農業の歴史
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農業の歴史(のうぎょうのれきし、英語: history of agriculture)では、農業(農耕・牧畜)の歴史および農業技術の発展と普及について記述する。
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人類はもともと、もっぱら狩猟採集を行って生きていたと考えられており(狩猟採集社会)、農業は様々な分類群(いわゆるタクソン)の動植物を対象に、世界各地でそれぞれ別個に始まったと考えられている。ロシア(のちソビエト連邦)の農学者・植物学者であり、遺伝学者でもあったニコライ・ヴァヴィロフによれば、栽培植物の起源中心地は、地球上の11の地域に及ぶ。
後述するように、およそ紀元前9500年頃の新石器時代にはレバントにおいて、デュラムコムギの始祖とされるエンマーコムギ、ヒトツブコムギをはじめ、オオムギ類、エンドウマメ類、レンズマメ、ヒヨコマメ、アマなど8種類の初期作物が収穫されていたことが知られている。コメ類は、紀元前6200年頃までには中国で栽培が開始され、最古の収穫の記録は、紀元前5700年頃とされる。それに続いて、リョクトウ(緑豆)、大豆や小豆も栽培が開始された。サトウキビや根菜類の栽培は、紀元前7000年頃のニューギニア島で始まった。モロコシは、紀元前5000年頃までには、アフリカのサヘル地域で栽培が開始された。メソアメリカでは紀元前4000年頃に、現在のトウモロコシの起源とされる野生種のテオシンテ(または、テオシントとも)の栽培が始まった[1]。綿(ワタ)の栽培は、紀元前3600年頃までにペルーで始まったとされる。
牧畜については、紀元前11000年頃のメソポタミアでブタの飼育が始まったのに続いて、紀元前11000年頃から紀元前9000年頃にかけて、ヒツジの飼育が始まったとされる。ウシについては、紀元前8500年頃の(現在の)トルコやパキスタン周辺で、現代の家畜牛の祖先にあたるオーロックス(1627年に絶滅)の飼育が始まった。
南アメリカのアンデス地方では、紀元前8000年頃から紀元前5000年頃にかけて、インゲンマメ類やコカとともにジャガイモの栽培が始まり、ラマやアルパカ、モルモットなどが飼育され始めた。同じ頃、パプアニューギニアでは、既に交配されたバナナが収穫されていたとされる。