善通寺
香川県善通寺市にある寺院、四国八十八箇所霊場の第七十五番札所 ウィキペディアから
香川県善通寺市にある寺院、四国八十八箇所霊場の第七十五番札所 ウィキペディアから
善通寺(ぜんつうじ)は、香川県善通寺市にある寺院。真言宗善通寺派総本山。屏風浦五岳山(びょうぶがうらごがくさん)、誕生院(たんじょういん)と号す。本尊は薬師如来。四国八十八箇所第七十五番、真言宗十八本山一番札所。
和歌山県の高野山、京都府の東寺と共に弘法大師三大霊場に数えられる。平安時代初頭の807年に真言宗開祖空海の父である佐伯田公を開基として創建された。広大な境内は創建地である東院(伽藍)と、空海生誕地とされる西院(誕生院)に分かれている。
空海(弘法大師)は讃岐国、現在の善通寺市の出身である。『多度郡屏風浦善通寺之記』によれば、善通寺は空海の父で地元の豪族であった佐伯田公(さえきの たぎみ、諱:善通(よしみち))から土地の寄進を受け、大同2年(807年)に建立し始め、弘仁4年(813年)に落成したという[注釈 1]。空海の入唐中の師であった恵果が住していた長安の青龍寺を模して建立したといわれ、創建当初は、金堂・大塔・講堂など15の堂宇であったという。寺号の善通寺は、父の名前である佐伯善通から採られ、山号の五岳山は、香色山(こうじきざん)・筆山(ひつざん)・我拝師山(がはいしざん)・中山(ちゅうざん)・火上山(かじょうざん)[注釈 2]の5つの山の麓にあることから命名された。
善通寺の文献上の初見は、『東寺百合文書(とうじひゃくごうもんじょ)』に収められた寛仁2年(1018年)の「讃岐国善通寺司解」(さぬきのくにぜんつうじしげ)という文書である。ここで善通寺は、東寺の末寺として登場し、「弘法大師御御建立」「大師御霊所」とされ、空海の先祖による創建だとする伝えが古くから存在したことがわかる。境内からは白鳳から奈良時代にさかのぼる古瓦が出土しており、善通寺は実際には佐伯一族の氏寺として創建されたのではないかと推定されている。
本格的に興隆をむかえるのは鎌倉時代に入って、天皇や上皇からの庇護や荘園の寄進を受けてからである。この保護の背景には、平安後期に広まった弘法大師信仰があり、誕生の地に伝わり空海の自筆とされる「瞬目(めひき)大師像[注釈 3][注釈 4]」への崇敬がある。建長元年(1249年)道範のとき誕生院が建立され、東の伽藍、西の誕生院という現在の形式が出来上がった。鎌倉時代の善通寺の本寺は、東寺、随心院、大覚寺、再び随心院と変転しつつも、室町時代以降は足利氏の庇護を受けつつ自律的経営を目指した。 元徳3年(1331年)より中興の祖と云われた宥範が居住し、五重塔などの諸堂を再興し、暦応4年(1341年)には初代誕生院住職となる。
永禄元年(1558年)三好実休の兵火に遭い伽藍を焼失するが、天正16年(1588年)に生駒親正から28石、生駒一正から35石の寄進を受けたことなどで立ち直る。近世には高松松平家や丸亀京極家の庇護を受けて大いに栄えた。近世の善通寺の史料は少ないが残された絵図類などから、金堂や五重塔などの再建に奔走する傍ら、西院の御影堂を中心に参詣空間を充実させ、19世紀前半には完成したのが見て取れる[2]。また、明治に入ると付近に陸軍基地が置かれ、軍都として発展した。現在も陸上自衛隊善通寺駐屯地がある。江戸時代まで現在の東院である善通寺と現在の西院である誕生院は別の寺院であったが、明治初年に単一の寺院となった。 昭和6年(1931年)大本山に昇格して管長寺となり、真言宗小野派を真言宗善通寺派と改称し、昭和16年(1941年)には真言宗善通寺派総本山に昇格している。
大正14年(1925年)12月9日、北白川宮妃富子がお成り[3]。昭和10年(1935年)8月15日、澄宮崇仁親王がお成り[3]。昭和12年(1937年)4月6日、東伏見宮周子妃がお成り[3]。
善通寺には数万点にも及ぶ文書・記録類が所蔵されているが長らく手付かずであった。しかし、平成12年(2000年)から創建千二百年記念事業として地元の香川県立ミュージアムにより調査、リスト化が進められており、調査報告書などが刊行されている。
南大門から入ると右に五重塔が聳え、正面に本堂がある。本堂手前を左にまっすぐ進むと、中門で東院を出て塔頭寺院の間を行くと、西院(御誕生院)に至る。廿日橋を渡り仁王門、回廊を経て正面に大師堂がある。納経所は仁王門をくぐってすぐに右に行けばある。
東院の以下6件は2009年11月2日登録[24]
西院の以下19件は2010年4月28日登録[31]
49あったと云われる塔頭のうち現在は以下が残った。
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