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日本の兵庫県加古川市の広域地名 ウィキペディアから
別府町は、瀬戸内海に面した港町である。加古川市別府町朝日町・別府町石町・別府町新野辺・別府町新野辺北町・別府町中島町・別府町西町・別府町西脇・別府町東町・別府町別府・別府町本町・別府町緑町・別府町港町・別府町宮田町・別府町元町にあたる。南部は埋め立て地である金沢町と瀬戸内海に面し、東側は加古郡播磨町、北側は加古川市野口町・平岡町、西側は加古川市尾上町と面している。
別府町の現在の発展は、多木家と神戸製鋼を抜きにして語れない。庄屋であった多木家が興した多木化学は、戦前から国内有数の肥料メーカーとして発展し、その輸送のために建設された別府鉄道(野口線と土山線。昭和59年に廃線)とともに、地域住民に職と交通手段を提供した。
戦後、尾上〜別府の浜を失うのと引き換えに、神戸製鋼が進出、大気汚染という負の影響も与えているが、結果多くの従業員が雇用され、人口が増加した。特に北隣の平岡町は東加古川駅の設置の影響もあり、急速に人口が増加した。東隣の播磨町においても、人工島に川崎重工や神戸製鋼など多数の企業が進出し雇用が生み出され、人口が増加した。
昭和63年、多木化学が所有していた緑町の地に、イトーヨーカドーが県内初進出。それまで平岡町新在家のイオン(旧ニチイ、サティ)に一方的に流れていた平岡町・播磨町・尾上町などの周辺地域からも集客に成功した。その後も多木化学所有の隣接地にホームセンター・衣料品店・スポーツ用品店などを誘致し、加古川駅周辺、新在家のイオンと並び、市内有数の商業地を形成している。
平岡町と別府町を結ぶ県道383号八幡別府線は、週末になると南行きが明姫幹線との交差点付近から渋滞するほど多くの買い物客が訪れている。
加古川河口の沖積平野で、別府川河口西側に位置する。かつては、遠浅の海が広がり、夏場は潮干狩りや海水浴で賑わっていたが[1]、1964年(昭和39年)工業整備特別地域に指定され、これに伴い、海浜埋め立てが進み、1967年(昭和42年)の夏を最後に、海水浴、潮干狩り場として親しまれてきた別府海岸とその北側の地域は姿を消す事となった[2]。別府川河口には別府港があり、おもに鉄鉱品、金属機械工業品、化学工業品の輸出入が行われている[3]。大型商業施設として、イトーヨーカドー加古川店、ダイキ別府店などが出店している。
別府港は、かつて阿閇津と称し、景行天皇の時代(313年[要出典])に開発され、天正年間(1573〜1592年)には戦略上の要港として、その後、港内の改修等により播磨地域産出の物品の移出が増大し、明治維新頃まで近隣の港をしのいできた。多木製肥所(現 多木化学)の創業と事業拡大に伴い、1875年(明治8年)から港内の浚渫、突堤の修築が行われ、1896年(明治29年)には県費補助指定港となり、改修作業が一層進行した。さらに大正期に入り、加古川製紙の生産能力増大や各種産業の振興などにより、1924年(大正13年)第一期修築工事が行われ、以降数回にわたって継続された。1963年(昭和38年)7月に播磨沿岸地域が工業特別地域の指定を受けたのを契機として、同年11月に、伊保港・曽根港・高砂港・二見港・別府港が東播磨港として統合され、播磨工業地帯東部地域の中核をなす港湾として1964年(昭和39年)2月重要港湾に指定された[4]。
別府の地名は、別符(特別の符をもって新たに開拓された独立的性格を持つ地域[5])によって土地を開拓したことに由来し[6]、当地が阿閇本荘の別符開拓村であることに依る[7]。1889年(明治22年)、新野辺、別府村、西脇村が合併して成立した。同村出身の多木久米次郎は人工肥料を開発して多木製肥所(現・多木化学)を創業し、1898年(明治31年)から過リン酸石灰の製造を手掛け、事業を順調に発展させた[8]。1915年(大正4年)事業拡大に伴い、製品である肥料運搬を目的に、山陽本線と連絡する別府軽便鉄道(後の別府鉄道)を発足させ、1921年(大正10年)野口線、1923年(大正12年)土山線を開通させた。1923年(大正12年)、神戸姫路電気鉄道(山陽電鉄)が開通、別府駅が設置された。1968年(昭和43年)神戸製鋼所加古川製鉄所の稼働に伴い、多くの関連企業が進出してきた。
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