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トヨタ自動車のハッチバック型乗用車 ウィキペディアから
カローラ スポーツ(COROLLA Sport)は、トヨタ自動車が生産・販売するハッチバック型の乗用車である。
トヨタ・カローラスポーツ (通算12代目) MZEA12H/ZWE21#H/NRE21#H型 | |
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2022年10月改良型 HYBRID G"Z" | |
概要 | |
別名 |
米国 : トヨタ・カローラハッチバック 欧州 : トヨタ・カローラ オセアニア : トヨタ・カローラハッチ 台湾 : トヨタ・オーリス(3代目) |
販売期間 | 2018年6月26日 - |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 5ドアハッチバック |
駆動方式 |
前輪駆動 四輪駆動(アクティブトルクコントロール4WD:1.2Lターボのみ) |
プラットフォーム | GA-Cプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
1.2Lターボ:8NR-FTS型: 1,196cc 直列4気筒直噴DOHCターボ 1.8Lハイブリッド:2ZR-FXE型: 1,797cc 直列4気筒DOHC |
モーター |
1.8Lハイブリッド: 1NM型:交流同期電動機 |
最高出力 |
1.2Lターボ: 85kW (116PS)/5,200-5,600rpm 1.8Lハイブリッド: エンジン: 72kW (98PS)/5,200rpm モーター: 53kW (72PS) システム最高出力:90kW (122PS) |
最大トルク |
1.2Lターボ: 185N・m (18.9kgf・m)/ 1,500-4,000rpm 1.8Lハイブリッド: エンジン: 142N・m (14.5kgf・m)/ 3,600rpm モーター: 163N・m(16.6kgf・m) |
変速機 |
1.2Lターボ: Super CVT-i 6速iMT(前輪駆動のみ) (2018年8月-) 1.8Lハイブリッド: 電気式無段変速機 |
前 |
前:マクファーソンストラット式コイルスプリング 後:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング |
後 |
前:マクファーソンストラット式コイルスプリング 後:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,640mm |
全長 | 4,375mm |
全幅 | 1,790mm |
全高 |
1,460mm(前輪駆動) 1,490mm(四輪駆動) |
車両重量 |
1,310kg - 1,400kg (2018年6月-2018年8月) 1,300kg - 1,400kg (2018年8月-)) |
その他 | |
ブレーキ |
前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク |
系譜 | |
先代 |
トヨタ・オーリス (日本・欧州各2代目) |
2006年発売の10代目以降は「地域最適化」を謳い、世界各地で仕様が大きく分けられていたカローラであったが、昨今のモジュール化の波に加えて世界的にスポーティデザインへ流行の兆しが見られることから、トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー (TNGA) 採用に伴いカローラの統合を見据えて開発された[1]。それまで「カローラiM」として販売していた北米では「カローラ ハッチバック」に改称され、2018年6月より投入されている[2]。欧州向けには2018年のジュネーヴ・モーターショーで、当初3代目オーリスとして初披露されていたが[3]、後にオーリスの名を廃止することを明かし、「カローラ」の名称で2019年初頭から販売が開始された[4]。なお、日本市場においては「12代目カローラシリーズの先駆け」とトヨタ自らが公表[5]する通り、本モデルの登場から一年後の2019年9月にセダンが「カローラ」として、ワゴンが「カローラ ツーリング」としてそれぞれフルモデルチェンジされている[6]。
車載通信機「DCM (Data Communication Module)[7]」を全車に標準搭載し、同時に新型に移行した15代目クラウンと共に「初代コネクティッドカー」を標榜。シャシーはTNGAに基づく新プラットフォームを採用しているほか、上級グレードにはメーカーオプションで可変式ショックアブソーバーの「AVS」を用意しており(後述)、「走る・曲がる・止まる」といった車両性能の向上に大きく力を入れている。ボディサイズは2代目オーリスと比較して、全長で+45mm、全幅を+30mm拡大、ホイールベースは40mm延長され2,640mmとなった。また、全高は前輪駆動車が-20mm、四輪駆動車が-10mmとなり、ワイド&ローをより強調したフォルムとなっている。
