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ドイツ生まれのミュージシャン、プロデューサー、サウンドエンジニア ウィキペディアから
C418(シー・フォー・エイティーン[4])は、ドイツ出身のミュージシャン、プロデューサー、サウンドエンジニア。本名ダニエル・ローゼンフェルド(Daniel Rosenfeld、1989年5月9日[5] - )。ゲーム『Minecraft』の作曲家、サウンドデザイナーとして知られる。
その他、Netflixのドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の特番『Beyond Stranger Things』のテーマ曲作曲とプロデュース[6]、ブラウザゲーム『クッキークリッカー』Steam版への楽曲提供[7]、アメリカのバンド「Anamanaguchi」のツアーへのDJとしての参加といった活動も行っている[8]。
1989年、東ドイツでドイツ系でソ連生まれの金細工職人の父とドイツ人の母との間に生まれる。2000年代初頭、当時の初歩的な作曲ツールであったSchism Tracker(Impulse Trackerの無料版)の初期バージョンやAbleton Liveで曲作りを学ぶ[9]。 兄がC818という名で活動しており、そこからC418という名を選んだが、本人はこの名は「本当に暗号みたいだけど実際には特に何も意味はない」と語っている[10]。
兄に音楽プロダクションを紹介されたダニエルは、同世代のゲーム作曲家ダニー・バラナウスキーの提案もあって音楽のダウンロード販売プラットフォームBandcampで楽曲のリリースをはじめた[11]。
2007年に「Blödsinn am Mittwoch (英語: "Silliness on Wednesday"」というブログを開設し[12]、新曲を毎週水曜日にブログに上げた。同じころゲーム開発とゲーム音楽にも興味をもち始め、インディーゲーム開発フォーラムTIGSourceに参加し、数々の小規模ゲームやゲーム開発者らと関わるようになった[13](このときインディーゲーム『Zombie Dog in Crazyland』と『Mubbly Tower』の非公式サウンドトラックを自身のサイト[要出典]と旧ブログに上げている[14])。その後アルバムの制作をはじめ、趣味の一環としてブログとBandcampでアルバムをリリースした[13]。
最初にリリースした作品は2007年のEP盤『bps』で、直後の2008年に自分へのチャレンジとして、可能な限り短期間で、遊び半分で質よりも量を重視して制作したアルバム『The Whatever Directors Cut』をブログとBandcampでリリースしたが[15]、本人があまり好きではないアルバムだったため2013年に削除された[16]。
同じく2008年に過去ブログに投稿した楽曲のリミックスを含む25分のメドレー『Mixes』とEP『sine』、組み立て工場で働いているときの気持ちを表現した2作目のスタジオアルバム『Zweitonegoismus』をリリースした。ローゼンフェルドはリリース前にこのアルバムを職場の同僚に聴かせたところ「お前、なんでこんな工場で働いてるんだ?」と言われたという[17]。
2009年はじめ、ローゼンフェルドはインターネットフォーラムTIGSource上でゲーム『Minecraft』のクリエイターである"Notch"ことマルクス・ペルソンと知り合い、ペルソンが当時開発中であったゲーム『Minecraft』の効果音とBGMを担当することとなった。この頃まだjavaのサウンドエンジンは発展途上で制約も多かったため、ローゼンフェルドは効果音や楽曲の作り方を工夫しなければならなかった[9]。
2010年1月に4作目のスタジオアルバムで友人Sohnemannとのコラボ作品である『A Cobblers Tee Thug』をリリース[18]。これは2人が新年休みを一緒に過ごした際に、面白半分でその数日間でフルレングスのLPを一緒に作ろうと挑戦してできたアルバムである[19]。
2010年3月にリリースしたアルバム『circle』は、もともと2008年に制作されたもので、当時無名のクリエイターがつくった同名・未公開ゲームのサウンドトラックとして制作したものである[20]。
2010年8月に『Life Changing Moments Seem Minor in Pictures』をリリース。同作はローゼンフェルドがまだドイツに住んでいたときに制作されたアルバムで[21]、リリース時ローゼンフェルドのところに仕事を辞めた後軍隊で働くようにとの要請がきていたため、その代わりに別の仕事をしていたときであった[22]。 このアルバムに収録されているオリジナルサウンドトラック『Ezo』は、ローゼンフェルドがLudum Dare用に作ったゲームのサウンドトラックである[23]。
