地下茎
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地下茎(ちかけい、英: underground stem, subterranean stem)とは、通常の状態として地下にある茎の総称であり、その形態・機能は多様である[1][2][3](下図1)。これに対して、地表より上に伸びる茎は、地上茎 (aerial stem, epigeal stem, terrestrial stem) とよばれる[4]。地上茎の中には、地表面を這って伸びる匍匐茎もあり、地下茎との区分は必ずしも明瞭ではない[4][3]。地下茎の中には、地表直下にあるものから地下深くを伸びるものまであり、ハスのように水底下の地中に位置するものもある(レンコン)[2]。地下茎は、その形態や構造に応じて、根茎、球茎、塊茎、鱗茎に区分されることが多い。
地下茎は地中にある点で根と類似するが、ふつう葉(鱗片葉など)を付けること(しばしばその跡が残る)、根冠や根毛がないことなどにより区別できる[1][2][3]。また多くの場合、維管束の配置が根とは異なる[2][3]。
根と同様に、地下茎は植物体を土壌に固着させる役割を担い、また地下茎からはふつう根(不定根)が生じている[2][5]。さらに地下茎は養分を貯蔵し、生育不適期(冬など)の耐久構造となりその後に新たな地上部を生じたり、母体から切り離されて新たな個体となる(栄養繁殖)ことに用いられるものも多い[3]。