豊崎 由美(豊﨑 由美、とよざき ゆみ、1961年7月3日 - )は、日本のフリーライター、書評家。
愛知県生まれ。東洋大学文学部印度哲学科卒業。
編集プロダクション勤務を経て、フリーとなる。文芸、演劇、スポーツ、競馬予想などを手がける。
- 父は特攻隊の生き残りで、石原慎太郎の『スパルタ教育』に影響を受けてスパルタ教育を施されたため、石原に恨みがあると言っている[1]。「皆さんは「家族」について考えたことはありますか。私は小学校六年生の時に、九歳年上の姉が自殺し、その翌年には母親を病気で亡くしたせいで、若い頃は「自分には家族がない」というコンプレックスから、無闇と家族制度を否定する中二病的態度を取ったものでした。(今となっては恥ずかしい黒歴史)」[2]と回顧している。
- 「hanako」や東京中日スポーツで競馬予想記事を執筆したのち、「CREA」にてインタビューや取材などを担当するライターとして活動。当時同誌編集長であった平尾隆弘(のちの株式会社文藝春秋社長)の働きかけにより、書評記事を書き始めるようになる[3]。
- 2021年12月にはTwitter上でTikTok等のSNSで書物を紹介する人たちを批判する発言を行っている(詳細はけんご#書評家・豊崎由美の発言を巡る騒動を参照)[4]。
『北海道新聞』の「トヨザキ社長の鮭児書店」において毎年年末に発表される賞。
- 第1回(2013年) 古川日出男『南無ロックンロール二十一部経』(河出書房新社)
- 第2回(2014年) 長嶋有『問いのない答え』(文藝春秋)
- 第3回(2015年) いしいしんじ『悪声』(文藝春秋)
- ノミネート:舞城王太郎『淵の王』、古川日出男『女たち三百人の裏切りの書』
- 第4回(2016年) 福永信=編『小説の家』(新潮社)
- 第5回(2017年) 佐藤亜紀『スウィングしなけりゃ意味がない』(KADOKAWA)
- 第6回(2018年) 高山羽根子『オブジェクタム』(朝日新聞出版)
- 第7回(2019年) リチャード・パワーズ/木原善彦=訳『オーバーストーリー』(新潮社)
- 第8回(2020年) 江國香織『去年の雪』(KADOKAWA)
- 第9回(2021年) 川本直『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』(河出書房新社)
- 『パチンコ天国極楽ケイバ』(筑摩書房、1997年)
- 『それ行けトヨザキ!! Number迷コラム傑作選』(文藝春秋、1999年)
- 『そんなに読んで、どうするの? 縦横無尽のブックガイド』(アスペクト、2005年)
- 『どれだけ読めば、気がすむの?』(アスペクト、2007年)
- 『正直書評。』(学習研究社 2008年)
- 『勝てる読書』(14歳の世渡り術)(河出書房新社、2009年)
- 『ニッポンの書評』(光文社新書、2011年)
- 『ガタスタ屋の矜持 寄らば斬る篇』(本の雑誌社、2012年)
- 『ガタスタ屋の矜持 場外乱闘篇』(本の雑誌社、2013年)
- 『まるでダメ男じゃん! 「とほほ男子」で読む百年ちょっとの名作23選』(筑摩書房、2014年)
共著
- 『文学賞メッタ斬り!』(大森望共著、パルコ、2004年、のちちくま文庫)
- 『百年の誤読』(岡野宏文共著、ぴあ、2004年、のちちくま文庫)
- 『文学賞メッタ斬り! リターンズ』(大森望共著、パルコ、2006年)
- 『文学賞メッタ斬り! 受賞作はありません編』(大森望共著、パルコ、2007年)
- 『百年の誤読 海外文学編』(岡野宏文共著、アスペクト、2008年)
- 『文学賞メッタ斬り! 2008年版 たいへんよくできました編』(大森望共著、パルコ、2008年)
- 『読まずに小説書けますか 作家になるための必読ガイド』(岡野宏文共著、メディアファクトリー、2010年)
- 『文学賞メッタ斬り! ファイナル』(大森望共著、パルコ、2012年)
- 『石原慎太郎を読んでみた』(栗原裕一郎共著 原書房、2013) のち中公文庫
- 『村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り!』大森望共著. 河出書房新社, 2017.4
2012年7月8日『図書館教育ニュース』第1279号