なお「カローラ」の名を冠し、かつカローラ店で取り扱うCセグメントクラスのハッチバックは、2006年10月に販売終了となったランクス以来11年8か月ぶりとなる。セダンモデルのアクシオは購入層の平均年齢がおおむね70歳代、ステーションワゴンモデルのフィールダーにおいてもおおむね60歳代ということから、本モデルの投入を通じて顧客層の若返りを図る狙いがある[8]。
「カローラ スポーツ」の名称は、日本では初となるが、北米市場では1977年-3代目カローラ(E5#型)、1979年-4代目(E7#型)、1984年-5代目(E8#型)、1988年-6代目(E9#型)[9][10]から、欧州市場では2002年-9代目(E12#型)[11]、豪州市場では2006年-10代目(E15#型)[12]、まで使用されている。
欧州のみファンクショナル・マトリックスグリルを用いないGR SPORTモデルが、『カローラGR SPORT』の名でラインナップされている。
パワートレインは2種類を設定。2代目オーリスから継続搭載される1.2Lターボエンジン「8NR-FTS」型は、2代目オーリスのプレミアムガソリン指定からレギュラーガソリン対応に変更となったが、最高出力・最大トルクの数値に変化はない。トランスミッションは2代目オーリス同様「Super CVT-i」で、新たに10速スポーツシーケンシャルシフトマチックを採用(2代目オーリスでは7速)。また、2018年8月には6速MTを追加した。駆動方式は前輪駆動と四輪駆動(アクティブトルクコントロール4WD)を設定。一方で2代目オーリスに搭載されていた1.5Lの1NZ-FE型、1.8Lの2ZR-FAE型は廃止された。
ハイブリッド車用の「2ZR-FXE」型エンジンは、その形式名こそ2代目オーリスと共通だが、4代目プリウスから搭載が開始された大幅改良版に変更。併せてモーターも「3JM」型から「1NM」型との組み合わせとなっている。オーリスとの比較では、システム最高出力こそ90kW(122PS)と10kW(14PS)低下しているが、実用燃費が向上。また「平成30年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」認定を取得している。なお、駆動方式は前輪駆動のみの設定となる。
2022年10月の一部改良ではガソリン車・ハイブリッド車共にパワートレインが刷新され、ガソリン車は2.0Lのダイナミックフォースエンジン「M20A-FKS」型に換装され、トランスミッションはCVTに一本化した上で、発進用ギアを備えた「Direct Shift-CVT」へ変更。駆動方式は前輪駆動のみとなった。なお、エンジンの換装により排出ガス性能が向上され、ハイブリッド車同様に「平成30年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」認定を取得した。ハイブリッド車は電動モジュールが刷新され、フロントモーターが「1NM」型から「1VM」型へ変更。モーターの出力が向上されたことで、システム最高出力が従来型から13kW(18PS)向上され、103kW(140PS)となった。なお、パワートレイン刷新に伴って車両型式が変更となり、ガソリン車はMZEA12H型、ハイブリッド車はZWE219H型にそれぞれ変更された。
リヤサスペンションは、2代目オーリスが下位グレードにトーションビーム式サスペンションを採用していたのに対し、全てのグレードでダブルウィッシュボーン式サスペンションに統一。また、「HYBRID G“Z”」「G“Z”」にメーカーオプションとして設定される「AVS」[注 7]は、トヨタブランドの前輪駆動車としては日本国内において初採用。路面や走行状況に応じて瞬時に4輪それぞれの減衰力を切り替え、あらゆる路面で高級車並みの快適な走りを実現する」とアナウンスされている。ショックアブソーバーはKYBとの共同開発で、(旋回時のみ)ピストン摺動面の摩擦を増やしロールを抑えるという、従来のセオリーとは逆の斬新な発想で設計されている[22]。2019年11月のマイナーチェンジでは、同時発売のカローラ/カローラツーリングと同様、運転者の目線の動きを計算した足回りのチューニングが新たに施され、ストレスの少ない走りを実現している[23]。
この他電子制御により、フロント内輪にブレーキをかけアンダーステアを解消してハンドリングを向上させる、ACA(アクティブコーナリングアシスト)も採用している。
第2世代型の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備。プリクラッシュセーフティはミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた方式を採用し、歩行者検知(昼間・夜間)・自転車運転者検知(昼間)機能を付加した機能を搭載。また、レーダークルーズコントロール使用時に、同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援するレーントレーシングアシスト(LTA)、カメラで認識した道路標識をディスプレイに表示することで道路標識の見落としを減らし、安全運転を促すロードサインアシスト(RSA)といった第2世代型の新機能に加え、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)、オートマチックハイビームが含まれる。
