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半導体の電気的特性を利用して作られる素子 ウィキペディアから
半導体素子(はんどうたいそし、英: semiconductor device)とは、半導体で作られた電子回路の構成要素である。半導体デバイスともいう。
種類ごとに電気的特性と機能を持っており、基本素子として整流機能を有するダイオード、増幅機能を有するトランジスタ、スイッチング機能を有するサイリスタ等がある。 またシステム的なものとして、トランジスタの論理回路を集積させて高度な演算機能を実現する集積回路(IC・LSI)、CCD・CMOSを利用した光電変換機能を集積した固体撮像素子などがある。 これらについて半導体素子・半導体デバイスは動作原理を表す概念的モデルから、具体的な製品まで、様々なレベルのものを指す。
コンピュータ、携帯電話等の電子機器でその中心的機能を担っている。さらに機械分野でも制御機能の高度化に伴い自動車や各種産業機器にも組込まれている。
世界の電子機器メーカーの半導体需要は2018年において4,766億ドルであった[1]。
半導体素子(集積回路)製作の大まかな流れ | |
クリーンルーム: 半導体を利用した電子機器はホコリに弱いため、作業はこのような清浄な環境下で行われる。 |
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シリコンインゴット(左の長い円柱)をスライスして、ウェハー(下の薄い円盤)を作る。 |
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回路の実装が済んだウェハー。碁盤の目状に見えるのは同一の回路(ダイ)が並んでいるため。これをダイヤモンドカッターで切り分ける。 | |
ウェハーから切り分けられたダイ。複雑に入り組んだ回路が見える。 | |
最終的な状態。
これはモールド(封止)がされていないチップの例。中心にウェハーから切り分けられたダイが実装されている。 |
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その後、スマートフォンやテレビといった様々な電子機器内部に搭載される。 |
半導体素子が普及する以前は電気回路における能動素子として電子管(真空管など)が使われていた。 しかし半導体素子には次のような特徴があり、特定の用途・領域を除き電子管を代替した。
当初真空管に比べて不利とされていた弱点についても、それを補う方法が開発された。
2018年現在では単元素のシリコン、化合物半導体としてヒ化ガリウム (GaAs)、窒化ガリウム (GaN)、炭化珪素 (SiC)等がよく用いられる。
半導体材料の伝導性は通常多数キャリア(majority carrier)(N型半導体では電子、P型半導体では正孔)の移動により発現する。多数キャリアの存在密度は結晶構造中の自由電子の過不足を生じさせる不純物に依存する。しかし、トランジスタなど多くの半導体素子では、動作するためには少数キャリア(minority carrier)N型半導体では正孔、P型半導体では電子が必要である。
半導体素子には、トランジスタ、ダイオード(整流器)、発光ダイオード (LED) 等がある。こういった単体の半導体素子は「ディスクリート半導体」(個別半導体)と呼ばれる個別部品として生産・使用されているが、多数の半導体素子を一括して作成した集積回路 (IC, LSI) の方が流通量や産業規模としても大きな位置を占めている。集積回路になると、トランジスタやダイオードといった能動素子に加えて、抵抗やコンデンサといった素子も半導体素子として構築される。
パワーエレクトロニクスにおいては、電力機器用の電力用半導体素子があり、高電圧、高電流を扱うことができる。
2端子素子は通常「ダイオード」と呼ばれる。
素子のオン状態およびオフ状態を外部から与える信号によって任意に切り替えられることが出来るものを自己消弧素子という。
もっとも初期のタイプである。ゲルマニウムなどの半導体表面に針を刺して各端子にする物である。1945年にダイオードが、1948年にトランジスタが開発された。点接触形ダイオードは端子間容量が小さく、高周波特性が良いので検波用ダイオードとして広く用いられ、今日でも特定用途に生産されている。他方、点接触形トランジスタは、トランジスタ発明当時の姿であり、エミッタ端子とコレクタ端子との間隔を微小に保つことの困難さや、動作の不安定さなどからまもなく接合型トランジスタに取って代わられた。 この方式以外の半導体は、原則としてすべて接合型構造に分類される。
純粋な半導体の単結晶を溶融半導体中に入れ、ゆっくり引き上げ棒状に成長させるものである。
ゲルマニウムトランジスタ全盛期に一般的だった製法である。ゲルマニウムの薄いN型単結晶を、アクセプタとなるインジウム等の金属粒で両面から挟んで熱接合し、合金部分から拡散したアクセプタによってPNP構造を形成したもの。(NPN型もあったが、Siトランジスタでは使われなかったと思われる)
断面が台地(メサ)状で、厚み方向に電流を流すものである。PN接合ダイオードの場合PN、バイポーラトランジスタの場合PNP/NPN、サイリスタの場合PNPN構造を形成する。
2000年代では、大電力用パワーデバイスのみに使用されている。
同一平面上に端子用電極を形成したものである。電流経路を短くすることが可能で高周波特性が良いなどの特徴がある。
また、微細加工により多くの素子を並べて写真技術の応用で製造できるためばらつきが少なく大量生産に向く。この特徴を生かしてモノリシック集積回路が発明された。
ファブレスとは、自社内に製造部門を持たずに開発や設計を行い、他社に製造を委託すること、またはその会社を指す。詳細はファブレスを参照。
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