2011年にはBandcampでlittle things[24]、I forgot something, didn't I.[25] (a B-side to 72 Minutes of Fame)、Seven Years of Server Data.[26]など様々なプロジェクトの楽曲を無料で公開した。
このころまだMinecraftにはフリーランスのアーティストとして参加し、Minecraftの制作会社Mojang Studiosのスタッフではなかったローゼンフェルドは[27]、Minecraftの作曲したすべての楽曲の著作権を有しており[28]、Minecraftのサウンドトラックから2枚のアルバムをリリースした[27]。 1作目の『Minecraft – Volume Alpha』は、2011年3月4日にローゼンフェルドのBandcampページでデジタルリリースされている。
この年2011年の暮れ、Minecraftは一般向けに正式リリースされるやいなや、あっという間に世界中で人気ゲームとなった。 このときまだ組立工場の作業員であったローゼンフェルドは、以降音楽活動で生計を立てられてるようになった[13]。 この2011年の出来事にインスピレーションを得て制作されたのがスタジオアルバム『72 Minutes of Fame』で、各曲はローゼンフェルドの人生を変えたその決定的瞬間を中心に展開されている[29]。このアルバムはローゼンフェルドにとって初めてフィジカル(CD実物が)リリースされたアルバムともなり、英ガーディアン氏はそのミニマルかつアンビエントな曲調をブライアン・イーノやエリック・サティになぞらえた[9]。
およそ半年後、Minecraftの開発現場を取材したドキュメンタリー番組『Minecraft: The Story of Mojang』の制作がはじまり、ローゼンフェルドは番組用のサウンドトラック制作を依頼された。この楽曲は2012年のアルバム『One』に収録されている[30]。
2013年11月9日、ローゼンフェルドは2作目のマインクラフト公式サウンドトラック『Minecraft - Volume Beta』をリリースした。アルバムにはリリース時まだゲームで公開されていなかったネザーやジ・エンドの曲など多数の新曲が収録されていた[31]。 このサウンドトラックは2020年にゴーストリー・インターナショナルからフィジカルリリースされ[32]、Minecraft - Volume Alphaのリプリント版も同じくフィジカルリリースされた。 Volume BetaはCD2枚組で、レコードは黒と赤の炎の柄で、限定版レコードは半透明のマゼンタカラーのジャケットで、当初はヨーロッパ限定であったが後に世界各国で販売された[33]。
マインクラフトの成功のあと、ローゼンフェルドはペルソンの新作ゲーム0x10cでも共同作業を行った。だがゲームは2013年8月にペルソンが開発を無期限停止したためリリースされることはなくなった。2014年ローゼンフェルドは0x10cのために作曲した楽曲を含むEPをリリースした。デジタル版のみの販売であったが販促はほとんど行われず、ローゼンフェルドはTwitterで入手可能となった旨をツィートしたのみであった[34]。
2015年のアルバム『148』はリリックやエフェクトで隠されてはいるが『72 Minutes of Fame』と同様に個人的な内容が大半を占める内容となっている[35]。
この年の終わりごろ、ゴーストリー・インターナショナルからMinecraft - Volume Alphaのフィジカル版がリリースされた[3]。 販売されたのは通常のCD、アルバムのデジタルダウンロードコードがついたレコード、半透明の緑色のジャケットの限定版レコードである[36]。
同年ローゼンフェルドは「まだマインクラフトの仕事をしてるんで、他にもアルバムがでるかも」とマインクラフトの3作目のサウンドトラックをリリースする可能性をほのめかすツィートをしている[37]。 2017年、ローゼンフェルドは3作目について、将来的なリリースはあるとしたもののアルバムは「完成には程遠い」と述べている[38]。
