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雪の早明戦(ゆきのそうめいせん)とは、1987年12月6日に、東京都新宿区霞ヶ丘町の国立霞ヶ丘競技場陸上競技場(国立競技場)で行われた、関東大学ラグビー対抗戦グループ最終戦・早稲田大学対明治大学の一戦(早明戦)を指す。
大会名 | 関東大学ラグビー対抗戦グループ最終戦 | ||||||
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開催日 | 1987年12月6日 | ||||||
会場 | 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場(東京都新宿区) | ||||||
主審 | 真下昇 | ||||||
観客数 | 62,000人 |
早稲田からはSH堀越正巳やWTB今泉清、明治からはWTB吉田義人といった、後の日本代表の顔となる「スーパー1年生」が出場を果たしたこと[1][2] や、当日未明からの悪天候、さらには試合終了間際の両軍の激しい攻防などが絡み、名勝負の多い早明戦の中でも“伝説の試合”と語り継がれる試合となった[3]。
なお、明治サイドから見たときには早稲田と明治の対戦は「明早戦」と語られるが、本項目では各種媒体の記述にあわせて「早明戦」で統一することとする。
この年の対抗戦グループは5年ぶりの優勝を目指す全勝の早稲田と3連覇を目指す1敗の明治[注 1]が激突する展開となり[2]、毎年12月第1日曜日に対抗戦グループ最終戦として行われる早明戦も例年以上に注目度が上がっていた。しかし、当日未明から降り出した雪は都心部にもみるみる積もり、12月上旬としては戦後始めて都心部で積雪を観測することとなった[注 2]。中山競馬場で開催予定だった中央競馬は中止になり、閉園にする遊園地もある状況の中、国立競技場にも5cmの積雪を観測し、対抗戦も試合中止(延期)になるのではと危ぶまれたが、各大学のラグビー部員や関東ラグビーフットボール協会の関係者200人が総出で雪かきを行い、何とか開催に持ち込むことができた[1][6]。
5年前に66,999人という「収容人員越え」の観客動員を記録した早明戦[7] とはいえ、さすがの悪天候で観客動員も伸び悩むと思われ、試合前の指定席は観客もまばらだった[2] が、試合開始直前には満員の観衆が詰めかけ、フィールド周囲に除雪した雪が残る中、試合は予定通り午後2時にキックオフした[1]。
前半4分、直前のプレーで明治NO8大西一平が脳しんとうでフィールドを離れ一時的に15人対14人となった状況で、ゴールライン際での明治ボールのラインアウトを早稲田LO篠原太郎が奪ってそのままインゴールに倒れ込み先制のトライ。この年新人ながらキッカーを任されていた早稲田WTB今泉のコンバージョンキックは外れ[1]、4-0となる[注 3]。18分には、早稲田陣内でのスクラムから明治SO加藤尋久がゴール前に蹴り出したボール[8] を早稲田NO8清宮克幸がファンブルしたのを見逃さなかった明治WTB吉田が奪ってそのままゴール左隅にトライ[9]。コンバージョンは外れるものの、4-4の同点に持ち込む[注 3]。その後、両軍1本ずつのペナルティゴール(PG)を決めるも、一部に雪の残っていたグラウンドは徐々にぬかるみ、一進一退の攻防を繰り返したまま7-7の同点で前半を終える。
後半4分、早稲田がPGを決めて10-7とするも、悪化したグラウンドコンディションによりボールも水を含み、寒さで足が思うように動かないせいで[8] 両軍とも正面のPGを外すなど、両軍総力戦の様相を呈す。気温も上がらない中、スクラムを組むと両軍の選手から湯気が立つ状況であった[10]。
後半30分、早稲田のインゴールノックオンで得たスクラムから、明治が早稲田陣内に攻め込み、何度もゴール前に迫る展開を見せる。この間、明治が幾度かペナルティキックのチャンスを得るが、対抗戦グループ優勝のためには勝利が絶対条件の明治[注 1]はPGを狙いに行かず、あくまでも勝ち越しのトライを狙いに行く[10]。試合が止まる展開が多かったためロスタイムは8分近くにも及び、ロスタイム突入後に明治のキックがインゴールに転がり、明治WTB吉田が抑えたように見えた場面もあったが、キャリーバックでトライにはならず[9]。その後攻める明治が早稲田をゴール前に釘付けにし、何度もFW勝負を挑むが、鉄壁のディフェンスを誇る早稲田もバックスがモールに加わってゴールラインを割らせない[9]。最終盤には早稲田FB加藤進一郎が脳しんとうで退場したものの、代わって入った吉村恒も加わって凌ぎきり、ノーサイド。早稲田が10-7で明治を下してこの年の対抗戦グループ優勝を決めた。
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