ジンジソウ

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ジンジソウ

ジンジソウ(人字草、学名Saxifraga cortusifolia Siebold et Zucc.[1])は、ユキノシタ科ユキノシタ属分類される多年草の1[2][4][5]。種小名(cortusifolia)は、「サクラソウモドキ属のような」を意味する[2]和名は、下に垂れた2個の花弁の長い形態を漢字の「」のに見立てたことに由来する[4][6]。別名がモミジバダイモンジソウ[6]、同ダイモンジソウと比較して、葉がやや深く切れ込んでいることに由来する[2]

概要 ジンジソウ, 分類(APG III) ...
ジンジソウ
ジンジソウ、鈴鹿山脈(三重県いなべ市)にて、2017年10月10日撮影
10月に花を付けたジンジソウ Saxifraga cortusifoli
鈴鹿山脈三重県いなべ市)にて
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ユキノシタ目 Saxifragales
: ユキノシタ科 Saxifragaceae
: ユキノシタ属 Saxifraga
: ジンジソウ S. cortusifolia
学名
Saxifraga cortusifolia Siebold et Zucc.[1]
シノニム
和名
ジンジソウ
変種
  • ツルジンジソウ S. cortusifolia var. stolonifera[3]
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特徴

花茎の高さは10-35 cm[4]根茎は短く、直立または斜上し、頂に根生葉は束生し、長さ2-15 cmの葉柄があり[5]、基部はハート形で全体にがある[6]葉身は円腎形-円形で、長さ2-11 cm、幅3-16 cm、縁は7-11に中裂する(まれに浅裂したり深裂する。)[5]。葉に含まれる硝酸石灰結晶の形は針状[7]集散花序円錐花序[2])に[6]多数の白いをやや密に付ける[4]は線形、花柄は長さ2-15 mmで微細な腺毛があり[5]、1列の細胞からなる[7]裂片は長卵形で長さ約1-5 mm、花時に平開または反曲する[5]。白い5個の花弁は開出する[5]。上部の3個の花弁は広卵形、長さ約4 mm、鋭頭、基部に黄色または虹色に斑点があり、明らかな爪がある[5]。下部の2個な花弁は、長楕円形で12-25 mmと長く、鋭頭、基部は長いくさび形[5]。花弁に走る脈が一般に多い[7]雄蕊は10個、長さ約 5 mm、裂開直前のは橙黄色[5]花柱は初め短いが、花後に伸びる[5]。開花時期は9-11月[4]種子は長さ0.7 mmの楕円形、表面に大小2種類の[7]微細な乳頭状突起がある[5]染色体数は2n=22[5][7]

分布と生育環境

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山地筋の湿り気のある岩壁に生育するジンジソウ

日本固有種[6]本州関東地方以西)、四国九州に分布する[6]

山地渓流沿い、日陰や[2]湿り気のある岩壁、老木上などに生育する[4]山野草として利用されている。

分類

同属のダイモンジソウに似る[7]。以下の変種品種が知られている。

  • ツルジンジソウ - S. cortusifolia Siebold et Zucc. var. stolonifera (Makino) Koidz.[3]
  • ムラサキジンジソウ - S. cortusifolia Siebold et Zucc. f. atropurpurea (Makino) Nemoto[8]
  • マルバジンジソウ - S. cortusifolia Siebold et Zucc. f. breviloba H.Hara[9]
  • フギレジンジソウ - S. cortusifolia Siebold et Zucc. f. incisa (Takeda) Nemoto[10]
  • フイリジンジソウ - S. cortusifolia Siebold et Zucc. f. variegata (Nakai) H.Hara[11]

種の保全状況評価

日本では以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている。変種のツルジンジソウが鹿児島県で、絶滅危惧II類の指定を受けている[12]園芸採取、ダム建設、森林開発などにより個体数が減少し絶滅が危惧されている地域がある[13]瀬戸内海国立公園足摺宇和海国立公園石鎚国定公園の特別地域などにおいて採集が禁止されている[14]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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