レユニオン
フランスの海外県 ウィキペディアから
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レユニオン(Réunion)は、フランス共和国の海外県ならびに海外地域圏(レジオン)である。マダガスカル島東方のインド洋上に位置する。面積2512km2、人口約85万9,959人(2020年)。コーヒーの品種の一つブルボン種の原産地。県都はサン=ドニ。
公用語 | フランス語(レユニオン・フランス語)、レユニオン・クレオール語 |
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行政所在地 | サン=ドニ |
地域圏 | レユニオン地域圏 |
県番号 | 974 |
大統領 | エマニュエル・マクロン |
プレフェ(知事) | ジェローム・フィリッピーニ(Jérôme Filippini) |
評議会議長 | ユゲット・ベロ |
面積 | |
- 総面積 | 2,512 km² |
- 水面積率 (%) | 0.4 |
人口 | |
- 推計(2017年) | 859,959人 |
- 人口密度 | 340/km² |
GDP (PPP) | |
- 合計 | 147億ユーロ(2008年) |
通貨 | ユーロ (EUR ) |
時間帯 | +4 |
ISO 3166-1 | RE / REU |
ccTLD | .re |
国際電話番号 | +262(フランス都市部および在外公館からは不要) |
レユニオンの旗 | レユニオンの紋章 |
レユニオン島はマダガスカル島から800キロメートル東、モーリシャスから175km西の洋上に位置している(東経55度30分、南緯21度)。東西60キロメートル、南北55キロメートル、面積2512平方キロメートル(ほぼ神奈川県の面積)の大きな火山島。
島のほぼ中央には火山活動のない標高3,069メートルのピトン・デ・ネージュ(en:Piton des Neiges)山が、また島の南東部には火山活動のある標高2,631メートルのピトン・ドゥ・ラ・フルネーズ(en:Piton de la Fournaise)山がある。ピトン・ドゥ・ラ・フルネーズは活発に噴火を繰り返す火山であり、1960年、1977年4月[1]、2018年4月にも噴火が発生している[2]。 このためレユニオンには火山学者の在住者が多く、日本の地震学者安芸敬一も現地の観測所で研究を行っていた。山岳地勢のため、海岸部で暮らしている住民が多いものの、圏谷内や高原にも町や村が点在している。
火山と多雨(気象の項を参照)が形成する独特の自然美は2010年に「レユニオン島の尖峰群、圏谷群および絶壁群」の名で世界遺産に登録されている。とくにピトン・デ・ネージュに刻まれた3つの圏谷(マファト、サラジー、シラオス)に展開する先鋒群や断崖と削り残された高原との対比、多雨による独特の植生と断崖を流れ落ちる多数の滝が世界自然遺産にふさわしい特異な景観を作り出している[3][4]。
絶海の孤島にして高峰という地勢は、時として過酷な集中豪雨をもたらす。
内陸のシラオスでは、1952年3月15日から16日にかけて、24時間あたりの雨量1,870mm(世界記録)を観測している。また、1964年2月28日から翌29日にかけてベルーヴ (fr:Forêt de Bélouve) で観測された豪雨は、9時間あたり(1,087mm)・12時間(1,340mm)あたり雨量の世界記録となっている。( → 詳細は「降水量」の項を参照。)
フランス内地の県と同様に県会の議長が行政府の長となる。
主要作物はサトウキビで砂糖が主要輸出品、他にはラム酒、キャッサバ、バニラなどである。近年になって1940年代に失われたと言われていたコーヒーのブルボン・ポワンテュ種の野生化した苗木が発見され、フランス政府とレユニオン県庁の協力の下に2006年再生に成功、翌年以降、少数が栽培されている。アラビカ種由来で、他のコーヒー豆に比べて細くて小さく、硬いのが特徴。( → 詳細は「川島良彰」項を参照。)
フランス本土はじめ観光産業にも力が入れられている。高低差や変化に富んだ地形を利用したトレイルランニングの大会「グラン・レイド」(10月)には世界各地から例年6000人程度が参加し、希望者を断るほどの人気がある[5]。
一人当たりGDPは約26,000ドル(2013年)と高いが失業率は30%・若者の60%(2014年)、貧困層が人口の42%(2010年)という問題を抱える。
レユニオンでは黒人と白人の混血に限らず様々な民族の混血を「クレオル」と呼んでいる。人口の上ではこのクレオルが多数派で64%を占め、次いで印僑が28%、その他が少数派のヨーロッパ人や華人などとなっている。経済的には豊かな印僑や欧州人と貧しいクレオルとが対立する構図となっており、その経済格差は1991年に深刻な暴動を発生させる要因の一つとなった。
公用語はフランス語だが、一般的にはフランス語を母体としたレユニオン・クレオール語を話す。
宗教はカトリックが大多数の89%を占める。その他はインドより伝来のイスラム教(ほとんどがグジャラート州からの移民)やヒンドゥー教などとなっている。
表玄関はローラン・ギャロス空港(旧名サン=ドゥニ・ジロ空港)。ローラン・ギャロスはレユニオン出身の飛行家で、テニスの国際大会である全仏オープンが開催される会場にも彼の名が冠されていることで知られる。マダガスカルとバンコク間を飛ぶマダガスカル航空便はここを経由する。2011年4月からはエール・オーストラルがレユニオンとバンコク間の直行便を週2便就航させている。
2009年に全長70キロメートルのトラム式軽鉄道トラム=トレン・ド・ラ・レユニオンの建設計画が発表され[6]、2014年完成が予定されていたが、2010年3月の選挙において推進派だったポール・ヴェルジェス(レユニオン共産党)が敗北したため一旦中止されている。住民の多くはトラム計画を支持していたが、ヴェルジェス家が子女を要職に就かせて政治的支配を固めていたことに反発して逆風が吹いたと言われている。
遅くとも12世紀にはアラブ商人によって島の存在が知られていた。アジアやアフリカの船乗りも立ち寄ったと推測される。
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