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アブラナ科アブラナ属の二年生植物 ウィキペディアから
アブラナ(油菜)は、アブラナ科アブラナ属の二年生植物。古くから野菜として、また油を採るため栽培されてきた作物で、別名としてナノハナ(菜の花)、ナタネ(菜種は正式な作物名である)などがあり、江戸時代には胡菜または蕓薹と呼ばれた。
アブラナ | |||||||||||||||||||||||||||
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菜の花 | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Brassica rapa L. var. nippo-oleifera | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
Brassica campestris L. | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
油菜、菜の花、菜種、赤種 | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Turnip rape, Chinese colza |
実際にはアブラナ属の花はどれも黄色で似通っていることから、すべて「菜の花」と呼ばれる傾向がある。
植物油の原料として栽培されているのは、ほとんどが別種のセイヨウアブラナ(西洋油菜、学名:B. napus)であり、在来種のアブラナは野菜として生産され、開花前に収穫されてしまうことが多い。また、離弁花類である。
原種は、西アジアから北ヨーロッパの大麦畑に生えていた雑草で、農耕文化と共に移動したと考えられている。漢代の中国に渡ると栽培作物となり多様な野菜を生むなど、東アジアで古くから栽培されている。日本では弥生時代以降から利用されたとみられる。
本来は菜、つまり葉物野菜として利用され、古事記では吉備の菘菜(あおな)、万葉集では佐野の茎立(くくたち)として登場し、花芽についても、延喜式に記されている。
江戸時代になって、植物油の採油目的として栽培され、その油は菜種油と呼ばれた。菜種油は、主に灯油原料として利用され、生活に密着したものとなった。そのため、菜種という言葉は、一般的な植物名として定着したのであった。また、一般にアブラナ属植物の種子からは油が採取でき、カラシナやカブも利用されている。
丈夫で育てやすく、広く栽培されたなじみ深い作物だった。また、菜種畑は明るい黄色が畑を覆う「菜の花畑」として春の風物詩とされ、歌や文学作品の題材となるが、明治時代以降はセイヨウアブラナに置き換わっている。
原種であるBrassica rapaの変種は数多く[1]、野菜として利用されているものが多い。
このほかコウサイタイ、ブロッコレットなどが、市場に出回るようになっている。アスパラ菜など、交配による新顔も登場している。
アブラナ科植物は形態的な変異に富んでいるが、その見た目とは反対に交雑して雑種が生まれやすい。すなわち、同種だけでなく他種の花粉によって結実してしまうもので、学術的な分類の困難な品種も多い。
これは、固定種や在来品種を維持するために自家採種を行っている農家にとって、特に頭の痛い問題であり、種苗用の種子生産では交雑を避けるために隔離栽培(他のアブラナ科植物の花粉で汚染されないよう、数百メートル以上離す)が必要だが、一般の圃場では不可能に近い(小さな島で隔離栽培例がある)。
菜の花(ナバナ)は、秋に種をまき、本葉が5 - 6枚の苗を株間30 - 40センチメートル (cm) で定植し、冬を越して3月上旬から4月上旬に花茎を切って収穫する[2]。畑に直まきする場合は、間引きながら育てる[2]。草丈が20 cmくらいのとき、生長が遅いようであれば追肥も行う[2]。
国内の作付面積では北海道が最大で、特に空知地方中部の滝川市は国内有数の規模で知られる。また近年では同地方南部の岩見沢市と美唄市も滝川市に肩を並べるまでに栽培が急増しており、空知地方だけで全国の作付面積の約3割を占めている[3]。
そのほかに作付面積の大きい地域としては青森県横浜町、次いで秋田県が挙げられる。千葉県の房総半島南部(館山市、南房総市、鴨川市など)の栽培は、統計上大きくはないが、県の花になっている。
国 | 1965年 | 1975年 | 1985年 | 1995年 | 2000年 | 2005年 | 2007年 | 2009年 |
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中国 | 1.1 | 1.5 | 5.6 | 9.8 | 11.3 | 13.0 | 10.5 | 13.5 |
