大沢野郵便局(おおさわのゆうびんきょく)は、富山県富山市にある郵便局。
- 住所:〒939-2299 富山県富山市上大久保948
- 2005年時点での集配地域:大沢野、大久保、船峅、小羽全区および下タ地区の牛ヶ増、富山市栗山字伊豆の宮橋詰まで[1]
概略
1914年(大正3年)12月6日に富山鉄道線が笹津まで開通[2]したことによって、笹津は地方交通の要所となり、人や物の往来が増加したため、同所における通信機関の必要性を訴える声が高まり、数次にわたって請願の行われた結果、1915年(大正4年)8月11日に郵便局開設が実現するに至った[3]。その後、地域の発展に伴って各種取扱量も増大し、当時上新川郡大沢野村村長であった水上彌三は、1920年(大正9年)の第43回帝国議会に当郵便局における郵便物集配並びに電話通話事務開始の請願を行い採択された[4]。この請願に係る電話通話事務は1922年(大正11年)2月6日より、郵便物集配事務は1935年(昭和10年)3月16日よりそれぞれ実現をみた[5][6]。
電話交換についてはまず大久保郵便局にはおいて1922年(大正11年)2月6日より開始され[7]、ついで当郵便局において1923年(大正12年)8月1日より開始した[8]。当初の加入者は僅少であったが、日本電力笹津変電所をはじめとした各種事業所の進出によって、長距離電話の利用数が著しく増加し、また当郵便局と大久保郵便局の電話加入区域が錯綜して通話料や待ち時間に不便が多くなったので、地域における電話交換所を一箇所に統一するようにとの運動が行われた[9]。これは1952年(昭和27年)4月1日の大沢野電報電話局の開設によって実現し、これより当郵便局における電話交換事務は同局に移管された[10]。
また1963年(昭和38年)12月1日には郵便物集配の一元化のため大久保郵便局から郵便物集配事務を引継ぎ、局名を笹津郵便局から大沢野郵便局へと改めた[11][12]。これに合わせて建設を進めていた局舎も完成し、新たに同所において地域における郵便業務全般を担うこととなった[13]。1983年(昭和58年)7月からは旧在地より富山寄りの地所において新局舎の建設工事に着手、1984年(昭和59年)3月17日に完成した[14]。
年表
笹津郵便局(1958年(昭和33年))
大久保郵便局(1958年(昭和33年))
大沢野電報電話局(1964年(昭和39年))
日本電力笹津変電所(1935年(昭和10年))
注釈
1921年(大正10年)3月に集配事務を開始とする説もある[22]。本項においては昭和10年逓信省告示第615号及び『大沢野町誌』(大沢野町誌編纂委員会編、同書362頁、1958年(昭和33年)3月、富山県上新川郡大沢野町役場)に従い、1935年(昭和10年)3月16日を集配開始日とした。
出典
『大沢野町史』(2005年2月28日、大沢野町発行)619頁。
大沢野町誌編纂委員会編、『大沢野町誌 下巻』(361頁から362頁)、1958年(昭和33年)3月、富山県上新川郡大沢野町役場
大日本帝国議会誌刊行会編、『大日本帝国議会誌 第十二巻』(679頁)、1929年(昭和4年)8月、三省堂
大正11年逓信省告示第169号(『官報』、1922年(大正11年)2月1日)
昭和10年逓信省告示第615号(『官報』、1935年(昭和10年)3月14日)
大正11年逓信省告示第134号(『官報』、1922年(大正11年)1月27日)
大正12年逓信省告示第1254号(『官報』、1923年(大正12年)7月26日)
大沢野町誌編纂委員会編、『大沢野町誌 下巻』(362頁から365頁)、1958年(昭和33年)3月、富山県上新川郡大沢野町役場
昭和27年電気通信省告示第142号(『官報』、1952年(昭和27年)5月14日)
昭和38年郵政省告示第805号(『官報』、1963年(昭和38年)11月16日)
昭和38年郵政省告示第806号(『官報』、1963年(昭和38年)11月16日)
大沢野町編、『大沢野町誌 現代編 (昭和三十年~昭和五十年)』(201頁)、1986年(昭和61年)12月、大沢野町
『北日本新聞』1984年3月17日付朝刊20面『大沢野郵便局の新局舎 きょう完成式』より。
『大沢野町史』(2005年2月28日、大沢野町発行)225頁。
大正4年逓信省告示第614号(『官報』、1915年(大正4年)8月9日)
大正5年逓信省告示第989号(『官報』、1916年(大正5年)11月11日)
帝国議会会議(『官報』第2399号(711頁より715頁)、1920年(大正9年)7月31日)
大正11年逓信省告示第1414号(『官報』、1922年(大正14年)7月29日)
『大沢野町史』(2005年2月28日、大沢野町編集・発行)254頁。
大沢野町誌編纂委員会編、『大沢野町誌 下巻』(360頁)、1958年(昭和33年)3月、富山県上新川郡大沢野町役場
『大沢野町史』(2005年2月28日、大沢野町発行)883頁。
昭和29年通商産業省告示第201号(『官報』、1954年(昭和29年)7月22日)
昭和33年郵政省告示第484号(『官報』、1958年(昭和33年)5月30日)
昭和33年郵政省告示第989号(『官報』、1958年(昭和33年)9月23日)
なお同年12月2日より特定郵便局として大沢野笹津郵便局が設置されている。同局においては電話通話事務及び和文電報受付事務を行い、郵便物集配業務を行わないとされた(昭和38年郵政省告示第881号)
昭和38年郵政省告示第861号(『官報』、1963年(昭和38年)12月6日)
『大沢野町史』(2005年2月28日、大沢野町発行)619頁。
『大沢野町史』(2005年2月28日、大沢野町発行)619、904頁。
『北日本新聞』1984年3月25日付朝刊21面『大沢野郵便局の新局舎オープンと記念たとう発売』より。