2016年にリリースした『2 Years of Failure』は、頓挫したプロジェクト用に書かれた曲や使用されずお蔵入りとなってしまった楽曲を集めたBandcamp限定のコンピレーションアルバムである[39] 。 このアルバムのうち数曲はローゼンフェルド曰く「日本のパズル交換ゲーム」のようなお蔵入りゲームのために作曲したものだという。また、このアルバムには「Crayon Physics」のオリジナル・サウンドトラックも収録されている[39]。 また著名な曲としては、2018年に驚異的なヒットとなったドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』テーマ曲のC418リミックスも収録されており、ローゼンフェルドのSoundCloudページでは(SoundCloud Proのサブスクリプションが失効して削除されるまでは)最も再生回数の多い曲であった[40][41]。 2017年に『Dief』をリリース[42]。このアルバムにはGame Developers Conference2017でテディ・ディーフ(Teddy Dief)が行った講演のために作曲し使用された曲が収録されている[43]。2018年、Minecraftのアクアティックアップデートで、ゲーム内において水中で流れる新曲が3曲追加された[44]。この"Dragon Fish"、 "Shuniji"、"Axolotl" の3曲は、Spotifyで2018年の8月9日、11月10日、12月12日に順次シングルリリースされた。すべての曲が3枚目のアルバムに収録される予定ではあるが、ローゼンフェルドはツィッターで3枚目のアルバムのタイトルは過去2作を踏襲した『"Minecraft: Volume Gamma"』にはなるかと尋ねられ「Nope(いいえ)」とだけ答えている[45]。
2018年7月20日、ローゼンフェルドはスタジオアルバム『Excursions』とリードシングル『Beton』をリリース予定であるとアナウンスした[46]。セカンドシングル『Thunderbird』は2018年8月20日に[47]、アルバムは2018年9月7日にリリースされた[48]。『Excursions』に収録された数曲の曲名は、2017年の時点でローゼンフェルドが暮らしていたテキサス州オースティンにあるカフェの名前から付けられたものである。『Excursions』のフィジカルCDと限定版レコードは2019年1月にDriftless Recordingsからリリースされ[49]、2021年にCDとレコードが再販された[50]。
2020年、ゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にMinecraftのキャラクターであるスティーブが参戦することがアナウンスされたが、C418の曲はBGMに採用されずその理由も公開されなかった。これには楽曲がバトル用としては穏やかすぎるためではないかと指摘する声もある[51]。なおスマブラではC418ではなく他の作曲家が作曲したMinecraft DungeonsやMinecraft EarthのBGMが代わりに使用されている。
2021年、アンソニー・ファンタノによるインタビューで3作目のサウンドトラックアルバムは制作中かと尋ねられた際、ローゼンフェルドは「一応あるし、自分としては完成してるつもりだけど、状況が複雑になってきていて… 特にマインクラフトは今はもう大きな案件だから、どうなるか分からない」と答えている[52]。
2021年5月にEP『Branching Out』をリリース[53]。このEPにはDayton Millsのリモート会議ソフト Branchのサウンドトラックが収録されている[54]。
2021年6月16日、ローゼンフェルドはツィッターで11年前に制作したアルバム『Life Changing Moments Seem Minor in Pictures』をリマスターしメジャーな配信サービスでリリースするとアナウンスした[55]。アルバムはそれまでBandcampでしか入手できないものであった[19]。
2021年7月、ローゼンフェルドはデイヴィー・レデン[56]、Karla Zimonjaおよびアンナプルナ・インタラクティブ社と共にゲームスタジオ Ivy Road を立ち上げると発表した[57]。レデンが創設者となりZimonjaが共同創設者となる[58]。同スタジオでローゼンフェルドは開発予定のゲームの音楽作曲を担当する[59]。
Ivy Road設立発表後の2021年8月、ローゼンフェルドは実はSteamでリリースされている[60]2013年のゲーム『クッキークリッカー』のサウンドトラックを制作していたと明かし[61]、2021年9月に同サウンドトラックの販売を開始した[61]。
2022年3月13日、ローゼンフェルドは米バンドAnamanaguchiのツアー「Scott Pilgrim vs. The World: The Game Soundtrack」でDJプレイを披露した[8][62]。
2022年8月、カナダのインディゲーム会社Northway Gamesがゲーム『I Was a Teenage Exocolonist』をリリース。ローゼンフェルドは数名の仲間のミュージシャンと共にゲームのコラボサントラを作成した。ローゼンフェルドの担当曲は『Quiet』である[63]。
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