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ヘキサニトロヘキサアザイソウルチタン(英語: hexanitrohexaazaisowurtzitane 略称:HNIW、CL-20)は、2020年時点で実用化、量産されている爆薬の中では最大の威力を持つ[注 1]。
この物質は化合物としては特殊な出自を持っていることが知られている。最初に行われたのはスーパーコンピュータによる分子内の電子軌道計算による理想的な爆薬としての化合物の構造の計算であった。そうして先に分子構造を決定した上で合成法が研究され、実用化された。天然には存在しない。
名前の中にあるウルチタン(wurtzitane、ウルツィタンとも)とは核となる物質の名称であり、構造が硫化亜鉛の鉱物のひとつウルツ鉱(wurtzite)の結晶構造に似ていることにちなむ(よって語尾の「チタン」は金属チタン(英:Titanium)を指すものではない)。なおウルチタンはアイサン (iceane) とも呼ばれるが、これは氷の結晶構造にも構造が似ることによる。
ニトロ基を6個も持っていることに加えて分子構造自体が歪みを持っているため、極めて高いエネルギーを内包しており、火薬としての破壊力が大きい。また炭素6個に対して酸素が12個と酸素バランスが良く、燃焼時に遊離炭素や一酸化炭素が発生しにくい。そのため燃焼ガスの無害性に加えて、銃弾の推進剤として使用した場合に消炎剤を添加しなくても遊離炭素が空気中の酸素と燃焼して発生する二次火炎が小さくなり、単純な火薬力以外の面でも優れた火薬であることを示している。
結晶にはα型, β型, γ型, ε型の四種類があるが、前三者は感度が高すぎて実用に耐えず、安定したε型結晶だけが爆薬として使用されている。用途は広く、砲弾などの炸薬からマルチベース火薬の原料として弾薬・実包などにも使用されている。
破壊力をトリニトロトルエン(TNT)比に換算したRE係数は2.04であり、国連の危険物輸送に関する勧告ではTNT換算190%とするように通達されている。
以下の式のように、ベンジルアミンとグリオキサールからウルチタン構造を作り、ベンジル基を除去したのちにアセチル化、最後にニトロ化を施して製造する。
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