、栄養が欠乏するとまず肝臓や筋肉中のグリコーゲンが、次に肝脂肪がエネルギー源として使われる。飢餓状態が更に進むと、体脂肪や皮下脂肪など肝臓以外の脂肪が血流に乗って肝臓へと運ばれ、これもまた、肝臓でβ酸化されてケトン体に変わり、同様にエネルギー源となる。これにより、ヒトは、理論上は水分の補給さえあれば絶食状態で2 - 3ヶ月程度生存が可能であり、この限界を越えれば餓死に至る。
たとえば、仮に、体重70kg、体脂肪率20%とし、脂肪のカロリーを9kcal/g、絶食により運動強度が下がった結果として低下する基礎代謝量を1200kcal/日とすると、70 kg × 0.2(体脂肪率)× 9 kcal/g / 1200 kcal/日 = 105日、となり、この計算だと、ヒトは絶食後3ヶ月半ほど生存することができることになる。
ただし、これはあくまでエネルギーの計算上というだけで、実際には健康な状態を維持することは不可能に近い。その理由は、ヒトの体内ではタンパク質、核酸、無機塩類、その他様々な生理活性物質が緩やかに代謝回転しており、それらの新規合成のために、必須アミノ酸や必須脂肪酸、ミネラル類や、様々なビタミンなどを食物より摂取する必要があるからである。逆にこれらの摂取がない場合、筋肉などがアミノ酸に分解して、別のタンパク質の合成のためのアミノ酸源や糖の原料(糖新生)として使われることになる。
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