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内角のうちの1つが直角である三角形 ウィキペディアから
直角三角形においては、直角である内角は、他の2つの内角よりも大きくなる。直角三角形の直角以外の2つの角を、直角三角形の鋭角と呼ぶ。直角三角形の2つの鋭角の和は、直角に等しい。
直角三角形の直角の対辺を斜辺と言い、残りの2辺を、直角をはさむ2辺または単に隣辺と言う。
直角三角形の3辺の間には、長さについて三平方の定理の関係がある。
直角の頂点を直角頂と呼ぶ。直角頂は垂心に等しい。
直角三角形の定義は 1つの内角が直角(90°)であることであるが、内角の和は 180°であるから、直角である内角はその1つだけである。直角でない2つの内角はどちらも鋭角(90°未満の角)であり、それらの和は直角に等しい。
直角三角形の斜辺の中点は、3頂点まで等しい距離にある(外心)。このことと三角不等式から、直角三角形の斜辺は、3辺のうち最も長いことが導かれる。
直角三角形の斜辺の長さは、外接円の直径に等しく、また、直角をはさむ2辺の長さの和から、内接円の直径を引いた差に等しい。
合同な2つの直角三角形から、斜辺だけ重ねると、長方形ができる。直角三角形は面積 ab の長方形を1本の対角線で区切って2等分した図形なので、面積は 1/2ab である。
また、合同な2つの直角三角形を、隣辺の1つずつだけ重ねると二等辺三角形ができる。2つの合同な三角形を1辺ずつだけ重ねて別の三角形ができるのはこの場合に限られる。
直角三角形の面積は、直角をはさむ2辺の長さの積の 1/2 に等しい。
直角三角形の斜辺を一辺とする正方形の面積と、直角をはさむ2辺をそれぞれ一辺とする正方形 2個の面積の和は等しい。すなわち、斜辺の長さを c、直角をはさむ2辺の長さをそれぞれ a, b とすると、それらの2乗について以下の等式が成り立つ:
三平方の定理は逆も成り立つ。すなわち、上記の等式を満たす三角形は直角三角形に限られる。
直角三角形にも合同条件がある。
三角関数を幾何学的に定義するには、直角三角形を利用する。鋭角 A に対する斜辺 c、隣辺 a、対辺 b により
で定義する。
三角定規は直角三角形であり、2つの鋭角が 30°, 60°の半正三角形(正三角形を半分にしたもの)と底角がともに 45°である直角二等辺三角形の2枚が1組となっているのが一般的である。半正三角形の長い方の隣辺と、直角二等辺三角形の斜辺の長さは同じ場合が多い。これらを使って平行線や垂線を容易に作図できる。
直角三角形の3辺の長さになる3整数の組をピタゴラス数という。ピタゴラス数は (ka, kb, kc) (a2 + b2 = c2, (a, b, c) はどの2つも互いに素、k は自然数) の形になり、下の式で表される:
ここで m, n は自然数で
を満たす。
自然数 m, n が上記の3条件を満たせば、重複なく全てのピタゴラス数を導出できる。上記の3条件を満たす自然数 m, n は無数にあるため、(a, b, c) は(つまりピタゴラス数は本質的に)無数にある。
明治初期の日本では、直角三角形は「勾股弦の形[2]」と呼ばれていた。この名の起源は漢の『九章算術』「勾股」章にまで遡ることができる。なお、『九章算術』は現代の中国はもちろんのこと、日本の和算にも引き継がれている。また「勾股弦」の語は現在の日本の伝統建築の規矩術[3]でも用いられている。(斜辺を「玄」、隣辺を「勾」、「殳」と表す。)
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