お守り(おまもり、御守り、御守)とは、厄除け(魔除け)、招福(開運、幸運)、加護などの人の願いを象った物品(縁起物)である。護符、御符[1]とも呼ばれる。外来語で言うとアミュレット、タリスマン(英語版)、チャーム、テフィリンなど。
日本の神社や寺院で配布されるお守りやお札は鎌倉時代から存在するが、これらは道教の符録を日本化して利用したのが始まりである[2]。
さまざまな形態の護符がある。
自然系
動植物や自然になんらかの超常的な力を見出してお守りとする。
- 動物質
- 動物の骨や歯、爪。
- 植物質
- 各種の香辛料・ハーブ
- 香気が立ち薬効があるとされ、各地で邪悪なものをはらうと信じられた。
- タイム - ヨーロッパで勇気を鼓舞すると信じられた。
- トウガラシ - 日本・韓国・中国における香気や赤い色。
- ニンニク - キリスト教における十字架と同じく吸血鬼の弱点。
- ヨモギ - 東アジア各地における蓬矢や薬玉など。邪悪なものを追い払う。
- その他(山など)
イコン系
神や宗教者を像として形作ったり、図画にして用いる。
お札系
ご利益のある文言や図画を書き記したもの。50音順に示す。
- 大津絵
- 神札 - 神社の名前や祭神を書いた札。神社の神札・御守りは陰陽道の護符に起源があるという[6]。
- 蘇民将来 - 「蘇民将来子孫家門」と書いた札を家の門に貼り、牛頭天王の加護を求める。
- 符録(中国語版) - 中国における道教のお札、#符録、召神徠鬼、趨吉避凶[7]、降妖鎮魔、治病除災のお札がある。
- 護身符(中国語版) - 中国民間信仰で厄を退ける符。
- 梵字
- 魔法陣
- 宗教の聖典
コイン系
コイン、もしくはコインの形状のものをお守りとみなす。
アクセサリー系
50音順。
- 千人針 - 太平洋戦争中、出征する兵士に贈られた。白い布に女性が1針ずつ玉結び(玉止め。弾と掛けた願掛け)を縫い付けたもので、腹巻とした。また、縁起をかつぐために銭貨や虎の模様を縫い付けることもあった。
- ピアス -耳から悪霊が入るのを防ぐ護符とされた
- ネックレス -呪術や豊作祈願等でも身につけられた
- 懸守 - 平安時代から見られる女性や子供が付ける守り。錦の布でつくった筒形の袋の両端に紐をつけて胸に下げた[9][10]。
- ピアス - 耳から悪霊が入るのを防ぐ護符とされた
- ブレスレット - 身につけるタイプのお守りとして、現代でも使われている 神むすび等
- ポクポン - タイに伝わる、毛糸で出来たお守りを現代風にアレンジしたもの。
- 指輪 -魔除けの指輪など
その他
- 自作 - 部活/スポーツの仲間とお揃いで作る場合など[11]。フェルトやレジン、ミサンガをビーズ、プラ板などで作られる。その際によく使用されている言葉は、漢字1文字~4文字が一般的[注釈 1][要出典]。
- 千羽鶴 - 折り紙を用いて神聖な鶴の形を作り、それを千個作ることでなんらかの願掛けとする。折鶴自体は古くからあり、当初は必ずしも千個ではなかった(千は日本において「とても多い」の漠然とした意味)。
- 武器 - 戦闘や護身、狩猟のために使われた刀剣や弓矢などの武器は、慶事の縁起物や弔事の魔除けとして登場する[12]。
- ヘラクレスクラブ(英語版) - 英雄ヘラクレスのこん棒を模したお守り。ローマ人の間で流行したものだが、ゲルマン人側ではドナー(トール)のこん棒というお守りがある[13]。
近年の傾向として、厄除けと開運の御利益が同時に得られるとして、日本三大厄除け開運大師の、埼玉厄除け開運大師の通称で知られる龍泉寺、兵庫県の門戸厄神東光寺、広島県の大聖院などの寺院が人気を集め、このうち龍泉寺の「大開運守」は2020年にはヤフーの全国最強開運お守り10選で1位に選ばれるなどした。龍泉寺の2024年の初詣大祈願祭の人出は前年50万人から70万人に増えた[14]。
脚注に使用したもの。主な執筆者、編者の順。
- 外国語の書籍
注釈
勝、絆、夢、進、笑、必勝、上昇、信頼、仲間、入魂、全力、勝利、挑戦、一致団結、七転八起、獅子奮迅、前程万里、獅子搏兎、百折不撓など。
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