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停止すべき位置を越えて走行してきた、自動車または鉄道車両を強制的に停止させるための構造物。また、自動車の駐車場や鉄道線路の終端に設置される。 ウィキペディアから
車止め(くるまどめ)とは、停止すべき位置を越えて走行してきた、自動車または鉄道車両を強制的に停止させるための構造物である。自動車の駐車場や鉄道線路の終端に設置される。
車止めのメーカーであるサンポールは「車止め」と呼ばれるものを以下の3種類に分類している[2]。
自動車は、運転者が停止位置を知るため故意に車止めへタイヤを接触させることがあり、自動車用の車止めは接触(微速な衝突)が常に生じることを前提とした構造や設置方法が採られる。コンクリート製のものが多い。
鉄道においては、車両が車止めに接触することは異常事態や事故であり稀で、鉄道車両用の車止めは頻繁に車両が接触や衝突することを考慮しておらず、車止め自体が破損することで衝突の衝撃を緩和する構造のものが多い。構造はコンクリート製やバラストを積んだものなどがあり、多くの車止めはそれが機能したのちには復旧工事を必要とする。
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自動車のタイヤを動かなくさせる物理的な役割のほか、これ以上行けないことをタイヤの感触で示す意味も大きい[3]。素材はタイヤの重量がかかっても割れないようコンクリートやプラスチック、ゴム、角型鋼管、御影石などが用いられる[4]。一般的に長辺400 - 700 mm、高さ 100 - 200 mmで重さは1- 30 kgほどである[5]。国土交通省の『建築工事標準詳細図』では長辺600 mm、短辺200 mm、高さ120 mmでM12のアンカーボルトを埋め込みエポキシ樹脂の接着剤で地面と接着させるプレキャストコンクリート製のものを標準として例示している[6]。設置位置は駐車場のマス後方から1000 - 1200 mmが標準である[6]。反射材を取り付けて車止めの存在を示すことも多い[5]。使用を終えた車止めは歩車道間の段差スロープとして再利用されている例もある[7]。
製品名としてはパーキングブロック(サイコン工業)、プラストップ(アフロディテ)、カーストッパー(ミズキ、TOEX)などがある[3]。
また、三角形をした携帯用の車止め(手歯止め)もある。材質は、木製、鉄製などがあり、パンク修理などの非常用として折りたたみ式の車止め(輪止め)もある。止まっている車を固定し安全を確保するためのもので、走って(動いて)きた車を強制的に止めるものではない。
自動車の進入を防ぐために物理的な障害として立てられる[8]。使用していない時は地面に収納するものや、鎖によって繋がれている上下式タイプ(チェーンポール)もある[8]。太り柱のものは岸壁に船を係留させるものから転じてボラードと呼ばれている[8]。高さは50 - 80 cm、重さ5 - 40 kgほどで、上下式や脱着式のものは錠が付いている[9]。
製品名としてはバリカー(帝金)、ムーブボラード(ヒガノ)、エキスポール(ユニオン)など[10]。ミツギロンからはプラスチック製の車止めとしてアーチスタンドやチェーンスタンドが販売されている[11]。
車止めがその役目を果たすにも限界はある。土佐くろしお鉄道宿毛駅衝突事故のように、車両がある程度以上の速度で衝突した場合、車止めが破壊され車両がそれを乗り越えていくこともある。
限界となる速度は車止め及び車両の種類や構造などによっても異なるが、自動車と比較すると鉄道の場合は低速でも被害が大きくなりがちである。そのため、線路終端の手前に速度照査付きの自動列車停止装置(ATS)や自動列車制御装置(ATC)を設置して列車を予め強制的に減速あるいは停止させ、車止めへの衝突時のショックや車体の損害を少しでも緩和したり、車止めへの衝突そのものを防止しようという取り組みもある。そうでなくても、車止めのすぐ先に川や崖、民家、公道等がある場合や高架の終端など、列車の過走が直ちに乗客や第三者の生命・財産の危機へと直結するような場合に備えて、確実性向上のために複数種の車止めを相互間のバックアップとして併設しているケースは古くから多く見られる。
鉄道の車止めでは、車止め本体と一緒に線路の終端を示す標識が設置されている事がほとんどである。設置条件などによっては反射材を使用して光(主に列車の前照灯によるもの)を反射させたり、電球・LEDなどが内蔵され標識自体が発光する機能を備えたものなどがあるが、それら自体はあくまで標識であって車止めではなく、車両を直接的に停止させる機能やその一部を担っているわけでもない。
また、主に安全側線において、短い梯子もしくは柵状の装置が設置されていることがあるが、これは「安全側線緊急防護装置(タピット)」と呼ばれるもので、設置されている場所や形状は似ているが車止めではない(同装置の詳細は安全側線#課題と対策を参照)。
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