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カール・メイセック(Carl Macek、1951年10月12日[1] - 2010年4月17日[1])は、アメリカ合衆国の脚本家、プロデューサー、音響監督。ペンシルベニア州ピッツバーグ出身。カリフォルニア州立大学フラトン校卒[2]。
メイセックは1985年に『ロボテック』(制作:ハーモニーゴールド USA)のプロデューサー兼ストーリー・エディターとしての仕事が目立った。流暢でなかったと評されたこのアニメは、北米を含む全世界でのアニメファンダムに火をつけた作品のひとつであるとされている。
メイセックはロボテックの続編『ロボテック II: センチネル』を作る予定だったが、諸事情のため未完に終わった。
ハーモニーゴールド在籍時、メイセックはCaptain Harlock and the Queen of a Thousand Years (『宇宙海賊キャプテンハーロック』と『新竹取物語 1000年女王』のストーリーを合わせたもの)を制作した[3][4]。
1988年、ジェリー・ベックとともにストリームライン・ピクチャーズを設立。ロボテックで一緒に仕事をしたスティーブ・クレイマー、トム・ワイナー、グレッグ・スネゴフ、Ardwight Chamberlainといったベテラン声優を引き連れた。
ストリームラインは日本のアニメの輸入に成功した会社の一つとなった。 ストリームラインの代表作には『レンズマン』『ロボットカーニバル』『帝都物語』『ゴキブリたちの黄昏』『クライング フリーマン』『妖獣都市』があげられ、『天空の城ラピュタ』『北斗の拳』『AKIRA』『ルパン三世 カリオストロの城』『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の英語版でも功をなした。
1993年、ストリームラインは オライオン・ピクチャーズを通して自身の作品を配信し、オライオン・ピクチャーズがMGMに買収されるまで続いた。いずれの会社も現在はほかの会社の子会社などになっている。
2000年から2005年まではADヴィジョンおよびADVフィルムに勤め[2]、2008年からはレベニュー・エンターテイメント・ワールドライドの副社長兼コミュニケーションディレクターを務めた[2]。また、ファニメーション[2]やビズメディアで日本アニメ作品の英語版脚本を書いたり、『ロボテック・シャドウ・クロニクル』においてハーモニーゴールド社の相談役に就任したりした。
メイセックは、第2-3次日本アニメファンダムにおいて最も議論を呼んだ人物である。多くの人々は、彼が日本国外における日本のアニメのパイオニアだと考えている。ストリームライン・ピクチャーズによる吹き替え作品はケーブルテレビ放送だけでなくホームビデオの形で海外に入ってきた。
アニメファンダムにおいてメイセックに対する否定的な意見があるのは、彼が日本のアニメを大幅に改変したことが多々あったからである。特に『ロボテック』は関連性のない『超時空要塞マクロス』『超時空騎団サザンクロス』『機甲創世記モスピーダ』を同じ話としてつなげてしまった。『聖戦士ダンバイン』の吹き替えにおいても彼は脚本の改編を行った。また、他の作品でも彼は"ethnic gestures"な点を除くために脚本を大きく変えてしまった。初期作編と比べても、アニメの民族性は北米のファンに受け入れつつある。
メイセックとストリームラインは、吹き替えを施したアニメだけを販売し、そのような販売を行った唯一の大手販売業者であり続けている。彼はアニメが一般的な視聴者に受け入れられることが重要だと信じ、アニメの吹き替えは重要だとしている。マニアックなアニメファンダムで大きな影響力を持つ人々は、字幕入りのアニメのみを視聴し、多くのストリームライン製の作品をボイコットしてきた。ストリームラインはのちに『AKIRA』の字幕ホームビデオとロボテックの3つのオリジナルシリーズをもとにしたホームビデオをリリースした。これらのビデオはストリームラインが独立系企業としてリリースした唯一の字幕入りの作品となった。
このような理由からアニメファンダムによっては彼をAntichristと呼ぶ。欧米の視聴者に受け入れられるように脚本を改変する行為は「massacre」(虐殺)になぞらえて「macekre」(メイセック殺)という名がついた。
死後 " Carl Macek's Robotech Universe " (カール・メイセックのロボテック世界)という題名のドキュメンタリー短編映画が製作され、そのフィルムは西暦2011年10月18日(アメリカ太平洋標準時)にハーモニー・ゴールド USA 社のハリウッド在の Preview House (プレヴュー・ハウス)で舞台挨拶の後に初上映封切された[6][7]。
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