カナダ | 0.5 | 1.8 | 3.5 | 6.4 | 7.2 | 9.4 | 9.6 | 11.8 |
インド | 1.5 | 2.3 | 3.1 | 5.8 | 5.8 | 7.6 | 7.4 | 7.2 |
ドイツ | 0.3 | 0.6 | 1.2 | 3.1 | 3.6 | 5.0 | 5.3 | 6.3 |
フランス | 0.3 | 0.5 | 1.4 | 2.8 | 3.5 | 4.5 | 4.7 | 5.6 |
ポーランド | 0.5 | 0.7 | 1.1 | 1.4 | 1.0 | 1.4 | 2.1 | 2.5 |
イギリス | <0.007 | 0.06 | 0.9 | 1.2 | 1.2 | 1.9 | 2.1 | 2.0 |
オーストラリア | <0.007 | <0.06 | 0.1 | 0.6 | 1.8 | 1.4 | 1.1 | 1.9 |
ウクライナ | <0.007 | <0.06 | <0.03 | <0.1 | 0.1 | 0.3 | 1.0 | 1.9 |
チェコ | 0.07 | 0.1 | 0.3 | 0.7 | 0.8 | 0.7 | 1.0 | 1.1 |
アメリカ合衆国 | <0.007 | <0.06 | <0.03 | 0.2 | 0.9 | 0.7 | 0.7 | 0.7 |
ロシア | N/A | N/A | N/A | 0.1 | 0.1 | 0.3 | 0.6 | 0.7 |
デンマーク | 0.05 | 0.1 | 0.5 | 0.3 | 0.3 | 0.3 | 0.6 | 0.6 |
ベラルーシ | N/A | N/A | N/A | 0.03 | 0.07 | 0.1 | 0.2 | 0.6 |
ハンガリー | 0.008 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.2 | 0.3 | 0.5 | 0.6 |
ルーマニア | 0.01 | 0.02 | 0.04 | 0.04 | 0.1 | 0.1 | 0.4 | 0.6 |
合計 | 5.2 | 8.8 | 19.2 | 34.2 | 39.5 | 46.4 | 50.5 | 61.6 |
出典:UN Food & Agriculture Organisation (FAO)[4] |
この項では、セイヨウアブラナも含めたアブラナとしての用途を記す。
100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 138 kJ (33 kcal) |
5.8 g | |
食物繊維 | 4.2 g |
0.2 g | |
飽和脂肪酸 | (0.02) g |
多価不飽和 | (0.08) g |
4.4 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(23%) 180 µg(20%) 2200 µg |
チアミン (B1) |
(14%) 0.16 mg |
リボフラビン (B2) |
(23%) 0.28 mg |
ナイアシン (B3) |
(9%) 1.3 mg |
パントテン酸 (B5) |
(15%) 0.73 mg |
ビタミンB6 |
(20%) 0.26 mg |
葉酸 (B9) |
(85%) 340 µg |
ビタミンC |
(157%) 130 mg |
ビタミンE |
(19%) 2.9 mg |
ビタミンK |
(238%) 250 µg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(1%) 16 mg |
カリウム |
(8%) 390 mg |
カルシウム |
(16%) 160 mg |
マグネシウム |
(8%) 29 mg |
リン |
(12%) 86 mg |
鉄分 |
(22%) 2.9 mg |
亜鉛 |
(7%) 0.7 mg |
銅 |
(5%) 0.09 mg |
セレン |
(1%) 1 µg |
他の成分 | |
水分 | 88.4 g |
水溶性食物繊維 | 0.7 g |
不溶性食物繊維 | 3.5 g |
ビオチン (B7) | 12.2 µg |
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[6]。別名:なのはな、しんつみな、かぶれな | |
| |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
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