タマアジサイ

ウィキペディアから

タマアジサイ

タマアジサイ(玉紫陽花[3]学名: Hydrangea involucrata)は、アジサイ科[注釈 1]アジサイ属の1種の落葉低木つぼみが球形であることから名付けられた[4]

概要 タマアジサイ, 分類 ...
タマアジサイ
福島県会津地方 2008年8月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: ミズキ目 Cornales
: アジサイ科 Hydrangeaceae
: アジサイ族 Hydrangeeae
: アジサイ属 Hydrangea
亜節 : タマアジサイ亜節 Asperae
: タマアジサイ H. involucrata
学名
Hydrangea involucrata Siebold (1829)[1]
シノニム
和名
タマアジサイ(玉紫陽花)
閉じる

分布

日本の東北地方南部(福島県)、関東地方岐阜県までの中部地方伊豆諸島四国九州トカラ列島に分布する[4][5][6]

山地の谷間や沢沿い[6]、やや湿った林縁、道路法面などに自生する。

形態

落葉広葉樹の低木で、高さ約1 - 2メートル (m) 程度になる[3]。葉や幹など全体に短毛が生えており、ざらつく[5][4]。樹皮は灰白色から茶褐色で、成長するに従って薄く剥がれる[3]

に葉柄があり、枝に対生し、葉は長さ10 – 21センチメートル (cm) の楕円形で先がとがる[4]葉縁は細かい鋸歯があり、葉の表面、裏面とも短い毛が生え[6]、触るとざらつく。

花期は8 - 9月[6]に包まれた球状のつぼみが開くと、淡紫色の両性花が多数現れ、その周囲に花弁4枚の白い装飾花が囲む。装飾花は大きさ20 – 32ミリメートル (mm) で、両性花は大きさ2 - 5 mmあり、花序は直径10 – 15 cmである[4]。つぼみの大きさは径1.5 cm、長さ1.2 cm程度で、開花に従い包んでいた苞は落ちる[4]。山地で自生する場合、花は8 – 9月に咲くが[4]、平地で栽培しているものは6 – 7月ごろに咲き始める[5]。実は熟すと裂ける[6]。冬でも枯れ残った装飾花のついた果序が残っている[3]

冬芽は芽鱗に包まれた長さ6 - 8 mmの頂芽が枝先に1個つき、側芽は頂芽よりも小さく枝に対生してつく[3]。芽鱗は薄く、枝と共に粗い毛が多く生えている[3]。冬芽の下にある葉痕はV字形から三角形で、維管束痕が3 - 5個ある[3]

系統

アジサイ属タマアジサイ亜節 Asperae + バイカアマチャPlatycrater からなる系統に属し、その中でおそらく最初に分岐した[7]

利用

かつてタバコの代用品や混ぜものとして使われ、「ヤマタバコ」の別名がある[5][8]

脚注

参考文献

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.