2022年10月の一部改良では更に進化し、プリクラッシュセーフティは交差点右折時の対向直進車や右左折時の対向方向から来る横断歩行者・自動車運転者の検知にも対応。RSAは道路標識だけでなく信号機にも対応し、赤信号を認識している場合に、信号の見落としにより交差点に進入する可能性があるとシステムが判断した場合にディスプレイの表示とブザーで注意喚起する赤信号の告知機能を追加。発進遅れ認識機能は従来からの先行車発進時だけでなく、信号機が赤から青に変わったときのうっかり出遅れにも対応。新機能として、運転状況に応じたリスクの先読みを行うことで危険に近づきすぎないように運転操作をサポートするプロアクティブドライビングアシスト、LTA制御中にドライバーの無操作状態が継続している場合、音・表示・緩減速による警告でドライバーに操作を促すほか、ハザード・ホーン・ストップランプで車外に異常を報知しながら自車線内で減速停車し、停車後にドア開錠や「ヘルプネット」自動接続による救命要請も行うドライバー異常時対応システムも装備された。さらに、ソフトウェアアップデートに対応したことで、購入後でも安全性能の最新化が可能となった。
「Toyota Safety Sense」以外にも、駐車時における衝突緩和や被害軽減に寄与する機能としてパーキングサポートブレーキも備わっており、クリアランスソナーに静止物との接触を緩和する機能を備えたことで前後進行方向にある壁などの障害物を検知している場合、発進時に出力を抑制、更に距離が縮まると衝突被害軽減ブレーキが作動する前後方静止物と、駐車場から後退するときにレーダーで自車の左右方向から接近する車両を検知してドアミラー内のインジケーターの点滅とブザーでドライバーに注意喚起し、衝突の危険性がある場合には自動的にブレーキ制御も行う後方接近車両があり、前後方静止物は全車標準装備、後方接近車両は全車メーカーオプション設定となる。
2019年のイギリスツーリングカー選手権(BTCC)において、それまでトヨタ・アベンシスを用いてきたスピードワークス・モータースポーツを支援する形でマニュファクチャラー復帰する英国トヨタは、カローラスポーツをベースとした『カローラBTCC』を開発。運営が供給する「TOCAエンジン」の2.0Lターボを採用した。食品会社のGinsterがメインスポンサーとなり、『Team Toyota GB with Ginsters』として参戦を開始した。ドライバーは同チームでインディペンデント王者となったトム・イングラム。初年度は4勝を挙げてランキング6位につけた。
2020年からはメーカー支援の強化により『TOYOTA GAZOO Racing UK with Ginsters』を名乗り、ドイツのトヨタ・モータースポーツGmbH(TMG、現・トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ)と提携してマシン開発を行った。同年は3勝でランキング4位につけた。
2021年はスポンサーのバッティングにより、イングラムとGinsterが離脱。赤白黒のTGRカラーの2台体制となる。
2023年からTOCAエンジンをやめて、トヨタの量産エンジンをベースとするものに切り替えた[24]。
この他将来ハイブリッドシステムをテストするためのマシンとしても、カローラBTCCが選ばれている。
2018年春、市販に先駆けて日本のチューナーのRS☆Rが支援する、北米のPapadakis Racingがカローラスポーツをフォーミュラ・ドリフト仕様に改造。後輪駆動に換装され、心臓部には1000馬力のトヨタ・2ARエンジンを収める。エナジードリンクのロックスターにカラーリングされ、ドライバーは2015年王者のフレデリック・オズボーが務める。開幕戦ロングビーチでデビューウィンを飾り、2018・2019年と年間ランキングでは2位の好成績を収めている[25]。
2021年5月の富士24時間レースで、トヨタのワークスチームであるROOKIE Racingよりカローラスポーツが参戦。GRヤリスの3気筒エンジンをベースとした水素エンジンと同車の4WDシステムを採用[26]し、『Corolla H2 Concept』を名乗る。世界初の水素エンジンによるレース参戦は、一般メディアでも大きく報道された。
決勝ではモリゾウこと豊田章男社長含む7名のプロレーサーがドライブし、358周をこなして完走を果たした[27]。その後もスーパー耐久に参戦し、毎戦進化を重ねた。最初7~8分かかっていた充填時間[28]はシーズン終了時には1分半に短縮され[29]、ラップタイムも最初はST-5といい勝負だったのが、ST-4に匹敵するまでになった。
2022年の富士24時間レースではTOYOTA GAZOO Racing WRTの監督を務めるヤリ=マティ・ラトバラもサプライズ参戦。プレイグニッション(早期着火)の問題があって走行時間は前年より伸ばせなかったが、周回数は478周まで伸ばした。このレース以降は外観をGRカローラに変更して参戦している。
「SPORT」はスポーツカー(SPORTS CAR)に由来すると思われるが、トヨタによると『若々しくかっこいい、さらに、スポーティな印象を与えるカローラ。』とのことである[30]。
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